組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(読み:オールディファレント)と、人と組織の未来創りに関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所は、2024年10月12日~10月15日の期間で、社会人1年めから4年めの若手社員1,200人を対象に意識調査を実施した。
若手社員への育成は大きく分けて「業務支援」「精神支援」「内省支援」の3つの支援があると言われている。前回は「業務支援」の実態(※1)を公表した。今回は精神支援(※2)の実態を調査・分析する。
※2 精神支援とは、ストレスや不安を軽減し、やる気を引き出すサポートをすること
4人にひとりの新人が、上司や先輩から精神面の支援を「全くしてもらっていない」と回答
社会人1年め~4年めの若手社員に対して、上司や先輩からの精神面における支援が十分と感じているかを質問した。
その結果、「十分にしてもらっている」「してもらっている」と回答した割合は、社会人1年めは57%、社会人2年めは54%、社会人3年めは59.7%、社会人4年めは56.4%となり、各年次共通して半数以上が精神支援をしてもらっていると回答した。その中で「十分にしてもらっている」と感じる割合は、社会人1年めがもっとも多く22.7%だった。
一方、「全くしてもらえていない」と回答する割合は、社会人1年めが25.3%ともっとも多く、4人にひとりがまったく精神支援されていないと感じていることがわかった。
精神支援をしてくれる相手は「同じグループ・チームの先輩」がトップに
社会人1年め~4年めの若手社員に、誰から支援を受けているか質問した。
社会人1年めでは、30.7%が「同じグループ・チームの先輩」と回答し、次いで、「役職が1つ上の上司」が28.3%、「同期」が24.7%と続いた。
社会人2年めも同様に「同じグループ・チームの先輩」と回答する人が29.3%ともっとも多く、「役職が1つ上の上司」が25.3%、「同期」が24.7%と続いた。
社会人3年めも「同じグループ・チームの先輩」と回答する人が32.3%ともっとも多く、次いで、「役職が1つ上の上司」が26%、「同期」が22.7%と続いた。
社会人4年めも「同じグループ・チームの先輩」が30.7%でもっとも多く、次いで、「同期」が28.3%、「役職が1つ上の上司」が28%と続いた。
これらの結果より、全年次共通して「同じグループ・チームの先輩」「役職が1つ上の上司」からの支援が多いことがわかった。また、社会人4年めでは「同期」の存在が大きいこともわかった。
精神支援の内容、社会人1年めには「励まし・応援」「期待」、2年めには「成長の伝達」が多い
具体的に精神面でどのような支援をしてもらっているか、年次別に支援内容を調査した。
社会人1年めでは「励ましや応援をしてくれた」と回答した割合が32.1%ともっとも多かった。この割合は、他年次と比較して6.9ポイント以上高かった。次いで、「安心させてくれた」が31.3%、「成長していることを伝えてくれた」が23.2%と続いた。また、社会人1年めでは、「期待してくれた」(21%)という回答も他年次より多くなった。
社会人2年めでは、「安心させてくれた」が34%ともっとも多く、次いで「成長していることを伝えてくれた」が24.7%、「不安・不満を聞いてくれた」が21.7%と続いた。
社会人3年めでは、「安心させてくれた」が30.8%ともっとも多く、次いで「成長していることを伝えてくれた」が21.9%、「雑談をして気を紛らせてくれた」が19.8%と続いた。
社会人4年めでは、「安心させてくれた」が33.2%、「励ましや応援をしてくれた」が25.2%、「成長していることを伝えてくれた」が18.9%という回答だった。
支援に対する気持ちは「嬉しい」「感謝」 成長していることを伝えると「成長のために頑張ろう」と受け止める割合が多くなる
精神支援の内容を、若手社員はどのように捉える傾向があるか、年次共通の結果を調べた。
安心させてくれた
「安心させてくれた」という精神支援内容では、半数以上が「安心した」(56.7%)と捉える傾向にあった。次いで、「嬉しいと思った」が37%、「感謝の気持ちを抱いた」が32.8%と続いた。
励ましや応援をしてくれた
「励ましや応援をしてくれた」という精神支援内容では6割の若手社員が「安心した」(60.9%)と回答した。次いで、「嬉しいと思った」が37.7%、「感謝の気持ちを抱いた」が37.3%と続いた。
成長していることを伝えてくれた
「成長していることを伝えてくれた」という精神支援内容では、「安心した」が44%ともっとも多かった。他の項目とくらべて、「感謝の気持ちを抱いた」(41.6%)、「成長のために頑張ろうと思った」(32.1%)と答える人が多くなった。