オープンワークが「年齢別年収で読み解く企業の昇給レポート」を発表した。調査レポートは、同社が提供する「OpenWork」に蓄積された社員の年収データを基に、企業ごとに異なる賃金カーブを25歳から55歳までの5歳刻みで可視化した「年齢別年収」を独自のアルゴリズムによって算出し、まとめたもの。
「コツコツ昇給型」企業
年齢・年次が上がるごとに平均年収もそれに応じて一定の割合で上昇していく傾向が見られる企業の一例として「日本たばこ産業(JT)」「日立製作所」「ファイザー」がピックアップされた。
「コツコツ昇給型」の企業で実際に働く社員のクチコミからは「定期昇給」「年功序列」「会社業績に左右される」などのキーワードが読み取れる結果に。これについて、同社は「長く在籍するほど給与が上がりやすい、安定型企業とも言えそうです」と解説している。
「ジャンプアップ昇給型」企業
とある年齢や一定の年次を境に平均年収が大きくアップする傾向が見られる企業としては、「三菱商事」「野村総合研究所」「野村證券」がピックアップされた。各年齢の平均年収を参照すると、三菱商事では25歳から30歳、35歳から40歳になる段階でそれぞれ300万円近くアップしている。野村総合研究所では、25歳から30歳になる段階でプラス350万円近く、野村證券ではプラス300万円近く平均年収が上がっている様子が明らかに。
「ジャンプアップ昇給型企業で実際に働く社員のクチコミからは、「年収におけるボーナス割合の高さ」「役職がつくと大幅に昇給」「一定の年次以降、同期との差が年収に現れる企業風土」などのキーワードが見て取れた。
「昇給年齢不問型」企業
年齢と昇給幅の相関関係が少ない企業としてピックアップされたのは、「SAPジャパン」「ジブラルタ生命保険」「オープンハウス」の3社。年齢別年収を参照すると、前出の2タイプと比較すると年齢による年収額の差が少ない傾向がうかがえた。このような企業について、「若手から給与の幅が大きいのも特徴です」と同社は解説する。実際に、SAPジャパンでは、30歳以降は年収額の差が少なくなり40歳がもっとも年収が高くなっていた。
「昇給年齢不問型企業」で実際に働く社員のクチコミを参照すると、「年齢ではなくジョブグレード(等級)制度が左右する」「営業成績がすべて」「歩合制・フルコミッション型」「実力主義で年齢は関係ない」など成果主義の社風が垣間見られる結果に。