楽しいデータ活用に「未来志向」が効く理由
佐伯慎也 当社のお客様の中では、一部過疎化している地域を担当している地方銀行も少なくないのですが、データ活用の取り組みが地域全体の活性化につながり、結果的に銀行の取扱高も増えたという声を多数耳にします。
データを活用できていないと、「過疎化しはじめているよね」「地域の法人数、減ってるよね」の現状の共有で終了してしまいます。しかし、活用できるデータが存在することで、「この業種の売上を県全体と比較したときに、何かの理由で〇〇の項目が伸長している」ことが見えてくる。すると、今度はその「理由」を明らかにする、という新たなタスクが生まれますし、それらが解明されることで、地域の活性化にプラスとなるようなノウハウが得られるでしょう。そうしたデータに基づいた知見を地域全体にフィードバックすることができれば、全体の活性化にもつながるのではないでしょうか。
――営業組織が「楽しく」データと協業するために、もっとも重要なポイントを教えてください。
佐伯慎也 ひと言で言うと「未来志向」です。データは過去から生まれてきている数値です。そのため、データと向き合う際には、どうしても視点は「過去」へ向いてしまいます。もちろん、過去を掘り下げていくのもよいことですが、「楽しく」データと協業するうえでは「未来」に目を向けるとよいのではないでしょうか。
DYNATREKでは、たとえば「3%売上が低下した」など事実としてのデータを提示すると同時に「どうやったら低下した売上を伸ばせるのか?」を手繰り寄せるヒントも併せて提示します。「DYNATREKのデータを見たらワクワクする」世界観を実現するべく、日々サービス改善に勤しんでいます。
佐伯卓也 組織の「視野を広げる」ことを意識するとよいでしょう。キーボードを叩いてWordに打ち込む作業ひとつとっても、単純に「文章を書く」と思って取り組むのか、「地域をよりよくするプロジェクトの草案を作成している」と思いながら取り組むのでは、やりがいが全然違いますよね。得られたデータを俯瞰して、取り組む意義とその結果を分析することで、自身の業務の位置付けが「自社のため」を超えて「社会全体を〇〇の立ち位置からよりよく改善するため」という視点に変わっていきます。
――御社のこれからの野望を教えてください。
佐伯卓也 地方銀行への支援を通して地域を活性化していく取り組みは、引き続き注力していきたいと考えています。銀行は、世の中の企業の経営状況を俯瞰できる存在です。そんな「銀行のDXが推進される」ことは「地域全体のDXが推進される」ことに直結すると考えています。
また、現在は地方銀行のお客様を主軸にサポートしていますが、今後は地域の自治体や大企業に対しても「データ活用」の観点から同様にサポートを行い、日本全体の営業DXに貢献したいと考えています。
将来的に地域全体のDX化が推し進められることで、そこに住む1人ひとりにとって、自分たちにかかわる「データ」の存在がより身近になります。これにより、誰しもがよりよい未来を実現する当事者として、地域の課題を「自分ごと化」できるようになるとよいですよね。
新型コロナウイルスの影響はマイナスの側面から語られることが多いですが、多くのニューノーマルが台頭するコロナ禍は、変化に向けた大きなチャンスでもあります。たとえば、店頭だけで展開していた魚屋さんがコロナ禍を契機にECサイトをつくったことで東京の老舗レストランに卸すようになった……などのサクセスストーリーも、どんどん現れるでしょう。間接的にはなりますが、我々も地域活性化に挑む皆さまの挑戦をサポートし続けたいです。
――ありがとうございました!