日本ビジネスシステムズ(以下、JBS)は、法人の営業活動の全プロセスを支援し伴走する AIソリューション「Sales AIgent(セールスアイジェント)」をリリースした。

開発の背景
JBSでは、企業のAI活用が普及していくためには、効果を実感できる仕組みづくりと、潜在的な企業のニーズに応える必要性を感じていた。AI導入は一部の業務効率化やコスト削減の観点よりも、ROI(投資対効果)を出しやすく、売上に直結する営業の業務改革へ包括的にアプローチすることが重要と考え、Sales AIgentの企画・立案に至った。
なお、本ソリューションは、JBSが企業のAIトランスフォーメーションを進める第一歩として企画、子会社のAIexeとともに開発を進めた。
ソリューションの概要
Sales AIgentは、CRMに蓄積された顧客データや活動履歴に、会議メモ、メール、日報といった情報を重ね、顧客の「いま」を可視化する営業AIである。旧来のCRMは、過去の取引実績や営業数値の管理、すなわち過去から現在の可視化が中心で、未来のアクションに結びつきにくい「過去経営」に偏りがちであった。
Sales AIgentは、AI技術により、顧客の声などから、未来のチャンスとリスクの「予兆」を読み取る。その予兆を経営会議・営業会議に示すことで、企業の未来をリアルタイムに自ら変革する、VUCAの時代に求められるスピード感を伴った「未来経営」を可能にする。
営業担当者に対しては、商談の前・最中・後を支援する。
- 商談前:相手企業の最近の話題や過去のやり取り、関係者の関心、前回の合意事項、想定課題を1枚にまとめた要点メモを自動生成する。
- 商談中:想定される懸念や質問に対する、その場で使える受け答え案を提示する。
- 商談後:フォローアップ文案と次に取るべき行動案を提示し、抜け漏れを防ぐ。
さらに、各アカウントの健康度や解約・失注リスク、追加提案の可能性を可視化し、動くべき順序を明確にする。
一方、マネジメントには、Sales AIgentにより、現場で生じる変化をリアルタイムに意思決定へつなぎ、その判断をスピーディーに行動へ反映する仕組みを提供する。進捗、売上予測、機会、リスクを一元的に把握可能となるため、会議の目的が状況確認から意思決定と実行に移行し、優先すべき行動が明確になる。
- 営業プロセスを支援:個別業務の最適化ではなく、営業プロセス全体の最適化する。
- AIによる業務変革:提案書や議事録作成など周辺業務はAIに。属人化の解消とスキルの平準化する。
- 営業力の底上げ:商談準備や商談後のネクストアクションも自動化し、営業担当は顧客との対話に集中できるようになる。
- 営業状況の可視化「経営ダッシュボード機能」:経営層向けのダッシュボードで進捗・売上予測・リスクを一覧表示し、スピーディな意思決定を支援する。
- ROIの明確化:売上成長に直結するため、AI投資の効果を定量的に評価できる。
技術的背景とユーザー向け機能の一例

本ソリューションは、Microsoft Azure、AWS、Google Cloud、Snowflakeを中心とした基盤に構築。顧客マスタデータを管理するため、CRM(Salesforce、Microsoft Dynamicsなど)とAPIで連携する。