ポートは、成約支援組織の生産性向上を図るために、セールスAIエージェントを成約支援業務の各プロセスに展開させる取り組みを開始しており、その第1弾としてリスク管理AIエージェントを開発、運用を開始し、年間6万時間の業務時間削減を見込んでいることを発表した。
背景および目的
ポートは、ウェブマーケティング×セールスの融合で、企業の経営課題を成果報酬型で解決する成約支援事業を展開している。成約支援事業においては、成約件数×成約単価が売上収益となるが、成約件数はウェブマーケティングによるユーザー集客件数×成約率となるため、成約率を高めることで成約件数の最大化を図ることが可能となる。
今回ポートは、その成約率を高め成約支援組織の生産性向上を図るために、セールスAIエージェントを複数開発し、成約支援業務の各プロセスに展開させる取り組みを開始した。
その第1弾の取り組みとして、エネルギー領域におけるインサイドセールスによる成約支援業務の内容確認であるトークチェックにリスク管理AIを活用する。エネルギー領域においては、主に引越しを契機にした新規での電気・ガス契約ニーズのある見込みユーザーをウェブマーケティングを中心に獲得し、見込みユーザーからの電話連絡で、インサイドセールスであるコンシェルジュが、ユーザーニーズをヒアリングしながら電気・ガスなどの成約支援を行っている。インサイドセールスによる内容確認であるトークチェックを、リスク管理AIにて行うことで、ガバナンス強化とともに成約率向上を図る。
リスク管理AIの概要および効果
エネルギー領域ではウェブマーケティングを通じて獲得した見込みユーザーに対して、インサイドセールスが成約支援を行うことで2024年3月期実績年間約63万件の電気・ガス等の成約支援を行っている。見込みユーザーに対するインサイドセールスによる成約支援業務・説明内容について、リスク管理AIにより説明内容について30項目にわたってチェック、評価を行う。
チェック内容としては、法的なガイドラインに基づいた説明が行われているかなどのリスク管理に加えて、自社営業マニュアルが徹底されているかなどの成約率の向上を目的としたチェックにより、ガバナンス強化とともに、成約率向上を図る。
また、成約支援実績ログデータ全件に対してAIチェックを実施することで年間で約6万時間の業務削減が可能であると考えているほか、この成約支援実績ログデータを活用し、成約支援業務の生産性を向上させるための施策も実施していく。
具体的には、ウェブ上でのセールスを完結させる方法(ウェブ上でチャットコミュニケーションを通じて受注すること)や事前スクリーニングする方法(ニーズを確認した上で人材が受電対応する形式)、受注後の電力事業者への顧客情報の連携など成約支援活動における各プロセスにおいてAIエージェントを徹底活用していく方針である。