概念として新しい「オペレーション」を考える
土井(HubSpot/モデレーター) 本セッションでは、「オペレーション」に対するひとつの正解を見つけていくのではなく、それぞれの組織における実践を共有いただき、世界的にも新しい概念である「オペレーション」の機能とその役割のヒントを得られれば幸いです。それでは、スピーカーの皆さまはかんたんに自己紹介をお願いいたします。
岡崎(ユーザベース) ユーザベースのセールスオペレーションチームのリーダーを務めております、岡崎です。担当領域はBtoB SaaSプロダクト全般で、チームとしては契約の締結・管理、そして新規オペレーションの構築と改善を行っています。
工藤(SmartHR) SmartHRの工藤です。セールスプランニングという部署でセールスのオペレーションやイネーブルメントを担当したり、営業の成果向上に向けたプロジェクトの運営・企画をマネージャーと連携して取り組んだりしています。
谷口(明光ネットワークジャパン) 明光ネットワークジャパンの谷口です。前職のNTTコミュニケーションズではBtoB領域でのSaaS製品の開発、サービス・ECサイトの構築・運用、MAやCRMを活用したデジタルマーケティングなどに携わっていました。BtoB業界から現職のBtoC業界に移りましたが、全社のDXを推進しながらオペレーション業務の改善にも務めています。
オペレーションは「マーケティングデータの宝庫」
土井 発祥の地とされているアメリカでも、いまだに「オペレーション」の定義は定まっていないと言われています。そんなアメリカで創業したHubSpotでは「ツール・情報・組織・戦略を集約・連携させ、とくにマーケティング・営業・カスタマーサクセスなどの顧客対面部門の生産性向上を促す役割」と定義し、3つの「P」――「Platform(業務支援テクノロジーの管理)」「Process(業務プロセスの構築と最適化)」「Perspective(データ分析と戦略立案)」をキーワードとして掲げています。
早速ですが、皆さまの会社では「オペレーション」をどのようにとらえているかをうかがえませんか。谷口さんからお願いします。
谷口 前職時代に学んだことであり現職で実感することでもあるのですが、我々はオペレーションを「マーケティングデータの宝庫そのもの」として認識しています。
オペレーションはさまざまなプロセスで業務にかかわってきます。とくに入塾前は「保護者」を、入塾後は「生徒」をターゲティングする我々のような学習塾業界では、入塾の前後で「成績の向上」「学習管理」など、プロセスとニーズが分断されている傾向にあります。そこで、オペレーション整備に取り組むことで、シームレスなデータ活用を実現し、保護者(新規顧客)と生徒(既存顧客)双方のコミュニケーションの質を高めています。