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営業の仕事は「売る」ことなのか? 「Buyer Enablment」をめぐる冒険

2024年7月12日(金)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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顧客の成果はどこまでも「謎」? 21世紀のビジネスアプローチ「カスタマーサクセス」の現状と課題

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 営業に関する情報を“誰にでもわかりやすく”届けることを目指し、近年注目を集めている営業用語を「基本」から解説していく本連載。今回の用語は「カスタマーサクセス」だ。解説をお願いしたのは、『カスタマーサクセス実行戦略』(翔泳社)の著者であり、カスタマーサクセスアドバイザリーとして多くの企業のカスタマーサクセス実践を支援する山田ひさのり氏。カスタマーサクセスの定義と注目されている背景、課題などをうかがった。

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カスタマーサクセスとは「ビジネスアプローチ」

──カスタマーサクセスの定義を教えてください。

1980年~1990年代に普及したカスタマーサティスファクション(顧客満足)と対比するとわかりやすいでしょう。カスタマーサティスファクションは、顧客へ最良の体験や印象を与えて「買って良かった」と満足させるべきだという考えです。製品・サービスをどのように活用して、どのような成果を得るかは顧客次第でした。

これに対して、顧客の成果まで踏み込んでコミットするべきだと考えるのがカスタマーサクセス(顧客の成功)です。よりシビアに成果が求められるBtoB領域で、いち早く導入されました。私の感覚では2010年ごろに誕生し、2015年ごろにアメリカで、2018年ごろに日本で本格的に取り組まれたようです。Gainsightが作成した公式で表すと次のようになります。

CS(カスタマーサクセス、顧客の成功)=CX(カスタマーエクスペリエンス、顧客の体験)+CO(カスタマーアウトカム、顧客の成果)

※出典:The Essential Guide to Customer Experience

カスタマーサクセスという言葉は、顧客に成果を与えるメソッドや戦略、それを実行する部門を示す場合があります。しかし本来は、そうした具体的な何かを表す言葉ではありません。そのため「概念」「考え方」と表現する人も多いですね。Customer Success Association(CS協会)により定義されていますが、やや抽象的です。そのため、私はGainsightの考えを踏襲しながら「顧客に成果を与える」という「ビジネスのあり方・方向性」であるととらえ、「カスタマーサクセスとはビジネスアプローチである」と定義しています。

合同会社sasket 代表 山田ひさのり氏

ゲームプログラマーとしてキャリアをスタート。ウェブ開発のPG/SEを経て事業開発にキャリアチェンジ。その後、Sansan株式会社にてCS部門の責任者を歴任。現在はsasket LLCを設立し、IT企業へのCSアドバイザリーに従事している。『カスタマーサクセス実行戦略』(翔泳社)の著者。

──なぜ、カスタマーサクセスが重視されているのでしょうか。

ひとつはモノが増えたからです。「三種の神器」に象徴されるように、モノが少ない時代は「所有」がゴールでした。しかし現代はモノが増え、所有に留まらず「利用」による成果を重視する時代が到来したのです。

SaaSの台頭はもっとも象徴的なムーブメントですね。従来、IT化するならフルスクラッチで開発するのが主流でした。しかしIT化の本来の目的は、顧客へスピーディーに自社のサービスを届けて最良の体験・成果を与えること。そのため、メンテナンス等の必要があるオンプレミス型から、同等の成果が得られるSaaSへの移行が進んだのです。

所有から利用へと移り変わった今、成果が出ない製品・サービスは解約されてしまいます。売り手は「売って終わり」ではなく、顧客が成果を出せるように支援しなければなりません。そこでカスタマーサクセスが注目され始めたのです。

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顧客の成果はどこまでも「謎」 おさえるべき指標と課題とは

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この記事の著者

SalesZine編集部 高橋愛里(セールスジンヘンシュウブ タカハシアイリ)

1992年生まれ。新卒で総合情報サービス企業に入社し、求人広告の制作に携わる。2023年翔泳社入社。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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