インサイドセールスがメールを活用するメリット
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インサイドセールスは非対面で営業活動を行うため、電話やオンライン商談ツールなどを活用します。そのうちのひとつがメールです。
インサイドセールスにとってメールは重要な営業ツールのひとつですが、具体的にどのような活用メリットがあるのか見ていきましょう。
膨大な見込み顧客に対して効率的にアプローチできる
インサイドセールスは、マーケティングが獲得した膨大な見込み顧客に対してアプローチしなければなりません。電話やオンライン商談の場合は1人ひとりの見込み顧客に最適化したアプローチができる反面、1件ずつ対応しなければならないため多くの時間や手間がかかります。
しかしメールであれば、対象となる見込み顧客に対して一斉にメールを送れるため、見込み顧客数が膨大でも効率的にアプローチできます。
見込み顧客との関係性を構築できる
メールは見込み顧客との関係性を構築し、見込み度を高めるためにも効果的です。
電話だと、相手のタイミングによって出てもらえないことも多いでしょう。もしも電話に出てもらえても、相手が忙しかったり興味がなかったりするとすぐに電話が切られてしまい、提供したい情報を届けられずに終わってしまうことも珍しくありません。
一方、メールの場合は相手の都合のよいタイミングで開封できるため情報を届けやすく、効果的にアプローチできます。相手にとって必要な情報を提供することで関係性を構築でき、見込み度を高めてアポイントにつなげやすくなるでしょう。
既存顧客のアップセル・クロスセルを促せる
インサイドセールスは主に見込み顧客を対象としますが、既存顧客に対するアプローチの際にも効果を発揮します。
各顧客の購入履歴や契約プランなどに合わせて最適化した情報提供により、アップセルやクロスセルの提案が可能です。たとえば、もっともリーズナブルなプランを契約している顧客に対して、ひとつグレードの高いプランのメリットを訴求するメールを送れば、顧客はアップグレードの価値を感じられるためアップセルにつながります。
休眠顧客の掘り起こしができる
インサイドセールスは膨大な見込み顧客を対象にアプローチしますが、その中には「途中で連絡がつかなくなった」といった見込み顧客も少なくないでしょう。このように一度接点を持ったのにその後つながっていない顧客を「休眠顧客」と呼び、適切なアプローチによって休眠状態から回復させられれば営業機会を創出できる可能性が高いのです。
休眠顧客に対してメールを送れば、自社の商品・サービスについて再び思い出させることができ、改めて関係性を構築できるチャンスになります。
インサイドセールスがメールで成果を出すポイント
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インサイドセールスではメールを使う機会が多いですが、開封率や返信率が悪かったり、なかなかアポイントにつながらなかったりするなどの課題も多く発生します。そこで、メールで成果を出すポイントを解説します。
「開封したい」と思う件名をつける
現代の日本人は1日のうちで数多くのメールを受信するため、自分にとって価値があるメールだけ開封するという人は少なくありません。パッと見て「開封したい」と思える件名でなければ他のメールに埋もれてしまい、開封されずに終わってしまいます。
- 15~20文字程度で視認性をよくする
- 簡潔かつ具体的にまとめる
- 「特別なご案内」「お礼」などを入れて目を引く
上記のような工夫をして、開封されやすい件名にしましょう。
個人のメールアドレスから送信する
送信元のメールアドレスが個人ではなく、会社名・ブランド名や「info」などとなっていると、受け取った側は「自分に関係のない内容かもしれない」と感じて開封しない可能性があります。
個人のメールアドレスから送ることで相手に安心感を与えられて、開封率アップが期待できるでしょう。また、展示会やセミナーなどで一度面識のある相手であれば、送信元の個人名を見て「自分宛てにメールしてきてくれた」という意識になり好印象を抱きます。
アクションを促す導線にする
メールの開封率が高くても返信率やコンバージョン率が低い場合には、アクションを促せていないと考えられます。
たとえば資料請求をしてほしい場合、「気になる方はご返信ください」と記載するよりも「こちらからお役立ち資料を請求できます」という文言とともに資料請求のボタンを設置しておけば、相手のアクションを促しやすくなるでしょう。
開封率や返信率などのデータを取る
メールを送りっぱなしにするのではなく、開封率や返信率などのデータを取得して分析し、改善していくことが重要です。
データを分析している中で、「曜日によって開封率が異なる」「○○という属性の見込み顧客は、事例紹介のメールだと反応が良い」といった傾向を把握できます。こうした分析結果を活かすことでメールの内容や配信タイミングをブラッシュアップでき、さらにメールの成果を高めていけるでしょう。
【シーン別】インサイドセールスのメールテンプレート集
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それでは、インサイドセールスの場面別のメールテンプレートを紹介します。今すぐ使える内容になっているので、自社の商材や顧客層に合わせてカスタマイズして使いましょう。
初回アプローチのメール文例
まずは、初回アプローチの際のメールテンプレートを紹介します。
マーケティング施策で獲得した見込み顧客に対するメールではなく、インサイドセールス自らが営業リストなどをもとに初めてアプローチするメールを想定しています。初めてのメールでは、商品・サービス紹介やお役立ち資料など、相手にとって価値のある情報を提供する内容にするとよいでしょう。
──例文──
<件名>
【ご案内】~~業務の効率化に関するご提案
<本文>
株式会社○○
○○様
突然のご連絡失礼いたします。
株式会社□□の□□と申します。
弊社は、~~業務を効率化できる「(サービス名)」を提供しております。
貴社と同じ○○業界での導入実績も多く、弊社の(サービス名)がお役に立てるのではないかと思いご連絡いたしました。
弊社の(サービス名)は、以下のような特徴がございます。
特徴1:~~~
特徴2:~~~
特徴3:~~~
機能や導入事例につきましては、添付資料にて詳しい記載がございますのでぜひご覧ください。
個別相談も承っております。
ご興味がありましたら、下のURLで希望日時をうかがっていますので、ご確認ください。
URL:~~~
ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
(署名)
資料請求のお礼のメール文例
次は、資料請求をした見込み顧客に対するメールテンプレートを紹介します。
──例文──
<件名>
「(サービス名)」資料ご請求のお礼
<本文>
株式会社○○
○○様
お世話になっております。
株式会社□□の□□と申します。
この度は、弊社の「(サービス名)」に関する資料をご請求いただきありがとうございます。
ご請求いただいた資料はメールに添付にてお送りいたしましたので、ご確認いただきますようお願い申し上げます。
(サービス名)の紹介動画もお送りいたしますので、こちらもご覧いただければ幸いです。
動画URL:~~~
ご質問やご不明点がございましたら、本メールにご返信いただきたく存じます。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
(署名)
展示会の参加後に送るメール文例
展示会にて名刺交換をした相手にメールを送る際には、どの展示会でどのようなサービスを提案したのか記載することがポイントです。
──例文──
<件名>
△△展示会「(サービス名)」ブースへのご来場のお礼
<本文>
株式会社○○
○○様
お世話になっております。
株式会社□□の□□と申します。
先日は「△△展示会」にて弊社ブースへお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。
ブースでは(サービス名)についてご紹介させていただきましたが、ご参考になりましたでしょうか。
当日のご説明で至らぬ点もあったかと存じますので、(サービス名)のご紹介資料を添付にてお送りさせていただきます。
ご確認いただけますと幸いです。
(サービス名)の紹介動画もお送りいたしますので、こちらもご覧いただければ幸いです。
動画URL:~~~
ご質問やご不明点がございましたら、本メールにご返信いただきたく存じます。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
(署名)
アポイントの打診をする際のメール文例
商談創出のためにアポイントを打診する際には、商談の所要時間の目安や内容について記載しておくと親切です。また、日程調整ツールのURLや、候補日時などを記載しておくと、アポイントを獲得しやすいでしょう。
──例文──
<件名>
「(サービス名)」ご面談のお願い
<本文>
株式会社○○
○○様
お世話になっております。
株式会社□□の□□と申します。
先日は「(サービス名)」の資料をダウンロードいただき、誠にありがとうございました。
業務効率化のポイントや(サービス名)の使い方に関しまして、ご参考になりましたでしょうか。
よろしければ、貴社に訪問いたしまして詳しいご説明とデモンストレーションをさせていただきます。
当日は1時間ほど頂戴し、現在行っている初期費用無料キャンペーンについてもご案内させていただきますので、この機会にぜひご検討ください。
今月であれば以下の日時が訪問可能ですが、ご都合はいかがでしょうか。
- ●月●日 10:00~11:00
- ●月▲日 14:00~15:00
- ●月■日 13:00~14:00
上記以外の日程でも調整可能ですので、遠慮なくお申し付けください。
ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
(署名)
休眠顧客に対するメール文例
休眠顧客の掘り起こしでは、以前どのようなやり取りをしていたのか記載して記憶を想起し、新たに興味を持ってもらうきっかけを作ることが重要です。
──例文──
<件名>
「(サービス名)」再度のご提案
<本文>
株式会社○○
○○様
お世話になっております。
株式会社□□の□□と申します。
以前は、弊社の△△とお打ち合わせのお時間をいただき、誠にありがとうございました。
前回は「~~」という課題があるとのことでしたが、その後状況はいかがでしょうか。
弊社サービスの「(サービス名)」はリニューアルし、~~~といった機能を追加しております。
貴社の課題解決のお役に立てるのではないかと思い、ご連絡させていただきました。
もしよろしければ再度お打ち合わせのお時間を頂戴し、現状についてのヒアリングと「(サービス名)」の詳細なご説明をさせていただければと存じます。
以下のURLにてご希望の日時をご選択いただければ幸いです。
URL:~~~
ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
(署名)
A/Bテストでメールの成果を高める
メールの成果を高めるには、A/Bテストを行って効果を検証してブラッシュアップしていくことをおすすめします。
A/Bテストとは、特定の要素について異なる2パターンを用意し、どちらの効果が高いか検証する方法です。メールのほかにも、広告文やバナーなどのブラッシュアップにも活用されています。
A/Bテストを行う対象
メールでA/Bテストを行うには、以下のようなパターンがあります。
- 件名
- メールを送る曜日・時間
- 本文
たとえば、同じ件名・本文のメールでも、送る曜日や時間帯によって開封率に差が生まれることは珍しくありません。そのため、異なる曜日や時間帯で送ってみて効果を検証し、より反応の良いほうを採用します。
A/Bテストの実施方法
A/Bテストは以下のようなステップで実施します。
1.仮説を立てる
2.対象者をセグメントする
3.テスト配信する
4.結果を分析する
まずは「朝の通勤時間のほうが開封率は高いかもしれない」などの仮説を立てたうえで、メールを送る対象者をセグメントします。この仮説の場合はビジネスパーソンを対象とすると、精度の高い結果が得られるでしょう。
そしてふたつのグループに分けてAパターンとBパターンでテスト配信を行い、結果を分析して仮説を検証します。
まとめ
インサイドセールスはメールを活用する機会が多いため、テンプレートを作成しておくことでスピーディに膨大な見込み顧客にアプローチできます。テンプレートは複数のパターンを用意しておくことで、あらゆるシーンに対応できるため効率的です。
テンプレートを作成する際には、A/Bテストで件名や本文などに対する反応をチェックし、ブラッシュアップしていくとよいでしょう。
本記事で紹介した内容を参考に、自社ならではのメールのテンプレートを作成してみてください。