未来を先取りする力=フォーキャスティング
フォーキャスティングは、一般的な言葉で捉えると「未来予測」を指します。言葉自体には馴染みがないかもしれませんが、未来を予測する行為はすでに日常に溢れています。
たとえば私はゴルフが趣味で週末によくゴルフ場に行きます。どのゴルフ場も自宅から車で1~2時間と遠いため、スタート時間に確実に間に合うように車での所要時間がどれくらいになるかを予測することは非常に大切です。Googleマップをナビとして使い、複数のルート計算、渋滞予測などのインサイトを得ながらゴルフ場に向かいます。帰路は夕方の渋滞を避け、もっとも効率帰宅できるよう、出発時間やルートを最適化しています。
また移動時間と同様に気になるのは、やはり天気です。雨が降ってしまうと楽しさも半減、せっかくの休日が台無しです。そのため事前に天気予報を入念に調べ、場合によってはスタート時間やコースを変更し、雨がひどければ諦めて別のインドアの楽しみを見つけます。常にツールを駆使しデータから未来を先取り(フォーキャスト)し、そこから逆算(バックキャスト)して現時点の行動を最適化しているのです。
現在はGoogleマップの例をはじめ、未来を予測するためのさまざまなデジタルアプリがありますが、昔は限られた情報の中で勘に頼りながら、“出たとこ勝負”で“結果オーライ”を願うしかありませんでした。
このように、意外と皆さんも日常生活ではフォーキャスティング(=未来を予想する活動)に触れているものです。一方、長らく法人ビジネスに携わってきた身としては、「フォーキャストが肝心な法人ビジネスの世界において、その重要性の理解が広がっておらず、方法論の最適化もなされていないのではないか」と感じることがしばしばあります。