amptalkは、営業人材の即戦力化と育成の標準化を支援するAIロープレツール「amptalk coach(アンプトーク・コーチ)」を正式にリリースした。

営業組織における人手不足が加速する中、企業には採用するだけでなく、育てる力が問われている。しかし現場では、OJTの限界、教育リソースの慢性的不足、育成の属人化といった課題が深刻化しており、とくにロールプレイング研修の実施が難しくなっている。
このような背景を受け、amptalkはこれまで商談解析ツール「amptalk analysis」を通じてさまざまな営業組織の育成・成果向上を支援してきた実績を活かし、営業特化型のAIロープレツールamptalk coachを開発し、正式リリースに至った。
開発の背景
早期離職を防ぐ「営業×生成AI」による持続可能な人材育成モデルの構築
新年度を迎え、新卒社員が営業現場へと配属される一方で、中途採用者や第二新卒の受け入れも進み、現場の育成負荷が高まっている。
一方、育成の質と再現性を両立させることは難しく、「営業人材の即戦力化」はさまざまな企業に共通する経営課題となりつつある。とくに、日本の営業育成を取り巻く構造的な変化・課題には次のようなものがある。
- 2040年までに日本の労働人口は約1,100万人減少するとの推計があり(※1)、営業現場においても生産性向上が不可欠に
- 2025年春には約45万人以上(※2)の新卒社員が社会に出ているとされる一方で、配属先となる営業現場の教育力の差が成長に直結
- 従来の営業教育は、OJTや属人的なノウハウ共有に依存しており、再現性のある仕組み化が難しい状況が続いている
- 「成長実感や育成環境の整備」が早期離職の原因の第1位(※3)
このような課題に対して、生成AIの発展により「スケーラブルなトレーニング環境」が可能となりつつある。amptalkは、営業現場の“育成格差”や“時間の壁”を超える持続可能な育成モデルの構築に取り組み、amptalk coachの開発に取り組んだ。
※1 独立行政法人 労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2022」より
※2 リクルートワークス研究所「第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」より
※3 経済産業省「生成AI時代のDX 推進に必要な人材・スキルの考え方 2024」より
概要
amptalk coachは、実際の営業現場で活用されている資料・トークスクリプト・事例などをAIにインプットし、トレーニング相手として設定することが可能。営業担当者は、想定顧客のペルソナや商談シナリオに応じて、AIとリアルな対話形式で商談ロールプレイングを行うことができる。
営業現場で時間を割きづらいロープレを、マネージャーの代わりにAIが実施することで、新人・若手が自律的に繰り返し学べる環境を提供し、マネージャーの育成負担を軽減する。
特徴


レスポンススピード・質問の深さなど、人間に近い対話体験を提供
AIとの対話により、実際の顧客と会話しているようなトレーニングが可能になる。質問対応や提案の切り返しなど、現場で求められるトーク力を実践形式で磨くことができる。
想定顧客のペルソナや商談シナリオをもとに、企業独自のトレーニングコースを設計可能
想定顧客のペルソナや商談シナリオをAIにインプットし、自社に最適化されたコースを作成ができる。
アップロード資料×評価基準に基づき、AIが自動でロープレをスコアリング
あらかじめ設定した評価基準・項目に基づいて、AIがロープレの内容を自動評価。再現性のある定量的な育成指標が得られることで、育成の属人化を防ぐ。
ダッシュボードで個人別のトレーニング状況をデータで可視化・分析
個人・チームごとのトレーニング進捗や改善傾向をダッシュボードで把握可能。営業人材の成長過程を数値で追跡し、育成施策の見直しにも役立つ。
ベータ版導入企業のコメント
富士通 カスタマーグロース戦略室 マネージャー 吉原一博氏のコメント
当社のデジタルセールス組織は新規開拓を専門としており、デジタルを駆使しながら質の高い商談創出を目標に日々活動しています。活動の広がりに伴い人材採用を積極的に進めるなか、育成における早期立上げやスキル維持が重要なポイントになっています。
今回の「amptalk coach」ベータ版は、Enablementにおける生産性と質担保へのチャレンジとして導入しました。ベータ版を活用する中で、当社のインサイトを真摯に受け止め、サービス内容をブラッシュアップしていただいたことに深く感謝申し上げます。当社は今後もamptalk様と共に、インサイドセールス業界の発展と、営業DXの実現への貢献を目指します。
NTTビジネスソリューションズ スマートビジネス営業部スマートビジネス推進部門カスタマーリレーション担当部長 竹谷和也氏のコメント
我々の担当は中堅/中小企業のお客様向けのインサイドセールスを所掌しておりますが、『人手を介するOJTの限界』と『育成の属人化』に課題を感じており、AIツールの持つ可能性に着目して情報収集しておりました。
AIロープレツールは、「業務遂行に不足するスキルや経験を補完」してくれるものとして大いに期待をしています。
営業現場の皆さんにいかに使い続けてもらえるか、日々、試行錯誤を続けていますが、amptalk社の皆さんのお力添えもいただきながら、商談解析による現状把握~AIロープレを通じた補完トレーニングという育成モデルの定着化及び全センターへの本格展開に向けて取り組んでまいります。