コインタックスは、Salesforce Agentforce(※)に不動産会社向け「AI搭載営業支援パッケージ」の提供開始を発表した。
※Salesforce Agentforce:業務のワークフローの中で、自律的なAIエージェントでチームを補強するための、企業向けのデジタル労働プラットフォーム。AIエージェントを作成・カスタマイズするためのツール一式に加え、セールス、サービス、マーケティング、コマース、MuleSoft、Tableau、Slack、パートナーなど、さまざまなユースケースに対応する構築済みスキルのライブラリが用意されている
提供開始の背景
不動産営業の現場では、長年「提案精度」と「業務効率」はトレードオフの関係にあると考えられてきた。
たとえば、顧客の希望条件をていねいヒアリングし、数十件の物件情報を精査してもっとも適した提案を作成しようとすれば、1件あたり数時間を要する。しかし、対応できる顧客数には限界があり、見込み客へのフォローが後回しになってしまう。
一方で、効率を優先して画一的な提案を一斉送信すれば、顧客の細かなニーズとのミスマッチが生じ、成約率は低下する。
とくに日本の不動産市場では、顧客の細かな希望条件(例:日当たり、騒音、治安など)が成約に左右するため、情報を正確に把握し適切な提案につなげる仕組みが不可欠である。しかし従来の手法では営業担当者に負担があり、次のような3つの課題があった。
- 属人化した営業活動:経験や勘に依存した提案スタイルにより、若手担当者の育成や組織全体の生産性向上が困難
- 顧客対応の抜け漏れ・タイミングのズレ:手作業によるフォローや再提案の遅れで、商談機会を逸失
- 情報の選別・提案に工数がかかる:顧客条件と膨大な物件情報の突き合わせに時間と労力を要し、提案品質にばらつきが生じやすい
コインタックスは、こうした営業現場の構造的な課題の解決に、Salesforce AgentforceにAI搭載営業支援パッケージの提供を開始した。
ソリューション概要
本パッケージは、AgentforceとAccount Engagement(※)を連携させ、不動産営業における繰り返し業務や情報分析を自動化する。なお、主要な機能は次のとおり。
- 顧客アンケートの自動収集と初期提案の自動化:顧客の希望条件をフォームで収集し、AIが分析する。もっとも適した物件を自動抽出・提案することで、初動対応の質を向上させる。
- AIによる物件スコアリングと優先提案:希望条件を基に各物件へスコアを付与し、高スコア物件から優先的に提案する。従来のシステムでは対応が難しかった「日当たりの良さ」「静かな環境」「治安の良いエリア」といった定性的な情報も、AIが総合的に評価・スコアリング。担当者の経験に左右されず、効率的かつ高精度な営業活動を可能にする。
- フォローアップの自動化:Account Engagementを活用し、一定期間後に自動で新しい物件を提案する。問い合わせ後の継続的な追客をAIが担い、営業機会の最大化を図る。
※ Account Engagement:Salesforceにおけるマーケティングプラットフォーム
コインタックス 代表 田辺拓也氏のコメント
当社は今後もAIなどの先進技術を活用し、不動産業界における営業DXを一層推進してまいります。
特に、Salesforce「Data 360」を活用したRAG(Retrieval-Augmented Generation)検索の導入などにより、顧客の問い合わせ内容や過去の商談履歴、物件データベースなど、社内に蓄積された膨大な情報を横断的に検索・活用することで、さらに精度の高い提案と迅速な顧客対応を実現してまいります。
属人化から標準化へ、そして効率化から顧客価値創出へ。
当社は、不動産営業の新しい未来を切り開くソリューションを提供し続けます。
セールスフォース・ジャパン 専務執行役員 アライアンス事業統括本部 統括本部長 浦野敦資氏のコメント
AI搭載営業支援パッケージは、お客様の力を引き出し、それぞれのビジネス課題を解決へと導くことで、お客様の成功を支援するという同社のコミットメントを体現するものです。Agentforceは日々進化し拡大を続けており、コインタックス株式会社のお客様がその価値を実感しながら、どのような成果を成し遂げていくのかを楽しみにしています。
