華の編集部からペコペコする仕事?広告営業への異動を命じられ
ーー2018年度の新卒入社ですね。翔泳社に入社するまでの経緯を教えてください。
もともとは新聞記者を目指して就職活動をしていました。サッカーが好きで、自分でブログを運営したり、Twitterのアカウントの影響力を大きくしていく中で、メディアで働きたいという思いがあったからです。メディアの中でもエンターテインメントを扱うより、ビジネスの最前線を見られるようなところが良いと探していました。就職活動の結果、いくつかありがたいお話もいただいたのですが、翔泳社は出版社の中でもおもしろいことをやっているというイメージがあり、そこに惹かれて入社しました。
ーー新人研修を経て、マーケター向けメディア「MarkeZine」編集部に配属されます。その頃の営業のイメージは?
翔泳社の話ではなく、営業職全般に対して「とにかくペコペコしている人」というバイアスがかかったイメージを持っていました。突然自宅に来られる訪問営業の方に自分が抱く感情もあり、あまり良いイメージはなかったですね。
ーー編集部を1年経験し、2019年4月に広告営業を担う広告課へ異動になります。
異動の話をいただいた時は、正直ショックでした。お返事するまで、しばらく考える時間をいただいたくらいです。ただ、これまで留学して英語とポルトガル語をはじめとする言語学の勉強をしてきたこともあり、数字に弱かったり、日本のビジネス作法をまったく知らないという自覚はありました。ですから、営業という仕事を通して自分自身が成長できるだろうという期待はありましたし、「営業に向いていそうだ」というお言葉もいただいたので、自分がどれくらいやれるのかというワクワクもありました。
今振り返ると入社1年目の編集部時代は、なんとなく「記事くらい書けるだろう」と仕事をナメていたんだと思います。「取材してあげている」「営業から頼まれた案件をやってあげている」という意識で仕事をしていたとでも言うのでしょうか。たとえば、営業から頼まれる案件の向こう側にはクライアントがいらっしゃり、営業はその代弁者として編集部に依頼しているのですが、そういった仕事の全体が見えておらず、目の前の業務だけをこなすことが仕事だと思い、それで満足もしていました。今では異動は、その視野を広げるためにいただいた機会なんだととらえています。
1年間経験した今では、広告営業へのイメージが180度変わりました。ひとつの大きな気づきは、営業がいないと仕事が生まれないということです。編集部も「このネタを取材したい」と企画すれば仕事は生まれるのですが、会社として自分たちが食べていくための数字には直接はつながらないものです。もちろん、間接的にはつながっていますが。編集が持っているスキルやコンテンツ力を、売上という数字に正しく昇華させるための役割として、広告営業が重要だととらえるようになったのが大きな変化です。
広告営業の仕事をしてみて感じるたいへんさもあります。案件が決まってからの調整ごとは多く、とくに世の中の動きが変わると広告営業を取り巻くビジネス環境にも影響があるため、マイナスに動いた時にはつらいなと思うこともありますが、日々の仕事には楽しく取り組んでいます。
営業未経験だった僕の営業向けメディアの売りかた
ーーSalesZineのオープンは2019年4月です。異動したてでSalesZineの売上に責任を持つ媒体担当になったのはすごいですね。
はじめは上長と一緒にやりながら、だんだん独り立ちしていくという流れでやらせてもらいました。並行して、個人の営業としてもトライ&エラーを繰り返しながら仕事を覚えていきました。
先輩の営業に同行させてもらったのは最初の1ヵ月くらいだったと思います。人と会うのが好きなので、ひとりで行っても大丈夫かなと(笑)。毎回アポの終わりに、「話もスムーズにできたし、媒体もきちんと案内できた。今日は100点だったな」と自分を評価していたくらいです。でも、一向に売上にはつながりませんでした。僕がうまく商談をすることがゴールになってしまっていて、ヒアリングもできていない、クライアントには何のメリットもない商談だったんでしょうね。売上につながらないのはなぜだろうと考え、SalesZineの記事を参考に、ヒアリングやプレゼンの手法に工夫を重ねていきました。
新規のお客様を自分で探し、関係を構築していって、はじめてイベントの協賛を受注したときのことは印象に残っています。電車で受注のメールを見て一刻も早く誰かに伝えたくなりました(笑)。クライアントの「これ要るかな?」というような情報まで収集していたので、そういったことが地味に効いたのかもしれません。
ーーSalesZineの媒体担当として心がけていることはありますか?
Sales Tech界隈が動きが活発なフェーズにあるため、オンオフ問わず、イベントが多数開催されています。その中から、月3回は外部のイベントに通うようにしています。自分も営業職ですから勉強になりますし、ベンダー側がどのようなメッセージでイベントを開催しているのかを読み取るためです。自分が担当しているクライアントのイベントに足を運んだ際に、「富安さん、勉強熱心ですね」とお言葉をいただいたことがありました。そのために行ったわけではないのですが、結果的にそのように見ていただけるのだなと思ったり。イベント内容を社内のSlackでリアルタイム実況するなど共有して、社内でのSalesZineのプレゼンスを上げるようにもしています。
ーー媒体担当のやりがいとは?
編集部時代はその媒体が扱うテーマについて深く知る必要がありましたが、翔泳社の広告営業は媒体担当を持ちながら、担当ではない媒体も売ります。業界全体を広く把握していないといけません。そのために、たとえばGoogleアラートにキーワードを設定してSlackで通知が飛ぶようにしたり、プレスリリースはなるべく目を通すなど情報収集を心がけています。このあたりは編集者時代のスキルが活きているかもしれません。
その結果、「このジャンルが熱そうだな」と思っていたジャンルのクライアントからお問い合わせをいただくこともあり、市場の盛り上がりが売上にも反映されることがわかります。広告営業の仕事を通して世の中の流れを体験しているなと感じられます。
「広告は役に立つ、届けて喜ばれるもの」を仕事で体現したい
ーー富安さん個人が、広告営業としてこれからやっていきたいことはありますか?
編集者時代のインタビューでおうかがいしたことの受け売りなのですが、広告は本来、商品とそれを求める人をつなぐなど、課題を解決できるソリューションです。役に立つ情報は届けたら喜ばれるべきものですよね。にもかかわらず最近は、売り込みのようだと、広告そのものに負い目を感じている人が多いんです。広告の本来の役割や役に立つ良いものだということを、自分の仕事で体現できたらと思っています。
加えて、Sales Techの領域を扱っているメディアの媒体担当として、自分が所属する広告課でも、積極的にテクノロジーを活用した業務の改善・効率化にトライしていきたいですね。
ーー数字への苦手意識は克服できましたか?
数字への苦手意識は今でもありますが、クライアントに対して数字を用いロジック立ててご説明しないと商談が進まないことがわかってきました。広告課で日々仕事をしていれば、自然と克服していけると思います。また、数字との付き合いとそれに対するプレッシャーは営業以外の職種でも何かしらありますよね。予算達成という課題に対し、広告営業は売り物を作ることができます。編集部時代にも企画は立てていましたが、営業の企画は数字で評価がもらえます。たとえば、100万円の企画を作って100万円で受注できたら100万円の価値があったということでしょう。そこがすごくおもしろいと思っています。
ーーどのような人と一緒に働きたいですか?
翔泳社の広告課では、さまざまな媒体を横断して提案することができます。世の中の動きに関心があったり、人よりも好奇心が強い人にとっては、おもしろい職種だと思います。僕も未経験でしたから、営業経験はとくに問われないと思います。
広告課のチームについては、たとえばクライアントは商談で、すべてをオープンに話されることはないと思うんです。商談を持ち帰り、「競合他社がこういう動きをしたから、実際はこうかもね」といった仮説を話し合ったりします。そして、それをもとに個々が次のアクションを考えていきます。
僕のように営業未経験でも大きなプロジェクトを任せてもらえ、その分責任やプレッシャーも大きいけれども、チームとしては助け合っている。それが翔泳社の広告課の特徴かもしれません。
翔泳社 広告課では、
- 試行錯誤をしながらも、周りと協力し結果を求めていきたい
- 営業パーソンとしても、ビジネスパーソンとしても成長したい
- SalesZineやMarkeZineといった媒体を一緒に作り、育てていきたい
と思う方を募集しています。
※リモートワーク推奨のため、面接は基本的にオンラインでの実施となります。