パーソルグループの中途採用サービス「ミイダス」を運営するミイダスは、直近3年以内に転職活動をしたが現在の会社にとどまった会社員215人(ハイパフォーマー社員109人、一般社員106人)を対象に、「後編:転職活動をしたが今の会社に残った人の比較調査」を実施した。同調査では、ハイパフォーマー社員(※)と一般社員の転職における行動を比較し、「転職を思いとどまった理由」や「会社とのミスマッチが減らせる機会」を可視化した。
※ハイパフォーマーの定義:転職前の会社に所属している際に、上位10%以上の成果をあげていたり、トップセールスやMVP、社内賞受賞などの経験があること
転職を考え始めたきっかけ、ハイパフォーマー社員は「成長やキャリアアップの機会が限られていた」、一般社員は「給与が低かった」がもっとも多い
「Q1.あなたが、転職活動を開始する前の、転職を考え始めたきっかけを教えてください。(複数回答)」と質問したところ、ハイパフォーマー社員(n=109)は「成長やキャリアアップの機会が限られていた」が41.3%、一般社員(n=106)は「給与が低かった」が54.7%という回答になった。ハイパフォーマー社員は前編の転職経験者のハイパフォーマーと同じ結果となった。
転職活動を開始した理由、ハイパフォーマー社員は「仕事の内容を変えたかった」、一般社員は「給与を上げたかった」の声多数
「Q2.転職活動を実際に開始した理由を教えてください。(複数回答)」と質問したところ、ハイパフォーマー社員(n=109)は「仕事の内容を変えたかった」が44%、一般社員(n=106)は「給与を上げたかった」が54.7%という回答になった。
仕事への取り組み方の変化、転職を考え始めてから、転職活動を開始するまでに「仕事に対するモチベーションが下がった」という実態
「Q3.それぞれの時期で、仕事への取り組み方に変化はありましたか。(マトリクス形式)」と質問したところ、ハイパフォーマー社員(n=109)は「転職を考え始めてから、転職活動を開始するまで」では「仕事に対するモチベーションが下がった」が35.8%、一般社員(n=106)は「転職を考え始めてから、転職活動を開始するまで」では「仕事に対するモチベーションが下がった」が27.4%などという回答になった。
TOP3:ハイパフォーマー社員(n=109)
転職を考え始めてから、転職活動を開始するまで
- 仕事に対するモチベーションが下がった:35.8%
- 周囲とのコミュニケーションを減らした:22.9%
- 今までやっていた周囲への気遣いをやめた:22%
転職活動を開始してから、内定をもらうまで
- 仕事に対するモチベーションが下がった:23.9%
- 特に変えなかった:20.2%
- 残業時間を減らした:19.3%
内定が出てから、会社に転職を伝えるまで
- 残業時間を減らした:14.7%
- 特に変えなかった:14.7%
- 仕事に対するモチベーションが下がった:13.8%
- 今までやっていた周囲への気遣いをやめた:13.8%
- 仕事のクオリティを下げた(ある程度で終わらせるようにした):13.8%
TOP3:一般社員(n=106)
転職を考え始めてから、転職活動を開始するまで
- 特に変えなかった:35.8%
- 仕事に対するモチベーションが下がった:27.4%
- 今までやっていた周囲への気遣いをやめた:16%
転職活動を開始してから、内定をもらうまで
- 特に変えなかった:34.9%
- 仕事に対するモチベーションが下がった:14.2%
- 残業時間を減らした:10.4%
内定が出てから、会社に転職を伝えるまで
- 特に変えなかった:31.1%
- 仕事に対するモチベーションが下がった:12.3%
- 新しい仕事を避けるようになった:10.4%
- 残業時間を減らした:10.4%
転職活動を開始するまでにかかった期間、ハイパフォーマー社員・一般社員ともに「1ヶ月~3ヶ月未満」がもっとも多い
「Q4.それぞれの項目に対し、かかった期間を教えてください。(マトリクス形式)」と質問したところ、ハイパフォーマー社員(n=109)は「転職を考え始めてから、転職活動を開始するまで」では「1ヶ月~3ヶ月未満」が34.9%、一般社員(n=106)は「転職を考え始めてから、転職活動を開始するまで」では「1ヶ月~3ヶ月未満」が33%という回答になった。
ハイパフォーマー社員(n=109)
転職を考え始めてから、転職活動を開始するまで
- 1ヶ月未満:19.3%
- 1ヶ月~3ヶ月未満:34.9%
- 3ヶ月~6ヶ月未満:27.5%
- 6ヶ月~1年未満:10.1%
- 1年以上:3.7%
- この時期は当てはまらない:3.7%
- わからない/答えられない:0.9%
転職活動を開始してから、内定をもらうまで
- 1ヶ月未満:6.4%
- 1ヶ月~3ヶ月未満:27.5%
- 3ヶ月~6ヶ月未満:31.2%
- 6ヶ月~1年未満:18.3%
- 1年以上:4.6%
- この時期は当てはまらない:11%
- わからない/答えられない:0.9%
内定が出てから、会社に転職を伝えるまで
- 1ヶ月未満:11%
- 1ヶ月~3ヶ月未満:29.4%
- 3ヶ月~6ヶ月未満:15.6%
- 6ヶ月~1年未満:6.4%
- 1年以上:5.5%
- この時期は当てはまらない:30.3%
- わからない/答えられない:1.8%
一般社員(n=106)
転職を考え始めてから、転職活動を開始するまで
- 1ヶ月未満:20.8%
- 1ヶ月~3ヶ月未満:33%
- 3ヶ月~6ヶ月未満:18.9%
- 6ヶ月~1年未満:12.3%
- 1年以上:5.7%
- この時期は当てはまらない:1.9%
- わからない/答えられない:7.5%
転職活動を開始してから、内定をもらうまで
- 1ヶ月未満:8.5%
- 1ヶ月~3ヶ月未満:26.4%
- 3ヶ月~6ヶ月未満:19.8%
- 6ヶ月~1年未満:7.5%
- 1年以上:6.6%
- この時期は当てはまらない:22.6%
- わからない/答えられない:8.5%
内定が出てから、会社に転職を伝えるまで
- 1ヶ月未満:23.6%
- 1ヶ月~3ヶ月未満:20.8%
- 3ヶ月~6ヶ月未満:8.5%
- 6ヶ月~1年未満:5.7%
- 1年以上:0.9%
- この時期は当てはまらない:33%
- わからない/答えられない:7.5%
転職を思いとどまった理由、第1位は「昇給の機会が提供されたため」
「Q5.あなたが、転職活動を実施(もしくは検討)するも、思いとどまった理由を教えてください。(複数回答)」と質問したところ、ハイパフォーマー社員(n=109)は「昇給の機会が提供されたため」が26.6%、一般社員(n=106)は「昇給の機会が提供されたため」が16%という回答になった。
ハイパフォーマー社員は「家族の反対」、一般社員は「転職回数を増やしたくなかったから」などの理由も
Q5で「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q6.Q5で回答した以外に、転職を検討するも、思いとどまった理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」と質問したところ、ハイパフォーマー社員(n=102)は「家族の反対」、一般社員(n=75)は「転職回数を増やしたくなかったから」などの回答を得ることができた。
ハイパフォーマー社員(n=102):自由回答・一部抜粋
- 46歳:家族の反対
- 40歳:介護など、生活に大きな変化があった
- 47歳:企業年金をもらいたいから
- 33歳:両立できる様な環境を作ってもらえたため
- 42歳:周りの人間関係・つきあいを断ち切れなかった
一般社員(n=75):自由回答・一部抜粋
- 46歳:内定がなかなか取れず転職活動に疲れた
- 40歳:現在の職場よりいいと思える転職先がなかった
- 34歳:今より良い環境となる保証がなかったから
- 42歳:転職回数を増やしたくなかったから
- 35歳:メンバーから引き留めを受けたため
ハイパフォーマー社員の64.2%が、「会社に対する考えや自身の悩みなどを伝える機会・社内制度がある」と回答、一般社員より26.5ポイント高い結果に
「Q7.あなたのお勤め先では、会社に対する考えや自身の悩みを伝える機会や社内制度は設けられていますか。」と質問したところ、ハイパフォーマー社員(n=109)は「とてもある」「ややある」の合計が64.2%、一般社員(n=106)は「とてもある」「ややある」の合計が37.7%という回答になった。
ハイパフォーマー社員の84.3%、一般社員の65%から、「会社に対する考えや自身の悩みを伝える機会や制度があることで、転職を思いとどまった」の声
Q7で「とてもある」「ややある」と回答した人に、「Q8.Q7のように、会社に対する考えや自身の悩みを伝える機会や制度があることで、転職を思いとどまりましたか。」と質問したところ、ハイパフォーマー社員(n=70)は「非常にそう」「ややそう思う」の合計が84.3%、一般社員(n=40)は「非常にそう」「ややそう思う」の合計が65%という回答になった。前編の転職経験者と比較すると、この割合はいずれも40ポイント前後も高く、転職を思いとどまった人の職場では伝える機会や制度があるだけでなく、それが活用されていると言える。
会社に対する本音を言いやすい制度、ハイパフォーマー社員・一般社員ともに「1on1ミーティング」がもっとも多い
「Q9.転職前や後に限らず、会社に対する本音や気持ちについて、「こういう時が本音を言いやすい」という場や機会、制度はありますか。(複数回答)」と質問したところ、ハイパフォーマー社員(n=109)は「1on1ミーティング」が37.6%、一般社員(n=106)は「1on1ミーティング」「特にない」が35.8%という回答になった。
会社と自身の考えのミスマッチが減らせる機会、ハイパフォーマー社員・一般社員ともに、「透明性の高い評価制度の導入」がもっとも多い
「Q10.あなたは、どのような機会があれば、会社と自身の考えのミスマッチが減らせると思いますか。(複数回答)」と質問したところ、ハイパフォーマー社員(n=109)は「透明性の高い評価制度の導入」が45.9%、一般社員(n=106)は「透明性の高い評価制度の導入」が40.6%という回答になった。また、「組織サーベイの導入や活用」は前編調査と同様、ハイパフォーマー社員の支持は一般社員の約2倍と高く、客観的に意見を言える機会や制度が求められる結果となった。
【調査概要】
調査名称:【後編:転職活動をしたが今の会社に残った人】ハイパフォーマー社員と一般社員の転職に対する実態比較調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査期間:2024年6月28日〜7月1日
有効回答:直近3年以内に転職活動をするも現在の会社にとどまった、ハイパフォーマー社員109名と一般社員106名、合計215名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない