ポイントは“効率の悪い時間の扱い方”
ひと昔前の営業会社では「契約を取るまで帰ってくるな」と言われていたものだ。
しかし、今の時代にそんなことをすればすぐにパワハラで訴えられ、ネットを騒がすことになるだろう。
また、残業を強いられる会社も少なくなった。逆に「残業できる時間が決まっているから思うように仕事ができない」と悩んでいる営業スタッフが多くなっている。
いまいちばん必要とされる能力は働く時間が制限されている中でいかにして結果を出せるかである。ようするに“要領良く結果を出す人”が求められているということ。

そのためには自分をバージョンアップし、進化させるしかない。といってもIQを2倍に上げたり、仕事の処理スピードを3倍に上げたりしようというわけではない。
ではどうしたらいいのだろうか? その方法についてヒントをふたつご紹介させてほしい。要領の良い人とそうでない人。実をいうと、持っている能力はほとんど変わりがないのだ。
何か違うのかというと、それはちょっとした仕事の工夫の差である。方法も難しくない。知っているか、知らないかの差なのだ。それなのにもかかわらず、大きな結果の差を生むことになる。
ひとつめは、要領の良い人は“効率の悪い時間帯の扱い方”がうまいということ。仕事がはかどらずパソコンの前で「あぁ、なんかのらないなぁ……」というロスタイムを極力なくすように工夫している。
誰だって「なんかキレがない」と感じる時間帯があるだろう。仕事は山積みだし、返さなくてはならないメールもたくさんたまっている。にもかかわらず頭がうまく回らない。まったく仕事が進まないし、無理やりやればミスを連発してやり直しに。こういったときはストレスがたまるものだ。
こんなとき、要領の良い人はどうするのか?
要領の良い人は、働く「場所」を変える
仕事がはかどらないと判断したら、すぐに場所を変える。会社内で移動しても良いし、お気に入りのカフェやファミレスに行くのもいい。とにかくその場から離れるのだ。
知人のトップ営業スタッフは自分のデスクからノートパソコンを持って、空いている会議室に移動する。誰もいない空間で仕事をすることで一気に仕事がはかどるという。
また、生保の営業スタッフは会社から出て仕事をする。今はどこのカフェもネット環境も整っており、仕事がやりやすい。第二の職場にしている方もたくさんいる。場所が変われば気分がガラッと変わり、仕事が進むようになるものだ。
ただし、カフェで仕事をする場合、注意点がある。公衆の場は時として逆効果になる、ということを忘れてはならない。たとえば、行ったお店がうるさかったとする。これでは集中して仕事ができない。お気に入りのお店だって、確実に静かなわけではないのだ。
私にもお気に入りのカフェがある。仕事が行き詰まったときに良い。あるとき、そのカフェで快調に仕事をしているところに、二人組の中年女性が来店した。となりに座るなり、大きな声で人の悪口を話し出したのだ。一気に仕事環境が悪化した。
集中できないとき、場所を変えるのは良いが、外の環境までは自分でコントロールできない。それを想定しており、対策をしておくとない良い。
外で仕事をするときは、次のふたつを用意する。
- プランA 静かで集中できるとき用の仕事
- プランB 集中できそうもないとき用の仕事
こうしておけばストレスはない。どんな状況になったとしても“対応できるように準備”することでロスがなくなる。