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インサイドセールス研究所

アポ取り連敗から脱却!断られ続ける"どん底脱出"の改善メソッド

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 インサイドセールスのあるあるのひとつに、アポ取りで断られ続けるという現象がある。アポ取り連敗となればモチベーションが下がってしまうこともあるだろう。そこで今回は、アポ取りを断られ続ける理由と失敗パターンの分析、連敗から脱却するための改善メソッドに加えて、マインドの立て直し方を取り上げる。

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インサイドセールスのアポ取りで断られ続ける理由とは?

 新しい形の営業として定着しつつあるインサイドセールスは、そもそも営業活動の一翼を担うポジションのため、断られることも多い仕事だ。では、どれくらい多いのかというと、インサイドセールスのアポ獲得率(アポ獲得率=アポ獲得数÷アプローチ数×100)で確認できる。アポ獲得率は、1%未満から10%くらいまでといわれている。

 つまり、100件のうち90~99件はお断りされることもあるわけだ。同じインサイドセールスでも、BDR(アウトバウンド/新規開拓型)かSDR(インバウンド/反響型)かといった役割の違いに加えて、顧客へのアプローチが電話かメールかという手段の違いによってもアポ獲得率は変わる。一般的にBDRよりSDRのほうがアポ獲得率は高いため、断られ続ける確率は低い。

失敗パターンの分析

 プロ野球選手の打率よりも低いインサイドセールスのアポ獲得率だが、それに甘んじていてはいけない。よくある失敗パターンを5つ挙げるので、自分に該当するものがないか確認してみよう。

ターゲットの選定ミス

 マーケティングが獲得した顧客リストや購入したリストなどに、そのままアプローチしてしまっていないだろうか。用意された顧客リストには、異なる属性はもちろんのこと、商品やサービス購入に対する興味関心の度合いや購入意欲など、状態の異なる顧客が混ざり合っているのが自然だ。

 つまり、無造作に顧客リストにアプローチするとお断りという結果になりやすい。同じ顧客リストの中でも属性や購買意欲などによるターゲットの選定が誤っていれば、アポ取りにつながる確率は下がる。そのような場合は、相手に迷惑がられておしまいという経験につながってしまいやすい。

アプローチのタイミングが良くない

 顧客へのアプローチのタイミングが問題だという可能性もある。業界や業種、担当業務など、相手によって繁忙期や忙しいタイミングはさまざまだ。メールの場合、相手が開封するタイミングを選べるが、とくに注意が必要なのは電話によるアプローチの場合。

 電話を受けるということは、相手の時間や労力を割くことになるため、忙しいタイミングでとくに急ぎではない電話がかかってくれば嫌われてしまう可能性が少なくない。電話を受けてもらえないことが何度か続くのは、タイミングの悪さが理由だということもある。

トークスクリプト・案内文の内容が適切ではない

 顧客とファーストコンタクトを持ったとして、その際の対応が適切ではなかったというのも、よくある失敗談だ。

 とくに電話の場合、業務に慣れていなかったり経験が少なかったりすると、相手の沈黙や間に耐え切れずこちらが説明し続けてしまいがちだ。用意していたトークスクリプトが相手のニーズに合っていない、会話が一問一答のようになってしまう、説明が長いというのも電話を受ける顧客側からすると、切り上げたくなる一因といえる。

 メールの場合には、受信トレイに多数の業務や案内メールが届いている中から開封してもらわなければならない。顧客が求める情報を抜け漏れなく本文に記載するとともに、ついクリックしたくなるようなタイトルの工夫が必要だ。

コミュニケーションが一方的

 アポ取りで断られ続ける場合、見直してほしいことのひとつに、コミュニケーションが一方的になってしまっていないかという点がある。電話の場合、通知された番号に登録や覚えがないという時点で「売り込みだ」と思われるのが普通だろう。

 顧客からすると、取った電話で売り込み感の強い営業トークやトークスクリプトまたはマニュアルの読み上げを聞かされているような場合には、聞き流しているかどうやって断るかを考えていることが珍しくない。一方的なコミュニケーションは、門前払いされてしまいやすい。

 メールの場合も同様で、文面が相手の属性や購買意欲に合わせた内容や表現になっていなければ、ゴミ箱直行や開封止まりで終わってしまいかねない。

断られた後のフォロー不足

 インサイドセールスでは、ファーストコンタクトで顧客と話がトントン拍子に進むことは、そう多くはない。電話の場合には、受付を突破できなかった、担当者名を教えてもらえなかった、「忙しい」「興味がない」「結構です」といったお決まりの断り文句をいわれたなどが、よくある断られ続けるパターンだろう。ここで心が折れてしまうと、その先につながりにくい。

 メールの場合は、顧客からの反応がさっぱりないということも決して珍しくはない。メールは電話よりも相手の反応がわかりにくいため、放っておくとあっという間に時間が経って、アプローチのタイミングを失ってしまいがちだ。

断られ続けるどん底から脱却する改善ポイント!

 アポ取りで断られ続けるというどん底から脱却するためには、いくつかのポイントを見直す必要がある。失敗パターンと照らし合わせて、改善ポイントを見ていこう。

ターゲットの分類と整理

 まず、自社の強みや特徴をしっかりと理解し、自社商品やサービスが提供できる価値を再確認しよう。そのうえで、顧客リストを見直すのが大切だ。マーケティングが獲得した顧客リストから、ターゲットの属性や購買意欲によって分類し直そう。「今すぐ客」「そのうち客」「お悩み客」「まだまだ客」という分類も役に立つ。

 また、顧客が解決したい課題を仮定しておくことも欠かせない。自社の強みや自社商品・サービスの購入に興味を持つということは、相手の課題解決に役立つ見込みがあるからだ。自社の強みと相手のニーズが一致するリストを作ることができれば、アポ取りの可能性は上がる。

相手が必要とする内容を適切なタイミングと手法で提供する

 自社商品やサービスを売り込むという意識から、顧客の課題解決に役立つ言動をするという意識へと切り替えよう。顧客とともに課題解決するという立場で接すると、相手は話を聞き入れやすくなる。

 それはつまり、相手が求めている内容を適切なタイミングで提供するということだ。今すぐ客にはクロージング、そのうち客には値引きやキャンペーンで割安に購入できるタイミングを設けるなど、対応は相手が必要とするものを適宜検討したい。

 なお、連絡方法も相手の好む方法にいつでも切り替えられるよう、電話やメール、チャットなど複数の連絡手段が用意され、履歴もわかるとアポにつながりやすいといえる。

トークスクリプト・案内文を見直す

 トークスクリプトやメールの案内文を見直すには、アポ取りに失敗した例を集計し、理由を分析するところから始めるとよいだろう。どのような理由やタイミングで断られたのかは、成功の確率を上げるための貴重なデータだと考えるとよい。それを踏まえて、シーンに応じたパターンを増やしていく。トークスクリプトの書き方については、こちらで詳述している。

 電話口でのトークについては、相づちを上手に使えるようになろう。相づちは「あなたのお話を聞いていますよ」というサインであり、話の内容に共感していることを伝える手段でもある。互いに表情や仕草などが見えない分、声でカバーするとよいということだ。

 メールの場合は、顧客が求める情報に自分でたどり着けるよう、関連情報へのリンクやほかの連絡手段があることを抜け漏れなく記載する。開封率やクリック率、CTAの種類や位置、クリック先のコンテンツなどの実績を確認して地道に改善していこう。

ロールプレイングや話し方の講習・研修に参加する

 電話を用いるインサイドセールスの場合、トークスクリプトが自分の口になじむまで繰り返し声に出して練習しよう。売り込み感の軽減につながるだけでなく、慣れている、経験を積んでいるという安心感につながりやすい。

 一度は自分のトークを客観的に聞いてみよう。スマホなどでかんたんに録音できる。電話先の顧客がどのように感じるかを知る手がかりになるだろう。上司や先輩に聞いてもらい、自分の改善点を指摘してもらったりお手本を見せてもらったりするのも、トークの上達に役立つ。

 ロールプレイングの機会や会社が用意する話し方研修などがあれば、ぜひ参加してスキルアップしよう。

再アプローチのタイミングを決めておく

 一度ならまだしもアポ取りを連続で断られると、ネガティブな気持ちを感じるのは自然なこと。そこで、再アプローチのタイミングを決めておくことをおすすめしたい。トークスクリプトの見直しのところで触れたように、アポ取りに失敗した理由別に分類してタイミングを決めておこう。

 なぜ断られたのかがわからない場合には、別の手段で再アプローチするタイミングを決めておいたり、ひとまとまりにして一定期間後に再アプローチしたりするなど、自分の中でルールを決めておくとよい。実は、電話を受けた人ではなく、上司が自社商品やサービスに興味を示すという可能性もある。メールの場合、共有アドレスなら複数人が見ているはずだ。

マインドの立て直し方

 インサイドセールスなら断られ続けることも仕事のうちだといわれても、顧客に迷惑がられたりあからさまな態度を取られたら気分は良くならない。最後に、そんなときのマインドの立て直し方をいくつか取り上げよう。

 そもそも人間は失敗に目が向きやすい。自責傾向の強い人は、なおさらだ。そこで毎日の小さな成功を見つけ出すことを習慣化しよう。「今日は何件アプローチできた」「アプローチに対して顧客から好反応が返ってきた」など、自分の努力の積み重ねを認識する。

 お断りはアポ取りの失敗データを新規取得したと考えるという方法もある。失敗データが1件追加され、学習できるデータが質量とも改善されたと解釈すれば、確実にアポ取りの確率や精度が上がっていると考えることが可能だ。そのようにして取得した失敗パターンに加えて、成功パターンをチームで共有できれば、励みになるし成長にもつながるだろう。

 もともとインサイドセールスは打率が低めの業務なので、お断りをすべて自分の責めに結びつけない冷静さが必要だ。自社商品やサービスが顧客に求められていなかったという可能性も十分にある。自分なりの気分転換を上手に取り入れることが不可欠だ。

 また、アポ獲得には、ここでは触れられなかったコツがあり、「アポ獲得のコツとは?アポ率UPの手段と役立つツール・サービスも紹介」で詳しく紹介している。今回取り上げた改善メソッドを実践し、アポ取りで断られ続けるというどん底から脱却しよう。

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