ALUHAは、BtoBマーケティングにおけるアプローチ「BBM(Balance Based Marketing:バランスベースドマーケティング)」を発表した。
BtoB企業の現状と課題
BtoB企業においては、少子高齢化の影響で、「営業部門の高齢化と人員不足」が課題となっている。そのため、営業やマーケティングのDX推進が重要になる。しかし、BtoBビジネスにおいては、その特性上、いきなりすべてをデジタル化することは難しく、デジタルマーケティングとリアル営業が、効率よく連携しなければならない。
そのような状況下の中、ALUHAでは、独自に、BtoBマーケティングや営業戦略のデジタル活用の意識調査を、2019年6月17日から2024年12月31日期間に、1869名のBtoBマーケティングや営業に関わる担当者に実施した。その結果が次のグラフになる。

コロナ禍の影響で、デジタルを活用したBtoBマーケティングに力をいれるBtoB企業が増加・高止まりする中で、「デジタルを活用したマーケティングや営業をするつもりはない」と回答しているBtoB企業も増加している。
コロナの影響でデジタル活用を推進したが、「デジタルとリアル営業の連携がうまくいかず、売上につながらない」といった理由で、断念しリアル回帰していることを示すひとつのデータといえる。しかし、営業の人員不足と高齢化は止めることができない問題であるため、このような状況下でも、デジタル活用を進める必要があると、ALUHAでは考えている。
また、さまざまなBtoB企業では、マーケティング活動において量を重視するLBM(リードベースドマーケティング)を採用することで、リード獲得数は増加する一方、受注確度が低いケースが多く、営業との連携が困難になり、商談化率や受注率の低下、営業生産性の低下を招くことが少なくない。
質を重視するABM(アカウントベースドマーケティング)では、ターゲットアカウントに特化した施策により高いLTVが期待できるが、アプローチ可能な件数が限られ、スケーラビリティに課題が残る。
このように「量を追えば質が犠牲になり、質を追えば量が確保できない」というジレンマは、BtoBマーケティングと営業の現場で長年の課題となっている。
こういったジレンマや課題により、マーケティングと営業の連携がうまくいかず、結果的に「人手不足や高齢化が進むけどどうすればいいかわからない」という課題が残り続ける。 これらの課題に対しALUHAは、BtoBマーケティングBBMの提唱に至った。
概要
BBMは、ABMとLBMの思想を融合し、量と質のバランスを重視するマーケティング手法。BBMのKPIである「ICP率(Ideal Customer Profile Rate)」を用いて、質とのバランスを可視化し、バランスを意識したマーケティング施策が展開できる。BtoB企業の現状の課題を解決するマーケティング手法のひとつとなるべく、戦略やメソッドを具体化している。
ICP率の「ICP」とは、理想的な顧客像のことで、「自社事業と相性が良く、受注になれば高いLTVが期待できるリードや顧客のこと」になる。ICPに該当するリードや顧客は、重点的にフォローすべきリードや顧客といえ、リードや顧客の質を定義する条件になりうる。
ICP率は、獲得したリードのうち、理想的な顧客像に該当する割合(ICPに該当する割合)を示す指標であり、マーケティングや営業施策の「質」を数値化する指標。ICP率を可視化した具体例としては次のようになる。

リード獲得や育成などの段階において、ICP率を可視化することで、「質と量の両方を意識したバランスの良い施策が展開できているか」を確認することができる。
これにより、企業は自社のリソースや売上状況に応じて、施策のバランスを見ながら、マーケティング施策や営業施策を効率よく展開できる。また、営業部門とICPの定義を共有することで、より営業部門との連携も行いやすくなる。