ウェブ会議ツールを使った商談での伝え方がわからない
新型コロナが猛威をふるっている。不要不急の外出禁止の要請、非常事態宣言でビジネスが中断している。今はビジネス優先ではなく、国民全員が感染リスクを下げることに努力し、安全を優先することは当然だ。新型コロナウイルス感染症に罹患された方々および関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、一刻も早く新型コロナの感染者数が減り、治療薬が完成し平時に戻ることを心から祈っている。
このような異常事態のとき、営業はどうなっているか振り返ってみた。潮目が変わったのは2月3週目からである。1週ごとに状況が悪くなり、3月に入ると展示会やセミナーのリアルイベントは中止や延期が相次いだ。3月までに広告宣伝費を使いたかった営業・マーケティングチームがリアルイベント費用を、ウェブセミナー開催費やeBook作成費、インバウンドマーケティング費に急きょ転換していった。リアルイベントの主催者は相次ぐキャンセルに疲弊し、苦しい状況だ。
一方、バーチャルなビジネスに関するベンダーは特需に沸いたと言えよう。在宅勤務が増え、VPN接続によるネットワーク負荷向上から、ITインフラ関連のビジネスも忙しい。IT業界ではDX対応や基幹業務システム刷新で受注している案件のシステム開発は粛々と進んでおり、大きな中断は見られない。しかし全体的にこれからのビジネスは低調となるだろう。
前述した儲かっているビジネスのための打ち合わせは必要だが、在宅勤務が推奨され訪問しようにもできない。つまりリモートワーク中にオンラインでの初回訪問が増えてきている。営業はリアルな訪問が身体に染みついている。バーチャルな初回訪問をしたことはほとんどないだろう。3月に入り、読者から「リモートワークで初めて会う顧客との商談のやり方がしっくりきません」という連絡が非常に多く寄せられた。
弊社では拠点がある東名阪の商談はリアルに初回訪問をするが、拠点がない地方の場合は、ウェブ会議ツールでオンライン初回訪問を実施している。このやり方を10年間、継続してきた。理由は問い合わせをもらっていきなり地方訪問をしても確度によっては高コストとなってしまうので、失礼ながらウェブでの初回訪問をお願いしてきたのだ(実際、初回訪問はしていないので「初回商談」と呼ぶべきかもしれないが、本コラムのタイトル上、初回訪問と表現させていただきたい)。
リアルな初回訪問も、バーチャルな初回訪問も、本コラムで述べてきたように顧客に想像してもらい、次のアクションにつなげなければならないことは同じだ。だがウェブ会議の初回訪問は顧客の反応がわかりにくいので、手応えが感じづらい。また自分自身の説明もしっかり伝わっているのか不安になるときもある。結局、もやもやとしながら商談が終了してしまった営業も少なくないだろう。リモートワークがまだまだ続きそうな今だからこそ、ウェブ会議ツールを使った初回訪問のやり方をお伝えしたい。リアルな訪問しか経験のない営業は必見だ!10年間、培ってきたオンラインでの伝え方をご紹介していくので、ぜひ習得してみてほしい。