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ガートナー、CXに影響を与える先進テクノロジートップ5を発表 22年までに顧客応対への活用は70%に

2020/01/27 11:45

 ガートナー ジャパン(以下、ガートナー)は、今後3年間で企業のカスタマー・エクスペリエンス (CX) プロジェクトに大きな影響をもたらす先進テクノロジートレンドのトップ5を発表した。

 ガートナーが2019年4月に世界で実施したCXのイノベーションに関する調査 (Customer Experience Innovation Survey) において、今後3年間で企業のCXプロジェクトに大きな影響をもたらす先進テクノロジーについて尋ねたところ、人工知能(AI)が53%ともっとも多く、次いで仮想顧客アシスタント/チャットボット(39%)、マルチチャネル顧客エンゲージメント(37%)と続いた。

 ディスティングイッシュト バイスプレジデントのドン・シャイベンライフ氏は次のようにコメントしている。

 「先進テクノロジはそれ自体がディスラプティブ (破壊的) なテクノロジですが、それと同時に、企業に競争優位性をもたらすテクノロジであることはあまり認識されていません。先進テクノロジのほとんどは、ガートナーのハイプ・サイクル上で『生産性の安定期』に至るまでに5~10年以上かかるとみられています。先進的な企業は、これらのテクノロジが自社のCXに影響をもたらし、CXを改善するものの、利益が出るまでには何年もかかるという前提で実装を進めていくでしょう」

トレンド1:AI

 ガートナーはAIのテクノロジーを大きく3つのタイプに分類している。ひとつめは、人間のようなエンゲージメントをもたらすシステムであり、チャットボットやエージェントなどの自然言語ベースのユーザー・インタフェースだ。ふたつめは自動化と最適化のためのテクノロジーであり、自律走行車やリアルタイム脅威検知システムなど。3つめは、データ、画像、音声に基づく隠れたシグナルや予測からインサイトを導き出す、ディープ・ニューラル・ネットワークなどの高度なものだ。

 各企業が膨大かつ豊富で増え続けるデータに対応しきれなくなっている現在、人間のインサイトに加えてAIとアナリティクスのスピードと精度が、「企業の提供するCX」に求められるとガートナーはみている。ガートナーは、2023年までにデジタル・コマースにAIを活用する企業の80%が、顧客満足度、売上、コスト削減のいずれかにおいて少なくとも25%の改善を達成すると予測している。

トレンド2:仮想顧客アシスタント/チャットボット

 ガートナーの2019年CIOアジェンダ・サーベイにおいて、CIOの26%は自社で使用しているAIベースのメイン・アプリケーションがチャットボットであると回答している。仮想顧客アシスタントやチャットボットの導入を成功させるには、まず顧客が使用したいユースケースを特定することが必要だ。ガートナーは、2030年までに、顧客サービスに関する10億件のリクエストが企業所有のボットによって自動生成されると予測しており、シャイベンライフは次のように述べている。

 「仮想顧客アシスタントやボットは、膨大かつ反復的な顧客サービスのリクエストに24時間体制で対応する役割を果たします。将来的には、顧客も気軽なエクスペリエンスを望むようになり、顧客主導での自動化を実現するセルフサービスが標準になるでしょう」

トレンド3:マルチチャネル顧客エンゲージメント

 マルチチャネル顧客エンゲージメントは、顧客とやりとりを行うすべてのチャネルとデバイスに対応するもの。顧客とのあらゆるチャネルでのエンゲージメントは、AIによって自動化され、それによりパーソナライゼーション、高度な分析、ビデオチャットや共同ブラウジング、モバイルサポートなどの利用が促進されていく。

 2022年までに、顧客サービス応対では、機械学習、チャットボット、モバイル・メッセージング・アプリなどの先進テクノロジーが活用されるようになり、割合は2018年の15%から70%にまで伸びると、ガートナーは予測している。

トレンド4:イベント駆動型アーキテクチャ

 イベント駆動型アーキテクチャ(EDA)はデジタル・ビジネスの中核となるもの。企業は、IoTデバイス、モバイル・アプリケーション、ソーシャル・ネットワークなどのイベント。たとえば、顧客が注文すると、「イベント」が発生するような仕組みだ。EDAベースのシステムでは、ソースによってデジタル・レコードが生成され、ネットワーク全体に通知されることで関連する担当者に認識・処理される。

 2022年までに、顧客エンゲージメント・ハブ・アーキテクチャに取り入れられるリアルタイムのイベント・ストリーミングやストリーミング・アナリティクスは10%超にとどまると、ガートナーは予測している。

トレンド5:モノのインターネット (IoT)

 IoTは、モノ、通信、アプリケーション、データ・アナリティクス、セキュリティ、モニタリングを含むエコシステムで構成される。2022年までに、230億のモノがインターネットにつながるようになると、ガートナーはみている。IoTデバイスはさらに高性能となり、家庭や医療施設を含むあらゆる場所でAI対応システムの能力を潜在的に提供するようになると期待されている。



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