パートナー検討のチェックリストと「裏評価軸」
STEP3.パートナーにとっての「具体的なメリット」を設計する
顧客や自社だけでなく、パートナー企業にとってのメリットまで視野に入れた設計が重要です。現在の業界動向やパートナー候補の状況を考慮しながら、顧客、自社、パートナーにとって有益な体制を構想しましょう。
これらのステップをまとめると、パートナー選定の判断軸(チェックリスト)は次のとおりになります。
▼パートナー企業を検討する判断軸(チェックリスト)
1.自社の顧客は誰か? (業界、企業名、役職)
2.その顧客に接触できる業種・企業・人は?
3.その中で、自社と組むことで具体的なメリットを得られる企業は?
4.パートナーとなった場合、どのような手法で顧客にアプローチできるか?(共催セミナー、営業同行など)
さらに、チェックリストにはない、もうひとつの「裏評価軸」があると私は考えています。それは価値観がスタンスが合うかどうか。過去には、売上予測などのスコアは良好でも、「この会社とはスタンスが合わない」と感じて提携を見送ったケースもあります。
お客様や仕事への向き合い方など、根本的な価値観が異なると、中長期的な関係を築くのは困難です。提携を見送る際は、相手に配慮しながら丁寧に進めるようにしましょう。
パートナーとの相性を見極める「2つのタイミング」
パートナー企業との相性を検証する際は、「提携前」と「提携後」の両方のタイミングで確認することが重要です。
1.提携前:通常の営業活動と捉える
提携前の商談は、通常の営業活動と同様に、まずパートナー候補企業の課題やニーズをていねいにヒアリングすることから始めましょう。そのうえで、プロダクト・サービスや体制の説明にとどまらず、提携することでパートナー企業にどのようなメリットがあるかを明確に提案します。
このプロセスを通じて、パートナー候補企業も「本当に提携すべきか」「どのような形で連携するのが最適か」を具体的に検討できます。もしこの時点でメリットが薄いと感じたのなら、提携には進まないほうが良いでしょう。
また、提携すればすぐに成果が出るとは限りません。自社としても、このパートナーにリソースを割き、本気で一緒に取り組む覚悟があるか、しっかり見極めてください。
2.提携後:定点観測で軌道修正する
提携後は、成果が出ているか定性・定量の両面から検証しましょう。
まずはキックオフミーティングを通して、パートナーシップにおけるお互いの目的やゴール、数値目標を合意してから活動を開始してください。そのうえで、定期的な会議体を設定し、進捗や成果を振り返る場をつくりましょう。
活動の中で改善点を議論し、軌道修正を加えながら、今後もパートナー関係を継続すべきかを双方で確認していくことで、より強固な関係を築くことができます。

自社に合ったパートナー企業を見つけるうえで重要なのは、単なる条件や業種の一致だけではありません。顧客との接点、仕事への価値観、そしてスタンスなど、より深い部分まで見極めることが、長期的な成功の鍵を握ります。
提携の前後でしっかりと仮説と実績を検証し、双方にとってメリットのある関係性を構築できるパートナーを選び、成果を最大化させていきましょう。