JSOLは、製薬・医療機器メーカー向けに、Salesforceが提供しているLife Sciences Cloudを中心に活用し、営業・マーケティング活動を高度化する新たなCRM・データ利活用ソリューションの提供を開始した。
背景
製薬・医療機器業界では、毎年発生する薬価改定などの影響で業務負担が高止まりする一方で、他業界と同様、医師や薬剤師に医薬品に関する情報を提供するMRの人数減少が続いている。さらに、医師の働き方改革を背景に、医師との面会時間が制限・減少傾向にある。
こうした中、業界ではデータに基づく営業・マーケティング活動の生産性向上および業務の効率化が求められている。そして、その実現に向けては、各プロモーションチャネルのデータ統合・利活用のほか、日本の製薬業界特有の業務として、「実消化データ」と呼ばれる卸売業者経由で医療機関や調剤薬局などに販売した実績データや医薬品に関連する第三者機関による収集データの活用が不可欠となる。
しかし、製薬メーカーは卸売業各社で異なるフォーマットの実消化データや第三者機関収集データを多くの工数を要して加工・統合・分析しており、DX推進に向けてはこうしたライフサイエンスのビジネス慣行に関する専門知識が必要となる。
概要
JSOLはこれまで延べ60社の製薬・医療機器メーカーに対して、CRM・データ利活用基盤などの導入支援を行ってきた。
今回JSOLは、Salesforceが提供する、製薬・医療機器業界特有の各種データをSalesforce Platform上に集約・統合するデータプラットフォーム「Data Cloud」と、各種データを閲覧しMRのアクションをサポートするCRMソリューションLife Sciences Cloudを活用し、製薬・医療機器業界における営業戦略の最適化を可能にするソリューションを提供する。
具体的には、Data Cloudが、医療機関や調剤薬局に関連する各種データを顧客軸で整理する。その後、Life Sciences Cloudに実消化データおよび第三者機関収集データをData Cloudから取り込み、シームレスにLife Sciences Cloud上のデータと統合・可視化できる仕組みを設計・構築する。
これにより、実績が伸びた医師に対する営業活動を成功パターンと捉え、「誰に」「どのように」「何を」「いつ」情報提供するべきかをレコメンドすることで、製薬業界におけるデータに基づく営業・マーケティング活動の生産性向上を促進し、効率的・効果的な営業戦略を打ち立てる。
加えて、Salesforceの自律型AIエージェント「Agentforce」を活用し、データへのアクセスを向上させることで製薬・医療機器メーカーのMRおよびマーケティング担当者のデータ利活用を促進し、間接業務の効率化とコア業務に割く工数を創出することを可能にする。
また、ビジュアル分析プラットフォーム「Tableau」を活用し、ダッシュボードで隠れた本質的な課題を引き出すことでマーケットデータや販売データが可視化され、オムニチャネル施策とMR活動の効果測定や医師の傾向分析ができ、営業戦略の支援を行う。