セールスフォース・ジャパン(以下、Salesforce)は、AIエージェントによって営業担当者の育成を支援する新機能「Agentforce セールスコーチング」の日本語提供を10月より開始する。
同機能は、自律型AIエージェントで営業チームを強化する「Agentforce for Sales」が提供する機能のひとつ。AIエージェントをデジタル労働力として活用することで、属人的になりやすい営業スキルの育成を仕組み化し、商談の質と成約率の向上を支援する。

少子高齢化や人材不足を背景に、営業組織では若手社員の育成やスキル継承、生産性向上が喫緊の課題となっている。営業活動にはさまざまなタスクがともない、業務の効率化が成果に直結する。
しかし、Salesforceが2024年9月に公開した「セールス最新事情」(第6版)によると、営業チームの半数以上がトレーニングの一環として「営業戦略レビュー」や「業績レビュー」を実施している一方で、ロールプレイセッションなどのイネーブルメント活動に十分な時間を割けていないことが明らかになっている。
営業マネージャーがすべての商談や担当者に個別でコーチングを行うには、時間やリソースに限界がある。そこで、Agentforce セールスコーチングは、営業担当者のピッチ練習や顧客対応のロールプレイを、自律型AIエージェントが相手役となって実施し、リアルタイムのフィードバックを通じて提案力を継続的に強化する。
商談ごとに最適なシナリオを用いたトレーニングや、CRMデータをもとにした一貫性あるフィードバックをリアルタイムで行うことで、営業スキルの向上と成約率の最大化を支援する。
主な特徴
- ピッチや顧客対応のトレーニングをAIが実施:顧客に対する説明や提案、異論・反論があった場合の切り返しなどをAIが再現し、実践的な訓練を提供する。
- CRMデータをもとにした一貫性あるフィードバック:実際の商談履歴や担当者のパフォーマンスに基づき、担当者ごとに最適な指導を自動生成する。
- 営業マネージャーの負担軽減と本来注力すべき業務への集中:コーチングやロールプレイにかかる工数をAIが代替することで、マネージャーは戦略策定や大型案件のクロージングなど、付加価値の高い業務に専念できる。
- ROIの可視化と継続的な改善:コーチングの有無による成約率・失注率の変化を分析し、営業投資の効果測定が可能になる。