セールスフォース・ジャパン(以下、Salesforce)は、日本のビジネスリーダー1,000人以上を対象とした調査「Untapped Data Research」を実施した。 本調査により、ビジネスリーダーは、データ活用がビジネスにとって重要であると認識しているものの、大多数がより良い意思決定とビジネスの成果を得るためにその力を活用できていないことが明らかになった。
※本資料は、2023年2月22日に米国で発表された資料と、日本市場の調査結果を元に、日本向けに内容をSalesforceが加筆・再編集したもの。
調査方法
- 調査主体:SalesforceとYouGovの共同調査
- 調査時期:2022年9月
- サンプル総数:9,837名
- 調査対象:あらゆる規模・業種の企業における上級・中間管理職、取締役、最高経営責任者、パートナー、オーナーなどのビジネスリーダーや意思決定者
- 国別サンプル数:シンガポール(1,102)/インド(1,095)/オーストラリア(1,072)/日本(1,026)/イギリス(1,011)/アメリカ(1,010)/フランス(1,008)/ドイツ(1,005)/ブラジル(1,004)/メキシコ(504)
※数字は成人人口(18歳以上)を示している。
企業はデータの潜在能力を引き出せていない
日本企業は、不確実性の高い時代背景により、データを使ったビジネス上の意思決定にいっそう価値を見出している。
- ビジネスリーダーの84%が、自社の意思決定においてデータが重要であると回答
- ビジネスリーダーの55%が、ビジネス上の会話において、データが不確実性を減らし、より正確な意思決定を行うのに役立つと回答
企業がデータ活用のメリットについて同意している一方、利用実態とは明らかな乖離がある。たとえば、大多数の企業は、重要なビジネス上の意思決定を行うために、実際にはデータを利用していない。
- ビジネスリーダーの84%は、インフレなどの経済状況に合わせた価格設定を決定するためにデータを利用していない
- 新規市場参入時の戦略立案にデータを活用している企業はわずか22%に過ぎない
また、データを活用して企業価値を高める機会も逸している。
- 10人中約9人(88%)のビジネスリーダーが、組織のダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包括性)関連の方針について、データを活用していない
- 気候変動の目標策定の指針としてデータを活用しているビジネスリーダーは、わずか4%
不確実性の中で効率と信頼を生み出すデータ
データを正しく統合し活用すれば、顧客と従業員の双方に効率と信頼をもたらす可能性が広がると認識している。
- ビジネスリーダーの半数以上(51%)が、データにより、人々はビジネスに関連する重要な事項に集中できると考えている
- 61%は、データが意思決定の促進に役立つと考えている
- 半数以上(53%)が、データはビジネス上の会話において信頼を築くと考えている
- 約半数(46%)が、データはビジネス上の会話における個人的な意見やエゴの影響を最小化するのに役立つと考えている
データ価値を実現するために、企業はデジタルスキルのギャップを解消する必要がある
流入するデータ、その最適な運用方法に関する知識、そして今後の戦略的投資に向けたデータの活用方法に苦心している。
- ビジネスリーダーの約3分の1(31%)がデータに関する理解不足を指摘し、その原因を複雑なデータや不十分なアクセスとしている
- ビジネスリーダーの4分の1以上(28%)が、データからインサイトを生み出す能力の欠如を指摘
- 約4分の1(23%)は、2026年までに2倍以上に増えると予想されるデータ量の対処に課題を抱えている
これらの懸念に対処するため、約半数(48%)の企業が、従業員向けのデータスキル開発および研修への支出を継続または増額する予定であると回答している。
Salesforce CIO(最高情報責任者) フアン・ペレス(Juan Perez)氏によるコメント
ビジネスリーダーは、現代で最も厳しい経済状況に直面していますが、より良い意思決定のための潜在的な優位性、すなわちデータを有しています。真のインサイトを導き出す秘訣は、データと分析を融合させることです。データ、分析、そして必要なデータスキルを組み合わせることで、企業はテクノロジーへの投資を最大限に活用し、ビジネス戦略の推進と顧客の信頼強化につながる機会を見いだせます。