パーソル総合研究所は、テレワークの浸透にともなう不安感や孤独感の実態および解消法を探ることを目的に、テレワークに関する不安感や孤独感に関する調査結果を実施。その結果を発表した。
調査結果は、次のとおり。
テレワークに関する不安
テレワーカーの不安、1位「相手の気持ちが察しにくい」2位「仕事をサボっていると思われないか」 いずれも約4割に
テレワーカー本人が抱いている不安の1位は「相手の気持ちが察しにくい」で39.5%、2位は「仕事をさぼっていると思われないか」で38.4%だった。
テレワーカーの不安に関する設問として12項目を用意したが、いずれの項目についても30~40%程度の人が不安を抱えていた。また、12項目のうちひとつでも不安を持っている人の割合は64.3%であり、何かしらの不安を持っている人が過半数という結果に。
マネジメント側は業務進捗の不透明さに不安 不安を持つ人はテレワーカー本人よりも多い
テレワーカーをマネジメントしている上司の不安の1位は「業務の進捗が分かりにくい」で46.3%、2位は「相手の気持ちが察しにくい」で44.9%。
上司の不安に関する設問として9項目を用意したが、いずれの項目についても30%後半~40%後半の人が不安を抱えていた。9項目うちひとつでも不安を持っている上司の割合は75.3%であり、テレワーカー本人よりも多いことが判明した。
出社者は「テレワーカーはさぼっているのでは」「相談しにくい」など疑問や不満持つ
テレワーカーに対して出社者が抱いている疑念・不満の1位は「さぼっていると思うことがある」で34.7%、2位は「相談しにくい」32.3%。テレワーカーに対してひとつでも疑念・不満を持っている出社者の割合は58.1%となった。
職場のテレワーカー比率と心理的ストレス
テレワーカー比率と不安感・孤独感
職場におけるテレワーカーの比率が2~3割のときに、テレワーカー自身の不安感や孤独感がピークに。職場においてテレワーカーと出社者が混在している「まだらテレワーク」がもたらすテレワーカーへの心理的ストレスには注意が必要だといえる。
テレワーカー比率と出社者の疑念・不満
職場におけるテレワーカーの比率が高くなるとともに、テレワーカーに対する出社者の疑念・不満も高くなっていく。
テレワーカーのマネジメント
上司とのコミュニケーションについて、リアルな場で顔を合わせる「対面」の場合と、リアルな場で顔を合わせない「非対面」の場合を比べると、「非対面」のほうが「報告」「連絡」「相談」「雑談」のすべてが行われない傾向にある。また、「非対面」の中でも、テレワークでよく使われるだろう「ウェブ会議、テレビ会議」では、それらがさらに行われていないという結果に。
観察力が高い上司は、テレワーカーと信頼関係を築いている傾向に。上司と部下の信頼関係はテレワーカーの評価面の不安や孤独感を抑制していたことがわかる。さらに、出社者のテレワーカーに対する疑念・不満感の抑制も確認された。