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営業の仕事は「売る」ことなのか? 「Buyer Enablment」をめぐる冒険

2024年7月12日(金)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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『THE MODEL』を読んだすべての人へ 成長を続けるための3つの基本戦略

マネージャーは着地数字を正確に予測できていますか? 高精度な予測を三方向から組み立てよう

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 2019年1月に刊行された『THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』(福田康隆/翔泳社)は、瞬く間に新時代のビジネスパーソン必読のプレイブックとなった。本書の中で、読者が注目するポイントは第2部・第3部の「マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの分業体制やプロセス」であることが多い。しかし、これらのプロセスを自社に合わせて適切に運用し、成長し続けるために必要なのは、第4部の「市場戦略」「リソースマネジメント」「パフォーマンスマネジメント」である。福田氏が刊行から約3年が経ついまあらためて読者に伝えたいポイントを解説してきた本連載、最終回のテーマは「フォーキャスト」だ。

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現場はネガティブ? フォーキャストはなぜ重要なのか

 第4回のテーマは『THE MODEL』(翔泳社)の第9章で取り上げている「フォーキャスト」です。会社によって「受注見込み」「ヨミ」などいろいろな表現があると思いますが、本稿では営業における着地数字の見込みを「フォーキャスト」と表現することにします。

 営業の中には「ミーティングで上司にフォーキャストについて詰められるのが嫌だ」「うっかり『この商談はいけそうだ』と報告したら、進捗をチェックされるし、万が一失注したら責められるからギリギリまで報告しないでおこう」とフォーキャストにネガティブなイメージを抱く人も多いかもしれません。

 しかし、フォーキャストは営業の成績を評価するためのものではありません。顧客セグメントや地域など、どのテリトリーにリソースを追加すべきか、あるいは投資をストップするべきかなど、重要な経営判断の基礎になります。

 上場企業の場合、予測を外すことは株価など市場の評価に悪影響を与えます。また上場・非公開企業に関わらず、売上が当初見込みの数字を下回る場合には、採用計画、マーケティング予算などの投資を抑えなければなりません。「努力しましたが、結果数字が届きませんでした」では困ります。

 では、フォーキャストした数字を上回れば良いかと言えば、それも違います。計画を上回るほど好調であることが早くわかれば、その有利差異を活かして新規投資を早めに行い、成長をさらに加速できたかもしれません。「控えめな数字を提出しておけば余計なプレッシャーから解放される」と考えている営業は、会社から見ると機会損失を発生させているのです。1人ひとりの金額のズレは小さかったとしても、組織全体で見ればそのズレが会社として致命的なものになる場合もありますから、営業1人ひとりの強い責任感が求められます。

 一方、会社によっては「うちの会社は既存顧客からの売上など定常的に入ってくるものが見えているので、そもそもあまりブレる要素がない」という話も聞きます。しかし、これは問題を抱えている会社の兆候です。その会社の業績が伸びていれば良いですが、そのような発言をする会社の売上はほぼ横ばいというケースがほとんどだからです。

 コストコントロールで利益率を多少高めることはできても、中長期的な成長は望めません。既存顧客を大切にすることは重要ですが、それに甘んじて新たな市場を開拓していかなければ会社は衰退していくのみです。会社が持続的な成長を実現するには、すでに見えている確実な数字だけでなく、ストレッチした高い目標を追いながら同時に正確なフォーキャストを行うことが求められるのです。

フォーキャストの精度を定点観測してみよう

 SalesZine読者の多くは営業や営業部門のマネージャーの方だと思いますが、自分のフォーキャストの精度を把握できているでしょうか。意外とこの数字を把握していない人は多いものです。もし意識したことがないという方は、四半期単位のフォーキャストであれば、第1週、第4週、第6週などいくつか確認するポイントを決め、それぞれのポイントで提出したフォーキャストと最終着地の数字にどの程度差があったのかトラッキングしてみることをおすすめします。

 私がこれまで勤務してきた会社では、上に10%、下に5%のブレの範囲内に収めることを強く意識させられました。数字に対する責任感を持つことはもちろん、許容範囲から外れたフォーキャストをした要因は何なのかを分析する。また継続的にトレンドを観察し、マネージャー、営業レベルにブレイクダウンして傾向を把握すると、早めにリスク検知できるようになり精度も高まってくるはずです。

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顧客視点に立ち、客観的な商談フェーズ管理の設計を

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この記事の著者

福田康隆(フクダヤスタカ)

ジャパン・クラウド・コンサルティング株式会社 代表取締役社長。早稲田大学卒業後、日本オラクルに入社。2001年に米オラクル本社に出向。2004年、米セールスフォース・ドットコムに転職。翌年、同社日本法人に移り、以後9年間にわたり、日本市場における成長を牽引する。2014年、マルケト入社と同...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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