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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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SalesZine Day 2026 Winter

2026年1月27日(火)13時~18時40分

データ×イネーブルメントで“売れる仕組み”を再設計 AI時代の営業進化論

「会えない時代」の勝ち方とは 購買の意思決定を促進する「Buying Jobs」と顧客データ統合

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成功事例:「顧客ニーズDB」の構築がもたらしたパイプライン増加

 ある企業の事例をご紹介します。その企業は事業部ごとに独立してビジネスを展開していましたが、シナジーを生むために、顧客の業界軸で横断的な「アカウントチーム」を組成しました。

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 しかし、当初は情報の共有がまったく行われていませんでした。商談ログはSFAに残されず、メールやスライド、Excelに散在。アカウントチームが提案仮説を立てようにも、情報収集すらままならない状況でした。

 そこで取り組んだのが、全事業部で毎日作成されていた活動報告を収集して「顧客ニーズデータベース」を構築することでした。これを横串で分析した結果、業界やビジネスモデルごとの提案余地が可視化され、アカウントチームの仮説精度が向上。結果として、商談パイプラインが大幅に増加したのです。

 現在は、受注期間の短縮や受注率の向上、さらにはコールセンターやカスタマーサクセスのデータも統合し、商品開発へのフィードバックにまで挑戦しています。

 まずは手元にある活動データ(Work Log)を集め、分析環境をつくる。この一歩が、顧客接点全体を統合していくための確実なステップとなります。

顧客の成熟度で見極める「AIと人間の役割分担」 

 今後の展望として、今我々が挑戦しているのが、複数の専用AIを統括する「司令塔AI(AI Agent)」の活用です。SFA、ERP、グループウェアといった独立したAIエージェントに指示を出し、それらの結果をまとめて回答するマルチエージェントシステムです。

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 では、このシステムをどのように使い分けるべきか。アカウント(顧客)の成熟度モデルで考えてみましょう。

 EYではアカウントを7段階の深耕度で評価します。Level1は、まだコンタクトしたことがないアノニマスな「リード顧客」、Level2は、コンタクトを始めたばかりで、まずは1件の受注を目指す「接触開始顧客」、Level7はすでにBig Dealを獲得し深く関係性がつくれている「ダイヤモンド顧客」といった形で定義していきます。

 たとえば、すでに深い関係性があり、営業が密着している「ダイヤモンドアカウント」は、現時点では、人間による高度な判断と関係構築を優先すべき。AIの司令塔は不要です。

 司令塔AIがもっとも効力を発揮するのは、取引が始まり拡大の余地があるLevel3の「未開拓アカウント」、Level4の「発展途上アカウント」でしょう。このアカウントを担当する営業のスキルレベルを底上げし、提案の「適射度」を高めることで、収益へのインパクトを実感しやすいのではないでしょうか。

 最後に、AI活用を設計していくうえでの注意点をお伝えします。

 近年はABM、MA、SFAといった各種ツールが機能領域を拡大し、それらが重複することで過剰投資につながるケースが見られます。大切なのは、それぞれのツールの役割を明確に切り分け、そのプロセスの中で「どこにAIを組み込むか」を定義することです。

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 営業は限られた時間の中で、適斜度の高い活動、すなわちバイヤーイネーブルメントを行わなければなりません。そのためには、顧客データの整理統合が必要不可欠です。なかなか骨の折れるプロセスですが、AIを導入するうえで、避けてはとおれません。

「正しい顧客ニーズの把握が、戦略を正しくする」。この原則を念頭に、まずは身近なデータの活用から着手してください。

セールスイネーブルメントの在り方とKPI再設計を解説した第3回は、2月16日(月)公開予定!

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データ×イネーブルメントで“売れる仕組み”を再設計 AI時代の営業進化論連載記事一覧
この記事の著者

SalesZine編集部 高橋愛里(セールスジンヘンシュウブ タカハシアイリ)

新卒で総合情報サービス企業に入社し、求人広告の制作に携わる。2023年翔泳社入社。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://saleszine.jp/article/detail/7960 2026/02/13 07:00

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