変革には「言葉のチカラ」が必要だ!
セレブリックス 今井晶也さんのおすすめ『言語の本質』

新しいことにチャレンジするとき、勇気がいりますよね。答えをもっていない取り組みを推進する際は、誰でも「本当に大丈夫か」と不安になるものです。
このように営業組織の変革を起こそうとするあなたの意思とは裏腹に、メンバーは「組織の変革」に対して不安や反対意見を抱くこともあるでしょう。
そこで注目したいのが「言葉のチカラ」です。変革を起こすリーダーは言葉を通して「旗を掲げ、方針を示す」必要があります。いかに高尚な戦略があったとしても、「私たちならできる」という“共信力”とモメンタム(活気・勢い)を高めなければ、改革の火は途絶えてしまいます。それほどに「言葉選び」と「伝え方」は重要なのです。
この書籍をおすすめする理由は、「これでもか」と唸るほど言語についての探求と示唆を与えてくれるからです。新たな挑戦に積極的なリーダーこそ、改めて言葉と向き合ってみるのはいかがでしょうか。

株式会社セレブリックスセールスカンパニー 執行役員 カンパニーCMO
セレブリックス営業総合研究所 所長 兼 セールスエバンジェリスト 今井晶也さん
セレブリックス営業総合研究所の所長およびセールスエバンジェリストとして、法人営業・法人購買・営業とAIの実務に関する研究を行う。2021年8月には 『Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術』を扶桑社より出版。営業本のベストセラーとして電子版含め出版数が8.1万部を超える。2024年4月には待望の3作目として、『The Intelligent Sales ~AIを活用した最速・最良でクリエイティブな営業プロセス~』を翔泳社より発売。生成AIと営業に特化した国内最初の書籍として注目を集める。
2025年もエンタープライズセールスが熱い!
インサイドセールスプラス 茂野明彦さんのおすすめ『エンタープライズセールス』

『エンタープライズセールス 大企業担当の営業組織が成果を出し続けるためのバイブル』佐藤亮(
著)松村泉(監修)(翔泳社)
分業型のセールスがこの10年、 大きなトレンドとなりました。しかし、SaaS企業が大手企業向けに製品提供できるようになったことも手伝って、 2024年はエンタープライズセールス、 つまり大手向け営業のニーズが高まったように感じます。
大手向けにはマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスマネージャーまでがひとつのチームとして稼働しますが、このような組織は欧米では“POD型組織” と呼ばれています。
本書は大手企業の営業担当、マネージャーはもちろん、 これから志す方、そして分業からチームセリングへ挑戦する組織におすすめの1冊です。

株式会社インサイドセールスプラス 代表取締役 茂野明彦さん
2012年、株式会社セールスフォース・ドットコムに⼊社。グローバルで初のインサイドセールス企画トレーニング部⾨を⽴ち上げると同時に、アジア太平洋地域のトレーニング体制構築⽀援を実施。2016年、株式会社ビズリーチ⼊社。インサイドセールス部⾨の⽴ち上げ、ビジネスマーケティング部部⻑、営業責任者を歴任。2022年、株式会社インサイドセールスプラスを創業。インサイドセールスに関する記事の執筆を⾏うほか、インサイドセールスカンファレンスを企画するなどインサイドセールスの認知向上、発展に貢献している。著書に『インサイドセールス–訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド–』(翔泳社)
合理的なお客様を想像していませんか?
TORiX 高橋浩一さんのおすすめ『予想どおりに不合理』

「人は合理的に動くものではない」──。そう頭ではわかっていても、日常的なビジネスの現場では、つい「合理的に動くお客様」を想像していろいろな設計をしがちです。しかし、お客様の選択は非合理的な要因に大きく左右されているのが現実です。
人は感情や直感、そしてちょっとした環境の変化によって、驚くほど予測できない行動をとるものである……。本書では、実験に基づいたエピソードを通じて、人間の意思決定の非合理性がどのように働くのかを鮮やかに解き明かしています。「価格設定や選択肢の提示を見直したい」「お客様により強く訴求する方法を学びたい」と考える営業組織にとって、まさに必読の1冊です。個人的には、本書の前半に出てくる「雑誌購読プラン」のエピソードを読むだけでも、お釣りがくるぐらいに元が取れると思います。

TORiX株式会社 代表取締役 高橋浩一さん
東京大学経済学部卒業。外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、企業研修のアルー株式会社に創業参画(取締役副社長)。事業と組織を統括する立場として、創業から6年で70名までの成長を牽引。同社の上場に向けた事業基盤と組織体制を作る。2011年にTORiX株式会社を設立し、代表取締役に就任。
これまで4万人以上の営業強化支援に携わる。コンペ8年間無敗の経験を基に、2019年『無敗営業』、2020年に続編となる『無敗営業 チーム戦略』(ともに日経BP)を出版 、シリーズ累計10万部突破。2021年『なぜか声がかかる人の習慣』(日本経済新聞出版)、『気持ちよく人を動かす』(クロスメディア・パブリッシング)、2022年『質問しだいで仕事がうまくいくって本当ですか? 』(KADOKAWA)、2023年『「口ベタ」でもなぜか伝わる 東大の話し方』(ダイヤモンド社)を出版。2万人調査の分析に基づき、2024年4月に発売された新刊『営業の科学』(かんき出版)は、発売5ヶ月で4万部を超える反響を得ている。2024年4月から東京学芸大学の客員准教授も務め、「”教育”と”営業”の交差点」を探究している。また、東京都内で「人生のヒントが見つかる」をコンセプトにしたリアル書店も経営。
いかに、戦わずにして勝つのか
EYストラテジー・アンド・コンサルティング 千葉友範さんのおすすめ『孫子に経営を読む』

兵法は、中国であまたの国が乱立し、秦が中国統一を果たすまでにつくられた戦略指南書です。兵法というタイトルから、戦にいかに勝つのか、その方法が書かれていると思われがちですが、戦争においては「勝つことが最善ではなく、戦わずして勝つことが最善である」と述べられているように、情報戦の重要さなど、戦わない方法が数多く記されています。
本書は、経営学者でもある伊丹先生が、兵法を経営に応用するための解釈を加えた書籍であり、ライバル企業が群雄割拠する中におけるビジネスリーダーとしての心構えを教えてくれます。不確実性の時代と言われて久しい現代において、企業がどのように生き残るのかを示唆する本書は、まさに今の時代のリーダーたちにおすすめの1冊です。

EYストラテジー・アンド・コンサルティング 千葉友範さん
大学院在籍中よりソフトウェアベンチャー立ち上げに参画後、大手総合系ファーム勤務、IoTなどを手掛けるベンチャー企業役員を経て現職。現在は専修大学大学院にて客員教授も務める。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング のカスタマーエクスペリエンス・トランスフォーメーションにて、顧客のビジネス成長のドライバーとなる戦略策定(サービスデザイン)から顧客接点改革(マーケティング、営業、コンタクトセンターなど)の実現までを総合的に支援するチームのパートナーを務める。また、先進的なテクノロジーを活用したサービスデザインを契機にファイナンス、サプライチェーンなどを統合的に支援するCorporate DXサービスのリーダーシップチームのメンバーでもある。
自分の「軸」「原理原則」はあるか
ウェルディレクション 向井俊介さんのおすすめ『占領を背負った男』

現代は変化のスピードが加速しており、柔軟に考え方や行動を変える力が求められています。しかし同時に、自分の中に大切にすべき「軸」を持つことも、これまで以上に重要になっています。とくに営業パーソンにとっては、生成AIに代表されるように技術の進化に伴い、求められるスキルが急速に変化していく中で、自分自身の成長を模索することが欠かせません。
ただし、ビジネスの本質や商売の原理原則は果たして変わるのでしょうか。本書は、戦後の日本でGHQとの折衝を通じ、当時の首相、田中角栄と共に政治や経済の礎を築いた白洲次郎の人生を描いています。彼は「軸となる原理原則」を持ち、GHQという大きな権力にも屈せず、正義を貫き通しました。現代の激動の中でこそ、私たちも改めて「自分の軸」を見つめ直す必要があるのではないでしょうか。ぜひ本書を手に取り、白洲次郎の思想や行動に触れてみてください。

ウェルディレクション合同会社 代表社員 向井俊介さん
約20年、IT業界において中小から大企業のB2Bの営業領域の職務に従事し、CxO等エグゼクティブに対するビジネスも多く経験。2019年に米App Annie日本法人のカントリーマネージャーに就任し、日本法人全体のビジネスを牽引。2020年7月よりウェルディレクション創業。B2Bセールスのアドバイザーとして上場企業からスタートアップまで、広く営業やマーケティングの側面から企業のビジネス成長に貢献している。2023年社会構想大学院大学実務教育学修士号取得。営業の暗黙知を学術的に形式知化するための専門職研究を行う。