エン・ジャパンは、運営する人事・採用担当者向け情報サイト『人事のミカタ』上で、企業の人事担当者を対象に「企業のDX実態とデジタル人材不足」についてアンケート調査を行い、164社から回答を得た。

73%の企業がDXに取り組んでいると回答 取り組み内容は「文書の電子化・ペーパーレス化」が最多(図1~3)

「貴社では、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいますか?」と質問したところ、73%が「はい」と回答した(図1)。

業界別ごとに取り組み状況に差があり、「メーカー」(92%)と「流通・小売関連」(60%)で32ポイントの乖離があった(図2)。

続けて、具体的な取り組み内容について質問した。最多は「文書の電子化・ペーパーレス化」(76%)、次いで「営業活動・会議のオンライン化」(61%)、「クラウドサービスの活用」(60%)が続いた(図3)。
DXに取り組まない理由、上位は「人材不足」「企業文化・風土」(図4~5)

DXに取り組んでいると回答した企業に取り組みの成果を質問したところ、半数以上の企業が「業務の自動化、効率化」(78%)、「コスト削減、生産性の向上」(66%)と回答した(図4)。

一方、DXに取り組んでいない企業に取り組まない理由をしたところ、上位は「DX推進に関わる人材が足りない」(38%)、「DXに取り組もうとする企業文化・風土がない」(38%)、「社内エンジニアが足りない」(35%)という回答だった(図5)。
また、その具体的な理由は次のとおりだった。
<成果の詳細(業種/企業規模)>
- 長年SES事業を柱に営んできたが、自社のDX推進を起点に顧客向けのDX伴走サービスの立ち上げに繋がった(IT・情報処理・インターネット関連/10~29名)
- アプリを開発し、紙媒体であった配達表をアプリ内に移行することで、誤配達の防止や注文履歴、受注状況把握に効果があった(流通・小売関連/100~299名)
<DXに取り組んでいない理由(業種/企業規模)>
- 株主の理解が得られず、勝手に取り組んだ際に止められてしまった(IT・情報処理・インターネット関連/10~29名)
- ネットワーク環境の整備が不足している(鉄鋼業/50~99名)
58%の企業がデジタル人材が「不足している」と回答。デジタル人材の確保において「専門部署がない」など、採用以前の課題も(図6~9)


デジタル人材の充足状況について質問したところ、58%の企業が「不足している」(大幅に不足している:23%、やや不足している:35%)と回答する中、約4社に1社(24%)は「過不足はない」と回答し、充足感のある企業も存在している。一方、17%の企業は「わからない」と回答し、現状把握ができていない企業もあった(図6, 7)。

デジタル人材が不足していると回答した企業に、必要なデジタル人材の業務、役割について質問したところ、もっとも多い回答は「ビジネスアーキテクト(社内業務の高度化・効率化など)」(78%)だった(図8)。

続いて、不足するデジタル人材をどのように確保・獲得しようと考えているかについても質問したところ、回答の上位は「中途採用」(49%)、「社内人材の育成」(41%)だった(図9)。
それぞれ回答した理由、デジタル人材の確保・獲得についての課題や悩みは次のとおり。
<Q.デジタル人材が「大幅に不足している」「不足している」と回答した企業にお伺いします。デジタル人材をどのように確保・獲得しようと考えていますか?(業種/企業規模)>
▼「中途採用」と回答した企業
- ノーコード活用をベースとした場合、中途採用と社内リスキリングで対応可能(IT・情報処理・インターネット関連/10~29名)
- 社内の未経験人材の育成では立ち上がりまでに時間がかかる(IT・情報処理・インターネット関連/100~299名)
▼「社内人材の育成」と回答した企業
- 少人数の会社では採用した人材をDX化業務のみに専念させるのは困難であるため(金融・コンサル関連/1~9名)
- デジタル人材を新たに雇おうとする方針が会社から出ていない(サービス関連/1,000名以上)
▼「社外コンサルタント等との契約」と回答した企業
- 採用するより効率が良い(広告・出版・マスコミ関連/50~99名)
- フランチャイズとしてデジタル人材を採用しても、活用のイメージが湧かない。本部による外部を活用した開発で今の所は十分と考えている(流通・小売関連/100~299名)
<デジタル人材の確保・獲得についての課題や悩み(業種/企業規模)>
▼「DX」に関する課題・悩み
- DX化のためのソフトウェア等のシステムを導入しても、システムの問題でかえって効率化の妨げになる(金融・コンサル関連/1~9名)
- 今後の課題としてあがっているが、具体的な解決策がない。そもそもどこまでDX化が必要なのか議論ができていない。(商社/50~99名)
- 売上向上、人材確保・定着など、どの分野にDXとして手を出せば良いのかや費用感等もイメージが湧かない(流通・小売関連/100~299名)
▼「デジタル人材」に関する課題・悩み
- 退職した担当者の引継ぎがうまくできなかった。個人の力に頼るのはリスクが大きすぎた(メーカー/30~49名)
- 必要だが、雇用するほどではない。一方で業務委託や副業人材では足りない(メーカー/50~99名)
- 仮に求人を出した際、応募者の実績をどう測ればいいか分からない(サービス関連/1,000名以上)
▼「社内体制・風土」に関する課題・悩み
- デジタル関連の専門部署が無いため、ある程度の経験者による兼任で回している状況。しかしそれでは限界があるため、都度専門企業に依頼するしかない現状(流通・小売関連/10~29名)
- 上層部と現場との間でDXへの熱意に温度差がある(メーカー/50~99名)
- 中小企業のため、情報システム課などの専門部署がなく、詳しい人がやっている状況。デジタル人材を確保できても、専門部署がないため何を業務としてやってもらうか業務分掌が準備できていない(広告・印刷・製作/50~99名)
【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート
調査期間:2025年6月10日~7月14日
調査対象:『人事のミカタ』を利用する企業
有効回答数:164社