CRM搭載のカスタマープラットフォームを提供するHubSpot Japanは、ChatGPTとのコネクターとして、「HubSpot deep research コネクター」の提供を開始することを発表した。

2025年に実施した調査では、HubSpotの顧客の75%以上がすでにChatGPTを使用していることがわかっている(※)。AIがもたらす価値は、その背後にあるデータと文脈の量と質によって決まる。今回の連携により、ユーザーはHubSpotアカウント上の顧客データをChatGPTに取り込みながら調査や分析を行い、競争優位性を高めていくことができる。
※HubSpot 2025 Q1 AI customer sentiment survey
部門別の利用例
- マーケティング担当者:「最近のリードの中でもっともコンバージョン率の高いセグメントを特定してください。そしてそのセグメントのエンゲージメントを向上させるための自動Eメールワークフローを作成してください」と依頼し、その回答を参考にしながらHubSpotでワークフローを作成する。
- 営業部門:「業界、年間売上高、利用ツールをもとに注力対象となり得る企業をセグメント分けしてください。そしてその中から、営業機会があるセグメントを提案してください」と依頼して営業機会を特定し、HubSpotを利用してプロスペクティング活動に利用する。
- カスタマーサクセス部門:「支援の余地がある非アクティブユーザーを特定し、再エンゲージメントとパイプライン復活のための施策を提案してください」と依頼し、HubSpotでそれらの施策を実行して解約リスクを下げる。
- カスタマーサポート部門:「カテゴリー別に問い合わせ量の季節性を分析し、翌四半期に必要となるサポート人員数と配置を提案してください」と依頼し、必要とされるリソースを予測する。そしてHubSpotのBreeze顧客対応エージェントを活用してサポートチケットの急増に対応する。
HubSpot deep research コネクターの使用開始方法と特徴
HubSpot deep research コネクターは、HubSpotアカウントの管理者権限を持つユーザーがChatGPT上でDeep ResearchのデータソースとしてHubSpotを選択し、HubSpotアカウントの認証を行うことで起動できる。そののち、組織内の任意のユーザーが個別にコネクターの利用設定をオンにし、サインインすることで利用を開始できる。
HubSpot deep research コネクターは、使いやすさだけではなく信頼性にも重点を置いて設計している。ユーザーがChatGPTのDeep Research上で投げかける質問への回答は、HubSpotアカウントで当該ユーザーがアクセスを許可されているデータのみを参照して生成される。
たとえば個々の営業担当者に対しては、各ユーザーが所有または管理する取引のパイプラインデータのみをもとに回答が生成される。また、連携したデータはChatGPTにおけるAIトレーニングには使用されない。
HubSpot deep research コネクターの利用要件
HubSpot deep research コネクターは、ChatGPTの有料プランにアクセス可能なすべてのエディションのHubSpot 顧客のアカウント上で利用できる(EU地域:Team、Enterprise、Edu。EU以外の地域:Team、Enterprise、Pro、Plus、Edu)。ChatGPTはユーザーがプロンプトで使用する言語で応答し、日本語での利用も可能。
OpenAI Head of Business Products、 Nate Gonzalez氏のコメント
HubSpot deep research コネクターの提供開始によってChatGPTが従来よりも多くのコンテキストを持つことで、ユーザーは一層迅速に優れた洞察を得ることができるようになります。重要な業務プロセスの多くにおいて高度なAIが活用されるよう、HubSpotとともに取り組めることを大変嬉しく思います。
HubSpot Inc. 製品・パートナーシップ担当シニアバイスプレジデント、 Karen Ng氏のコメント
HubSpotは、企業がAIの変化に単に「適応」するのではなく、その変化を「牽引」するためのツールを開発しています。このたびHubSpot CRMのデータをChatGPTに直接接続できるようになったことで、時間やデータなどのリソースが限られた小規模なチームでも高度な分析と洞察に基づいて施策を実行し、マーケティング、営業、サービスなどの部門横断で成果を生み出していけるようになります。