PRM(パートナー関係管理システム)を提供するパートナープロップは、前回2024年3月のシードラウンドから半年の期間で、シリーズAラウンドにて資金調達を実施。今回の調達により、累計資金調達額は9億円超に達した。
PRM(パートナーリレーションシップマネジメント)とは:企業が販売代理店や小売業者などのビジネスパートナーとの関係を強化する手法
資金調達概要
調達金額:累計9億円
本ラウンド出資者:ジェネシア・ベンチャーズ、Delight Ventures 、Angel Bridge、JAFCO、三菱UFJキャピタル
調達資金の背景
「パートナーマーケティング」を牽引し、パートナーチャネルを科学する
近年、直販チャネルの改善が進む一方で、限られた人員・広告費で案件を創出する活動に限界が生じている。営業リソースの集中が必要となる一方で、対応可能な顧客数やエリアには物理的な制約があるほか、人材不足・採用競争の激化により、事業成長を阻む壁となっている。こうした状況を打開するため、「パートナーチャネル」への転換が求められている。
現在、日本企業においては約80%がパートナーチャネルを活用しており(※)、さまざまな企業がパートナーチャネルで収益を創出
しかし、モデルケースの不足などにより、多くの企業がパートナーチャネルへの転換に苦戦している。直販領域はベストプラクティスの登場や、DX化により改善されてきた一方で、パートナーチャネルは改善が進みきっていない。そのため、各社自社の属人的なナレッジやパートナー担当者との人間関係を元に、「商談同席」や「勉強会の開催」などのメーカー側の一方通行な努力によって、パートナーチャネルは運営されてきた。
このような背景から、パートナープロップは「パートナーマーケティング」を確立した。
※出典元
パートナーが受注までに至るには、商材を理解し、リードを獲得し、商談を実施するというジャーニーが存在する
パートナーマーケティングとは、受注より前のジャーニーに対しても動機づけを行い、パートナーの活動状況を可視化しながらフォローを行うことで、パートナーが受注まで自走していく仕組みをつくる手法である。
導入企業においてもパートナーマーケティングにおいて成果が出始めていることに加え、パートナープロップもアーリー期からパートナーマーケティングを実行によって成長している。そこで今回、前回のラウンドから約半年でシリーズAに到達、今回の資金調達に至った。
各投資家・引受先からのコメント
ジェネシア・ベンチャーズ 代表取締役/General Partner 田島聡一氏/インベストメント・マネージャー 水谷航己氏のコメント
2024年3月のシード・ラウンド以降、ジェネシアの投資先向けシェアオフィス “Orbit Shibuya” に入居いただき、事業の垂直立ち上げを間近で目撃して、伴走して参りました。更なる規格外の事業拡大に向けたポテンシャルをチームの熱量の高さから感じたことから、資金調達の当初予定を大きく前倒して追加ファイナンスを提案させて頂き、前回ラウンドに続いて本ラウンドでもリードできたことを嬉しく感じております。今後の飛躍に向けて一層コミットして支援を実施して参ります。
Delight Ventures Partner 坂田卓也氏/Principal 芝原直也氏のコメント
圧倒的な成長はもちろんですが、PRMのアジアNo.1になるというチームの覚悟が凄まじく、心からリスペクトをしております。シードラウンドに続き、この度ご支援でき、共同でリード出資できたことを嬉しく思います。今後も圧倒的な顧客思考を持つチームとご一緒できることにワクワクしており、デライト・ベンチャーズ一同、全力で支援してまいります。
Angel Bridge代表パートナー 河西佑太郎氏/アソシエイト 山口拓哉氏のコメント
短期間でハイレベルなプロダクトを構築された実績、井上CEOを中心にパートナービジネスの知見が深く圧倒的なコミットで走り続けるチームに高いポテンシャルを確信して共同リード投資をさせていただきました。DXが進む直販領域と比較して深いペインが残存するパートナービジネスの市場において、アジアNo.1を目指す挑戦をAngel Bridgeも全力で支援してまいります。
ジャフコ グループ パートナー 藤井淳史氏のコメント
パートナープロップは、国内のソリューションベンダーの①アナログな代理店管理、②国内に閉じた代理店網という課題を打破すると期待しています。PRMソリューションのネットワークの拡大を共に推進し、そのネットワーク価値を共に享受していきたいと考えています。
三菱UFJキャピタル 投資第二部 副部長 藤本光氏のコメント
代理店営業は多くの企業にとって重要な顧客チャネルの一つですが、未だに情報共有や営業人材の育成に多くの課題が残る領域です。この大きな課題の解決のため、創業以来、優秀な人材が集結し、高い志と誠実な姿勢で事業を推進されてきたパートナープロップの取り組みには、更なる成長の可能性を感じています。今後もMUFG全体で当社サービスが社会に広く普及し、大きく羽ばたくためのお手伝いをしていきたいと考えています。
パートナープロップ 代表取締役 CEO 井上拓海氏のコメント
チャネル利用率が80%に達するパートナーチャネルは、企業や社会の成長を支える極めて重要な役割を果たしています。しかしながら、これまでの日本では、社内におけるMA(マーケティングオートメーション)やSFA(セールスフォースオートメーション)と比較して、社外のパートナーチャネルのDX(デジタルトランスフォーメーション)はほとんど進んでおらず、十分なナレッジも共有されていない状況でした。
一方で、海外に目を向けると、パートナーチャネルのDX化やナレッジの共有が広く普及し、それが企業や社会の成長を支える重要な基盤となっています。この現状に対し、私たちパートナープロップは、PRM(パートナーリレーションシップマネジメント)を提供し、パートナーマーケティングのナレッジを広めることで、企業だけでなく社会全体の成長エンジンとなることを目指しています。
私たちは日本国内だけにとどまらず、グローバル市場への展開も視野に入れています。企業の成長を支援するだけでなく、自らもグローバルで認められる存在となり、日本発の優れたテクノロジー企業として世界をリードしていきたいと考えています。
今回の資金調達を実現するにあたり、これまで支えてくださったお客様、投資家の皆様、そして弊社のメンバーをはじめ、応援いただいたすべての皆様に心より感謝申し上げます。
いただいた期待に応えるべく、これからも非連続的なチャレンジを果敢に進め、お客様への提供価値をさらに高めてまいります。