リード獲得チャネルや活用状況などをデータで評価し、新規営業に活用
primeNumberの営業活動は、マーケティングに2名、インサイドセールス・フィールドセールスに2名、そして営業企画・業務推進に1名、そしてカスタマーサクセスに2名という体制で行なわれ、パートナービジネスも展開されている。
同社では、ほかのサブスクリプション型ビジネスと同様に、新規売上、既存顧客の売上、アップセルの売上に対して解約額が差し引かれたものを「売上」と定義。なお、新規売上については、イベントなどで獲得したリード数に面会率、商談率、成約率、そして平均単価がかけ合わされたものを指している。
マーケティング領域においては、「各リード獲得チャネル別にどの程度費用をかけているのか」「どれくらいのリード数・訪問数・商談数が獲得できたのか」「最終的にどの割合が受注に至り、売上に貢献したか」のすべてを可視化しているとのこと。また、最終的にはLTVと照らし合わせてチャネルを評価し、週次・月次ごとにグラフ化して状況を可視化することで以降の活動に反映していることも語られた。
これにより、チャネル別の営業効率や投資効率を把握し、予算の再分配を迅速に行いながら最適化を図るだけでなく、季節変動やトレンドにも目を向けながら各施策のタイミングを見極めることができる。もちろん、周りの状況を類型化して、商談・提案におけるシナリオの精度を高めることも怠らないそうだ。
「より多くの機能を活用することで、平均単価を上げたり、アップセルのネタを営業に提供したり、地道に繰り返すことが大切。これを実現するうえでは、データの収集や可視化などの作業を最小化しつつ、業務を推進する必要があるのです」(田邊氏)
これらのワークフローは、言葉にするとシンプルだが、手作業で行うことは非常に難しい。同社も、かつては各業務担当がスプレッドシートにデータを毎週入力し、それらを1つひとつチェックしたのちに分析が行われていた。しかし、負担が大きいだけでなく、担当の裁量でデータの質が変わってしまうため、テクノロジーを用いてデータを自動化・効率化することで、データの均一化を図り、組織や担当者をまたいだ場合も評価をぶらさずに業務を遂行できるようになったのだという。今後について、田邊氏は「自動化できる箇所も増やしながら業務の効率化や機能の標準化を図り、メニューやプライシングの見直しの参考情報としていきたい」と語っている。
既存の売上に関しては、既存顧客の売上を維持しつつアップセルを最大化し、解約額を最小化することが求められる。ここで鍵を握るのはカスタマーサクセスの存在だ。同社のカスタマーサクセスでは、既存顧客のサービス活用状況を可能な限り定量化し、スコアリングすることで定量化に努めている。さらに月次で振り返りを行い、スコアが高い顧客に対しては「新機能の紹介」、スコアが低い顧客に対しては「解約回避のための活動」に取り組むなど、顧客それぞれの状況に応じた適切なコミュニケーションを図っているという。
顧客に対するコミュニケーションの「頻度」も重要なポイントだ。高い頻度のコミュニケーションを求める顧客もいれば、邪魔にならない程度の最低限のコミュニケーションを好む顧客もいるため、状況に応じてレイヤー分けが行われていることが語られた。