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テレワークによる「営業ナレッジ属人化の加速」を防ぐために、マネージャーが言語化すべきこと

 テレワーク定着が進む中、営業職においても商談や進捗報告などもツールを用いてオンライン化する動きが活発になっています。営業のテレワークには移動コストが軽減されるなどのメリットがある反面、情報が分断されやすく共有しづらくなることで、ナレッジの属人化が加速してしまうデメリットもあります。

ナレッジの属人化が加速

 そもそも上司から部下への口頭によるOJTだけで「ナレッジ共有はできている」と思い込んでしまっている営業組織が多いのではないでしょうか。OJTで学べるのは、属しているチームの上司が持つスキルや経験に偏ったものになりやすく、部下の現状やスキルに合った教育ができていない、ナレッジを部下に落とし込めるかも上司のスキルに依るところが大きいという現実があります。

 また、OJTはどうしても一子相伝になりがちでナレッジを組織全体の資産として共有するのも難しいと言えます。さらにテレワーク中はオンライン上のやりとりで、上司や部下お互いの動きが見えづらくなります。個人個人が共有の必要性を感じ、意識的に発信しようとしない限り、ナレッジ共有はどんどんおろそかになってしまいます。

 では、どのように営業部門のナレッジを蓄積し、活用可能な状態にしていくと良いのでしょうか。いちばん重要なのは、営業それぞれが「自分自身の持っている情報を吐き出すこと」です。チームに情報を出していく、言語化する、といった姿勢がもっとも重要になってきます。

情報共有の意義、育成に資する情報の「言語化」

 伝えることが重要だと理解できても、営業個人が自走してナレッジ共有の文化を醸成できるわけではありません。ナレッジ共有定着の最初のハードルは、メンバーの「共有しない」を「共有しよう」に変えることにあります。現場を動かすには、マネジメント層が以下の2点を言語化し、部下に納得させる必要があります。

 

 ひとつめは「なぜナレッジを社内に共有する必要があるのか」。営業組織内で成績を競わせることで「他人よりも上にいきたい」という考えにメンバーが囚われ、ナレッジ共有を拒む風潮がつくられることはよくあります。そのような組織下では、自分の経験を教えることでライバルを勝たせてしまう可能性がある、と考えてしまうのも理解できます。

 しかし、トップを走り続けられる人であっても、まだ見ぬケースや他のメンバーの活動状況を知ることにより、効率よく気づきを得られ、自身の営業活動のプラスになることは大いにあり得ます。ナレッジが共有されなくなった場合、自分自身のスキルアップにおいて機会損失のリスクがあるという考えに至れば、共有の必要性を実感できるでしょう。

 営業組織を強くするには、個人のスキルアップは必須と言えます。ナレッジ共有に対する不安を解きほぐし、「マインドを変えさせる」ことがまずは重要です。

 テレワークにおいては、上司や同僚に相談ごとを持ちかけるハードルが高くなり、ひとり抱え込んでしまったり、自分のやり方に不安に感じたりするメンバーもいるかもしれません。ナレッジ共有ができれば、悩む機会を減らすことができ、部下の動きも見えるため安心できるようになります。このような必要性を言語化し、納得させる必要があります。

 ふたつめは、「ナレッジとして貢献できる情報とは何か」を言語化することです。ナレッジ共有の重要性に気づいていたとしても個人個人が何を共有すれば良いのかわかっていなければ、共有がルーティンワークとして定着しません。有効な情報が何かを明確にした上で、その情報が役に立ってこそ習慣化されます。

 「受注に至るまでのプロセス」や「トークスクリプト」「失注理由」など、営業フローにおいて有用な情報はたくさんあります。自社の営業においてどんなフローがあり、それぞれのフローで共有できる情報は何があるかを洗い出し、決定しなければいけません。

 共有項目の決定プロセスにおいて起こり得ることとして、あまりにも細かく完璧な情報を求めてしまうと、共有のハードルが上がり、定着しづらくなるといったことも考えられます。

 ハードルを下げるためのコツとして、「事実」のみを書くようにする、ということをおすすめします。事実情報、つまり誰の解釈も入っていない情報を書くだけであれば、思考プロセスが削られ、共有までに時間を要しません。また、事実を書く際に、5W1Hと結果をセットで書くようにすると、フォーマットが明らかで描きやすく、共有を受けた側にも詳細が正しく伝わり、理解しやすくなります。

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