“ギリギリ”の繰り返しが生む、疲弊と停滞感
「目標は達成している。でも、成長実感がない」
「ひたすら商談数を追い続けて、現場が疲弊している」
そんな声を、営業組織や事業部門で何度も耳にしてきました。年々高くなる目標。求められるのは前期比プラスの数字。
それに応えるために、アポを増やし、商談数をこなし、提案資料を作り続ける。まさに、“数をこなす仕事”に追われる日々。一定の成果が出ていたとしても、組織の成長感やワクワク感は薄れ、現場の疲弊感ばかりが強まっていく……。これは、決して珍しい話ではありません。
本当は、誰しもが「成長したい」「もっと大きな成果を出したい」と思っているはずです。それにもかかわらず、なぜ停滞してしまうのか。それは、追いかけている指標そのものに原因があるというケースが非常に多いです。
KPIはある でも「成果を生むKPI」になっていない
「またKPIの話か。もう聞き飽きたよ」。そう思った方も多いかもしれません。

たしかに、世の中にはKPIの話があふれています。しかし、「KPIを使いこなして成果を出し続けています!」という方は、かなり少数に限られるかと思います。
「商談数を毎日追っているのに、月末になると予想外の失注が増えて未達になる」
「リードは十分にあったはずなのに、受注単価が下振れして売上は未達になった」
多くの未達要因はこういうものが多いです。すなわち“ちゃんと”管理していたのに、成果が出ないというパターンです。
なぜ成果が出せないのでしょうか? それは「間違ったKPIを設定しているから」にほかなりません。“ちゃんと”管理しているKPIが、正しいKPIではないのです。
しかし、これまた世の中には「正しいKPIのつくり方」の話はあふれています。いつまでたっても正しいKPIのつくり方が定着しないのはなぜか? 私が着目したのは次の点です。