定性・定量の両面で効果 工数削減、文化の変化も
では、実際にどのような数値をマネジメントできるようになったのか。2023年4月にXactlyを導入して以来、同カンパニーでは主に売上金額と契約件数、さらに案件のパイプラインの状況を可視化している。
売上のフォーキャスティングについては、案件の数と金額に加え、パイプラインの状況と確度をスコアリングして、それらから総合的に算出している。単に、パイプライン総量から、平均受注率を乗じて見積もるだけでは、フォーキャストがズレる可能性があるからだ。案件ごとの確度を踏まえて算出されたフォーキャストをもとに、目標からの真の不足を捉え、リカバリーのプランを立てるようになったという。
その結果、定性的な成果として、組織の文化に変化が見えた。「なぜXactlyを導入するのか、活用して何を目指すのか。導入前からメンバーとコミュニケーションをとったことで、今まで抜け落ちていた視点に気がついた」と津村氏。営業メンバー1人ひとりが、KPIの先にある売上達成をゴールとして意識できるようになったのだ。
管理工数が削減されたことも、定量的な大きな成果だ。以前は課ごとの数字をマネージャーが管理していた。週次でSalesforceからデータを引っ張り、Excelを作成する作業に2~3時間かかっていたのだ。だがそれが、Xactlyでダッシュボードを開くだけで良くなり、作業負担は半分以下に削減された。
もちろん、現場のメンバーもメリットを享受している。営業メンバーは個人で目算を立てずとも、Salesforceさえしっかり更新していれば、Xactlyのスコアリングが確度の高低を明らかにしてくれる。松山氏曰く「マネージャーからあれこれ指摘される前に自分で気がつくようになる」という。
同カンパニーでは、すでに改善の実感を掴んでいるが、Xactlyの活用を継続することでさらなる効果も見込めそうだ。「データをスナップショットではなく、時系列でみられることがXactly Forecastingの強みのひとつだと思うので、さまざまな角度からグラフ・表で表現して、より分析しやすくする」と今後の展開に期待をのぞかせる。
ツールをきっかけに進化する営業組織
パイオニア モビリティサービスカンパニーの営業は「まさに今、モノ売りからソリューション営業へ進化すべき状況」だと津村氏。メンバーがXactlyのダッシュボードをチェックし、リカバリープランを立てるようになったのは大きな成長だが、「さらにツールを使いこなして、与えられたダッシュボードだけでなく、自らダッシュボードを作成し、自身の足りない点を分析して改善していく、主体的かつデータドリブンに活動していく文化を醸成したい」と話す。
現在、津村氏のほかにも各チームにツール推進のメンバーを置く体制を検討中だという。松山氏も「営業1人ひとりがデータドリブンに物事を推進できるのは非常に重要なこと。津村のようなメンバーは営業組織を革新するうえで欠かせない」と話し、Xactlyをきっかけに最新テクノロジー活用の文化が広がることを期待している。
最後に、営業現場でのツール活用・定着に課題を抱える営業リーダーに向けて、両氏からアドバイスをもらった。
「良いツールを導入しても現場で活用されないのには、何かしら理由があります。ツールの目的や意義をきちんと理解してもらい、現場に負荷がない運用設計をすることが、定着やその先の成果を出すために重要です」(津村氏)
「ツールは何かを助けるものでしかないので、ツールありきで物事を話さないこと。また、リーダーだけがやろうと言っても浸透しません。現場での小さな成功体験をメンバー自身の口から共有していく環境があれば、定着は進んでいくはずです」(松山氏)
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