EmpowerXは、BtoB SaaS・IT/受託・SIなど、従業員数1,000名以上のエンタープライズ企業への営業活動を行う人を対象に、「エンタープライズ営業における情緒的アプローチと組織的営業の実態調査」を実施した(N=550)。
重要顧客への組織的アプローチ、半数以上が「特に実施していない」

重要なエンタープライズ顧客に対し、製品提案以外で組織的な個別アプローチを行っているかを聞いたところ、50.55%が「特に実施していない」と回答した。
実施している企業では「役員・決裁者を交えた会食(20.73%)」「担当者個人の関心を踏まえたコミュニケーション(20.00%)」「既存顧客を交えたリファレンス紹介(19.64%)」など、人間関係・信頼構築を重視した施策が上位に挙がった。
情緒的アプローチで「約7割が意思決定スピード向上」を実感

情緒的アプローチを実施している企業に対し、意思決定スピードへの影響を聞いたところ、69.8%が「早くなった」と回答した。
内訳は「数日〜2週間程度(29.0%)」が最多で、「15〜30日程度(22.4%)」「30日以上(18.4%)」と続いた。40.8%が15日以上の短縮を実感しており、情緒的アプローチが検討期間の短縮に寄与していることがうかがえた。
ただし、「変化はない(11.8%)」「測定していない(18.4%)」を合わせると約3割が効果を確認できておらず、施策の効果測定が十分に行われていない実態も浮かび上がった。
顧客の稟議資料、過半数が「ノータッチ」

顧客の社内説明資料(起案資料)にどの程度関与しているかをたずねたところ、54.9%が「担当者に任せており関与していない」と回答した。
「社内起案用資料の代行作成(11.8%)」や「一部(比較表・論点整理等)の提供(21.8%)」を行っている企業は合わせて33.6%という結果になり、「汎用資料のみ提供(11.5%)」を含めても、顧客の社内検討プロセスに踏み込んだ支援を行っている企業は半数以下となった。
競合の契約更新時期、約半数が「把握できていない」

競合製品の契約更新時期を把握し、リプレイス提案に活用できているかをたずねたところ、49.8%が「把握できていない」と回答。「把握しており専用アプローチを行っている」のは19.8%という結果になった。
また、30.4%が「把握しているが、特別な施策はない」と回答しており、更新時期の情報を持ちながら活用できていない「機会損失層」の存在が明らかになった。
リプレイス検討時、「実績を示す資料」と「不安を解消する資料」が上位に 汎用資料は評価されず

競合からの切り替え検討時に、顧客からとくに評価された資料・情報をたずねたところ、「導入後の成功事例・数値成果(23.82%)」と「現行ベンダーとの比較表(21.64%)」が上位に挙がった。具体的な実績と競合との明確な差異が、リプレイスの意思決定を後押ししていることがわかる。
一方、「汎用的なサービス資料(9.09%)」の評価は低く、カスタマイズされていない情報はリプレイス検討時には大きく影響しないことがわかった。
商談中の企業に「別ルートから接触」、64.3%ができていない

商談中の企業に対し、ISが別部署・別役職宛に商談機会を創出しているかをたずねたところ、「基本的に行わない・ルール上行えない(13.1%)」「あてはまるものはない(17.6%)」「分からない(33.6%)」を合わせた64.3%が、複線的な接触を実践できていないことがわかった。
戦略的または状況に応じて行っている企業は35.6%にとどまり、とくに「分からない」が33.6%を占めていることから、IS部門と営業部門の連携が不十分で、商談中企業へのIS活動の実態が組織として可視化されていない可能性が示された。
【調査概要】
調査名称:エンタープライズ営業における情緒的アプローチと組織的営業の実態調査
調査方法:ウェブアンケート
調査期間:2026年2月10日
調査対象:BtoB SaaS/受託・SIなどに勤務し、1000名以上のエンタープライズ営業に従事する人
有効回答数:550件
調査実施:EmpowerX
