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大手企業への営業戦略と実践~持続的な事業成長に向けて~ 『エンタープライズセールス』出版記念イベント by SalesZine

2024年11月20日(水)15:00~17:10

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【業界別】インサイドセールス成功事例10選!成功ポイントも紹介


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「インサイドセールスを立ち上げたい」「インサイドセールスを始めたが、なかなか成果が出ない」という方は、企業の成功事例を参考にすることで自社の取り組みのヒントを得られるかもしれません。 本記事では、インサイドセールスの成功事例を10社紹介し、それらの事例から導入メリットやポイントを紐解きます。インサイドセールスを成功させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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インサイドセールスとは

 インサイドセールスとは「Inside=内側の」「Sales=営業」という意味から、「内勤営業」という非対面で営業活動を進める営業手法および部門を指します。具体的には、電話、メール、チャット、オンライン商談ツールなどを活用し、顧客の元に訪問することなく営業活動を行うことです。

 ここでは、インサイドセールスとはどのような役割を持つのか解説します。

インサイドセールスの役割

 インサイドセールスの役割は、大きく分けて3つです。

  • 見込み顧客の育成(リードナーチャリング)
  • 見込み顧客の選別(リードクオリフィケーション)
  • アポイント獲得

 営業がなぜこの3つの役割を担当するのかと言うと、インサイドセールスは一般的にはマーケティングとフィールドセールスの橋渡しとなる存在だからです。

 マーケティングが獲得した膨大な見込み顧客(リード)の検討度合いは、情報収集段階や他社サービスと比較段階などそれぞれで、状況や課題も異なります。

 検討度合いや課題によって求めている情報が異なるため、インサイドセールスはそれぞれの見込み顧客に合わせて最適化したアプローチを行い、見込み度を高めていきます。これが、リードナーチャリングです。

 電話やメルマガ、ダウンロード資料などで見込み度を高めていきますが、具体的にどのくらいまで育成できているかを把握するために、スコアリングという方法を用います。スコアリングとは、メール開封や資料ダウンロードなどのアクションに応じて点数を加点していき、見込み度を点数で可視化する方法です。

 スコアリングで高い数値になった見込み顧客は「ホットリード」と言い、受注につながりやすい状態と判断できます。そのためインサイドセールスは、リードクオリフィケーションという、見込み顧客の中からホットリードを選別する業務を行います。

 そして、ホットリードに対して訪問して商談をしたいと打診し、アポイントを獲得。商談化したら、フィールドセールスに引き継ぐまでがインサイドセールスの主な役割です。

 このように、インサイドセールスは適切な育成と選別により、見込み度が高い良質な商談を創出することが大きな役割と言えます。

 ただし企業によっては、マーケティングから見込み顧客を引き継がず、インサイドセールスが新規見込み顧客の創出を担当する場合もあります。また、フィールドセールスへとパスしないで、インサイドセールスが非対面のまま受注まで進める企業もあり、活用方法はさまざまです。

フィールドセールスの違い

 非対面で営業をするインサイドセールスに対し、対面で営業をするのはフィールドセールスと言います。フィールドセールスは顧客のもとへ訪問するため、商談や受注、アフターフォローなどを担当する場合が多いでしょう。

 フィールドセールスは移動時間や実際の商談時間なども必要であるため、1日に対応できる件数が限られています。そのため営業プロセスを細分化し、インサイドセールスとフィールドセールスで分業することで、フィールドセールスが見込み度の高い商談を優先できるようにすることが一般的です。

 分業により、インサイドセールスは「質の高い商談を創出すること」、フィールドセールスは「商談を成功させて受注すること」という、それぞれの専門領域に集中できるため、効率的に成果を高めていけるのです。

テレアポとの違い

 インサイドセールスとテレアポの大きな違いは、アポイント獲得にかかる時間や、アポイントの質です。

 テレアポは、架電リストに沿って電話をかけてセールストークを展開しアポイントを獲得していきます。しかしインサイドセールスは営業の成果を高めることが役割のため、時間をかけて関係性を構築してアポイントを獲得します。

 そのため、テレアポの場合はアポイント獲得数の多さが評価指標となりますが、インサイドセールスの場合はアポイント後の受注につながったかどうかも重要な評価指標です。アポイントの数だけでなく質も重視する点が、インサイドセールスとテレアポの違いと言えるでしょう。

【業界別】インサイドセールス成功事例と成功ポイント

 SalesZineは、今までさまざまな企業にインタビューを実施しています。その中から、インサイドセールスを取り入れている企業10社の事例を紹介します。成功のポイントも紹介するので、自社の取り組みの参考にできる事例があれば積極的に取り入れてみましょう。

【IT/ソフトウェア/インターネット】

 まずは、IT/ソフトウェア/インターネットの業界から、以下の3社の事例を紹介します。

  • 士通株式会社
  • 株式会社あしたのチーム
  • 株式会社ギブリー

 それでは、各企業の事例と成功ポイントを見ていきましょう。

富士通株式会社

 富士通株式会社は、ハードウェアやソフトウェアの開発・提供やコンサルティングなど、幅広い商材を扱う、日本の総合ITベンダーです。

成功事例:部門横断型の取り組みで社内のハブ的存在に

 富士通株式会社は、2019年6月に時田氏が代表取締役社長に就任したタイミングで営業DXに取り組み始めたことでインサイドセールスも立ち上げ、現在では100人規模の組織になろうとしています。立ち上げ当初はマーケティングやフィールドセールスからの理解不足に悩む時期もありましたが、企画書を用いた社内説明や、実績の積み重ねによって社内の理解を得ることができました。

 現在では社内のハブのような役割となり、さまざまな部門がインサイドセールスに情報を求めるようになっています。 るようになっています。

成功ポイント:部門間の連携を強化

 同社は膨大な商材を抱えているため、インサイドセールスは部門を横断してすべての商材について部門を横断して詳しくなる必要がありました。より多くの顧客と接点をもつためには特に営業部との連携は必須だったため、営業担当者ごとに要望に応えるようにして信頼と実績を積んだそうです。そうして部門横断型の取り組みを続けてきたことで社内のあらゆる部門と関係性を構築できたことが、成功のポイントです。

株式会社あしたのチーム

 株式会社あしたのチームは、人事評価制度に関連するサービスを開発・提供しています。サービスの提供だけでなく、人事評価制度の構築や運用支援も手がけており、導入企業数は4,000社を超えています。

成功事例:チーム内の連携強化でアポイント獲得率1.6倍増加

 株式会社あしたのチームのインサイドセールスチームは、「フィールドセールスが花形」という意識が強くありました。そのため、インサイドセールスを立ち上げる際には社内の理解やメンバーのモチベーションなどを危惧していたそうです。そこでマネージャーが、フィールドセールスへのリスペクトを持ちつつ、フィールドセールスと対等な立場として社内に新しい風を吹かせる営業組織だと説きました。

 結果として、フィールドセールス担当者からの理解を得られ、施策内容のミーティングや商談後のフィードバックなどの連携を強化できたことで、アポイント獲得数は1.6倍に増加しました。

成功ポイント:役割の明確化とチーム内連携

 成功ポイントは、役割を明確にしてチーム内での連携を強化した点です。フィールドセールスの下層組織になるのではなく、今までできていなかった「長期的な関係性構築」という視点からのアプローチを行う役割だと明確に定義したことで、インサイドセールスメンバーのモチベーションアップにつながりました。また、フィールドセールスとのミーティングや商談後のフィードバックなど連携の強化が、成功のカギになったとしています。

株式会社ギブリー

 企業のIT人材の育成やデジタルマーケティングを支援する株式会社ギブリー。生成AIの活用支援や、企業のDX化など、幅広い分野で企業の成長を支援しています。

成功事例:インサイドセールスの本質を理解し成果につなげる

 インサイドセールスを立ち上げたものの、相手の様子が見えないために気持ちが焦ってしまいなかなかうまくいかないという課題を抱えていたそうです。

 チームで意見を出し合ったことで、インサイドセールスは「顧客の課題に役立つこと」が本質だという結論に至りました。「売ろう」から「売らなくても良い」という意識へと変わることで、自然と相手の課題に寄り添ったアプローチができるようになり、アポイントが獲得できるようになったそうです。

成功ポイント:部門の役割の明確化

 株式会社ギブリーのマーケティングセールスプロセスは、マーケティングが獲得したリードに対してインサイドセールスがアプローチし、要件を満たしたリードをフィールドセールスに引き渡すという流れです。インサイドセールスは、マーケティングにリードの品質を相談したり、フィールドセールスに渡す商談の品質を意識したりすることで、明確に役割を分担してブレインとして活躍しています。

【情報/通信】

 次は、情報/通信業界の3社を紹介します。

  • 株式会社マネーフォワード
  • 株式会社カケハシ
  • Chatwork株式会社

 1社ずつ見ていきましょう。

株式会社マネーフォワード

 株式会社マネーフォワードは、個人向け・企業向け・金融機関向けの会計や資産などの管理ができるクラウドサービスを展開しています。

成功事例:ツール活用で業務を効率化

 経費精算システム「マネーフォワード クラウド経費」などを担当するマネーフォワードのインサイドセールスチームは、ツールを上手に活用して成功している事例です。

 以前はヒアリングに20分以上かけて内容をシステムへ転記していましたが、アンケートフォームでヒアリングを行うことでヒアリング時間が5~10分に減小し、データの収集も容易になりました。

 また、マーケティングと連携し、CRMとMAを活用して見込み顧客が特定のWebページを閲覧したタイミングでアプローチするように設計。その結果、Web行動を基にした商談件数が約20倍、インサイドセールスの工数は約10分の1となりました。

成功ポイント:適切なツールの導入・活用

 この事例の成功ポイントは、適切なツールの導入・活用ができた点です。インサイドセールスはリードとのやり取りが多く、扱うデータ量が膨大で業務も幅広いため、ツール活用が欠かせません。株式会社マネーフォワードはアンケートツールやCRM、MAなど、自社の業務フローに合わせて最適なツールを導入・活用できたことが成功の秘訣となっています。 こちらの記事では、インサイドセールスに役立つツールを詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。

株式会社カケハシ

 薬局向けSaaSを提供するスタートアップ企業の株式会社カケハシ。「日本の医療体験を、しなやかに。」をコンセプトに、薬局のDX化を推進しています。

成功事例:ナレッジ共有でスキルアップし組織目標を達成

 株式会社カケハシは、アポイント獲得までのプロセスを4フェーズに分け、各フェーズでやるべきことや見込み顧客の態度変容などを整理しています。そのため、週2回のフィードバック会では「冒頭の関係構築部分で○○が足りなかった」「クロージングトークを改善すると良い」など、プロセス全体を俯瞰的に見てフィードバックできるようになりました。また、メンバー全員が共通のプロセスで進めているため、お互いの成功事例を活かしやすいというメリットもあるようです。

 インサイドセールスを始めてからリストの2~3周目になると、1周目のように単純なアプローチの積み重ねでは成果につながりにくいため、継続的な関係作りに取り組んでいます。自社の置かれている状況や課題などに応じて柔軟に施策を変えていくことで、目標達成を実現しています。

成功ポイント:ナレッジ・ノウハウの共有で属人化防止

 商談獲得までのプロセスを分解し、リードの態度の変容を言語化できたため、チームとしてプロセスへの共通認識が生まれました。属人化していると一人ひとりのスキルや経験に依存しがちになりますが、株式会社カケハシは共通認識があるためナレッジやノウハウを共有しやすく、フィードバックしやすい組織体制を構築できているようです。

Chatwork株式会社

 ビジネスチャットツール「Chatwork」を開発・提供するChatwork株式会社は、中小企業をコアターゲットとして展開し、国内利用者数ナンバーワンを誇っています。

成功事例:インサイドセールス内の分業でクロージングまで対応

 日本に存在する企業の大多数が中小企業であると言われるように、同社も膨大なターゲットに価値を届ける必要があり、インサイドセールスがクロージングまで担当することで営業効率を最大化しました。

 具体的には、インサイドセールスのチーム内で分業体制を構築しています。見込み顧客にヒアリングを行い課題を抽出する「パサーチーム」と、Chatworkを活用した課題解決方法を提案する「クローザーチーム」が連携することで、受注までインサイドセールスで完結できているのです。

成功ポイント:チーム内の役割を分業し効率化

 膨大なリード数に対応するために、インサイドセールスの組織内で分業したことが成功ポイント。パサーとクローザーで役割を明確に分け、ディスカッションやナレッジシェアをしながらお互いに成長しています。また、パサーで営業経験を積み、ゆくゆくはクローザーとして活躍できる人材を育成しており、効率的な人材育成も実現しているようです。

【人材/教育】

 次は「人材/教育」の分野において、株式会社ジェイックと株式会社タイミーの事例を紹介します。

株式会社ジェイック

 株式会社ジェイックは、企業の採用・社員教育支援や、就職支援などの事業を展開しています。

成功事例:社内の情報共有を促進して人材育成

 インサイドセールスの立ち上げ期は、スキルやノウハウが不足しているため、なかなかスムーズに進まず途中で頓挫してしまうことも珍しくありません。株式会社ジェイックは、自社雇用の正社員のみならず経験豊富な人材を業務委託でアサインしたことで、通常であれば滞りやすい立ち上げ期もスムーズに進めることができたそうです。

 情報共有を促進するために、マニュアルやテンプレートの作成、勉強会の実施、SFAの整備、ミーティング体制の変更などを行い、雇用形態に関わらず誰でも均一に成果が出る仕組みを構築しました。

成功ポイント:チーム内の情報共有を促進

 情報共有ができていないと、いつ誰がどの見込み顧客にアプローチしたのか可視化できず、重複対応や対応漏れが発生します。そうしたことを防ぐために、同社はSFAなどの適切なツールを導入・活用して情報共有を促したそうです。

 また、マニュアルや勉強会などを整備してナレッジやノウハウの共有もスムーズになったため、全員が等しく成果を出せるように。ナレッジ・ノウハウの共有は新人の育成にも役立ち、早期の独り立ちが期待できます。

株式会社タイミー

 スキマバイトのマッチングサービスを展開する株式会社タイミー。面接の必要なく、好きなときに働けるため利用者数を伸ばしています。

成功事例:データを活用しPDCAを回してブラッシュアップ

 株式会社タイミーでは、SFAにデータを溜めることを意識し、データ活用を進めています。

 入力を義務化したことで、1カ月間で数百件のデータが蓄積するようになり、データを分析した結果を次月に活かして施策をブラッシュアップしています。

 データからPDCAを回すことで組織全体の成果を高めているだけでなく、担当者一人ひとりの得意・不得意についても分析している点もポイントです。担当者は自分の弱点や得意分野を理解できるため、弱点を改善したり強みを伸ばしたりできています。

成功ポイント:PDCAを回し継続的な改善

 株式会社タイミーは、膨大なデータを有効に活用してPDCAを回し、継続的に施策をブラッシュアップしている点が成功ポイントです。当月の結果を次月に活かすというスピーディなPDCAにより、組織の営業力を高めて継続した成果を実現しています。

【マスコミ】

「マスコミ」の業界からは、名古屋テレビ放送株式会社の事例を紹介します。

名古屋テレビ放送株式会社

 名古屋テレビ放送株式会社は1962年の創業以来、テレビを中心に中京圏の人々に情報を届け続け、「メ~テレ」という愛称で親しまれています。

成功事例:見込み顧客に合わせた提案で商談化率30%

 創業以来、テレビCMは広告会社経由で販売していましたが、Webメディアや屋外サイネージなどテレビ以外の事業も展開するようになり、広告会社の販売チャネルだけでは頭打ちになってきました。そこで始めたのが、直販部隊となるインサイドセールスの立ち上げです。

 30種類以上の広告商材についての知識を深めたことで、見込み顧客の予算感やターゲット層などのニーズに合わせて商材を提案できるようになりました。さらに、商材が多いという強みを活かし、複数商材を組み合わせて提案しています。

 見込み顧客のニーズに合わせた提案と、コンサルタントによる架電スキルの向上などにより、地元企業の商談獲得率は30%という高い水準となっています。

成功ポイント:課題や温度感に合わせたアプローチ

 複数商材を扱っているからこそ、見込み顧客の課題や温度感を見極めて、ニーズに合わせた提案ができています。また、視聴率や視聴者層属性などのデータを提供し、「この番組のCMはどのようなターゲット層に届くのか」という広告効果を明確にすることで、見込み顧客の納得感を高めることを目標としているそうです。

【不動産】

「不動産」からは株式会社ハウスプラザの事例を見ていきましょう。

株式会社ハウスプラザ

 株式会社ハウスプラザは、不動産の売買・賃貸を展開している不動産会社です。また、リノベーションやレンタルスペースなどの事業も展開しています。

成功事例:見込み顧客に最適な情報発信でナーチャリング

 コロナ禍で顧客が店舗への来店が難しくなったことで、電話による来店を促すアプローチは成果が出なくなってきました。そこで、インサイドセールスはMAを活用し、見込み顧客別に最適なタイミングでメールを配信する仕組みを構築し、膨大な数の見込み顧客にアプローチし購買意欲を育成(ナーチャリング)しています。

 現在は配信時間を変更するのみで全店舗一括の情報を配信。今後はエリアによって訴求する内容を変えてよりニーズに合わせた情報発信することを目標に、さらなる成長を目指しています。

成功ポイント:見込み客に合わせたタイミングでアプローチ

 人によって、メールを確認するタイミングが異なります。「ビジネスパーソンは通勤時間やお昼休憩」などの傾向があるため、ニーズや状況に合わせてアプローチすることで成果を高められているようです。

事例からわかるインサイドセールス導入メリット

 上記で紹介した企業の事例で、インサイドセールスを導入することでさまざまなメリットを得られていることがわかりました。具体的にどのようなメリットがあるのか解説します。

効率的にアプローチできる

 インサイドセールスを導入することで、見込み顧客に対して効率的にアプローチできます。

 1件ずつ訪問する場合、移動時間がかかるため1日に対応できる件数は最大でも4~5件ほどです。しかし、インサイドセールスは移動を必要としないため、もともと移動時間に充てていた時間も見込み顧客対応に利用できます。

 また、見込み顧客を属性や課題などでセグメントしてメールを配信することで、より大量の見込み顧客に対して最適な情報を提供できるでしょう。

 さらに、インサイドセールスとフィールドセールスの分業体制により、それぞれの業務に集中できます。インサイドセールスが見込み顧客の選別をするため、フィールドセールスは見込み度の低い商談に時間を費やす必要がなくなり、効率的に受注率を向上できるのです。

属人化を防げる

 営業は、担当者個人のスキルや経験により成果が左右されることも珍しくありません。また、担当者の外回りが多いと、社内で報告し合う時間を取れないためお互いの進捗状況が把握できず、属人化しやすい傾向があります。

 このような属人化を防ぐ目的にも、インサイドセールスが有効です。

 インサイドセールスは、どのような見込み顧客にどのようにアプローチするのか細かく戦略を立てて取り組まなければ関係性を構築できません。SFAなどでアプローチの履歴を適切に管理する必要があるため、情報共有の仕組み作りがしやすいでしょう。

 また、インサイドセールスはまだまだ発展途上の手法のため、チーム内で成功事例やナレッジを共有しながら試行錯誤して成果を高めていくことが必要です。属人的な取り組みでは思うような成果につながらないため、自然と属人化が解消されます。

データ活用が促進する

 インサイドセールスは見込み顧客の状況や課題などに応じて、適切な情報を発信して関係性構築を図ります。見込み顧客の状況や課題をどのように把握するかと言うと、勘や憶測ではなく、蓄積されたデータを基に分析するのです。

 幸いなことに、インサイドセールスは重複対応や対応漏れを防ぐために、顧客情報やアプローチ履歴などのデータを入力する必要があり、自然とデータが溜まりやすい環境が整っています。そのためデータ活用が促進され、主観的な判断を防ぐことが可能です。

見込み顧客に合わせてアプローチできる

 見込み顧客は、課題や検討度合いによって求めている情報が異なります。そのため画一的なアプローチでは、特定の見込み顧客にとっては有益な情報でも、ほかの見込み顧客にとっては不必要な情報を提供することになり、成果につながりません。

 インサイドセールスは、見込み顧客の課題や検討度合いを把握したうえアプローチする営業手法のため、見込み顧客のニーズにマッチした情報を提供できます。画一的なアプローチを脱却し、一人ひとりの見込み顧客と関係性を構築できるでしょう。

売上が向上する

 一人の営業担当者が営業プロセスすべてを担当する場合、マーケティングから見込み顧客を引き継いでも、新規の商談準備や既存顧客のフォローなどに時間を取られて、見込み顧客の取りこぼしを招くこともありました。しかし、インサイドセールスはマーケティングから見込み顧客を引き継いですぐにアプローチを開始するため、見込み顧客の購買意欲が低下しないうちに接点をもつことができます。

 また、連絡が途絶えたりリピート購入につながらなかったりした休眠顧客に対しても再びアプローチを行うことができ、社内に眠っている資産を有効活用して売上に貢献できるでしょう。

 さらに、インサイドセールスは見込み顧客に合わせてアプローチするため、見込み度の高い商談創出が可能です。そのためフィールドセールスは受注につながる商談に集中でき、効率的に売上を伸ばしていけます。

まとめ

 インサイドセールスを導入することで、営業効率の向上、属人化の防止など、さまざまなメリットが期待できます。

 ただ、インサイドセールスはまだ認知度が低く、運用が難しそうだと感じている方も多いかもしれません。しかし、ちょっとした工夫や粘り強い取り組みによって成功している企業も多く存在します。

 インサイドセールスの立ち上げ期や、なかなか成果が出ないときには、他社の事例を参考にすることでヒントを得られるかもしれません。ぜひ、本記事で紹介した事例を参考にして、自社のインサイドセールスを強化してみてください。

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