ALL DIFFERENTおよび「人と組織の未来創り」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所は、2024年10月12~15日、社会人1年目社員300人を対象に、上司とのコミュニケーションの実態についての意識調査、「社会人1年目社員の意識調査(上司とのコミュニケーション編)」を行った。
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社会人1年目社員と上司のコミュニケーション手段、「対面」が約8割
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社会人1年目社員に、職場で上司と主にどのような手段でコミュニケーションをとっているのか質問したところ、「対面」が78.9%でもっとも多かった。次いで、「オンライン会議」が19.8%、「チャット」が16.7%、「電話」が13.7%、「その他」が2.6%となり、上司とのコミュニケーションは、「対面」が多いことがわかった。
社会人1年目社員と上司とのコミュニケーション頻度、半数超が「1日1回以上」
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続いて、上司とどれくらいの頻度でコミュニケーションをとっているのか質問したところ、「1日に複数回」が40.7%でもっとも多かった。
「1日に1回程度」の15%と合わせて、毎日コミュニケーションをとっている人の割合は55.7%と半数以上だった。裏を返すと、44.3%が毎日はコミュニケーションをとっていないことがわかった。コミュニケーションを「とっていない」と回答した割合は24.3%だった。
「毎日、上司とコミュニケーションをとる」社会人1年目社員の約7割が「十分」だと感じる
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さらに、上司とのコミュニケーションが十分と感じているかどうかの回答割合を、上司とのコミュニケーション頻度ごとに分析した。
1日に複数回、上司とコミュニケーションをとっている社会人1年目社員の73%が、コミュニケーションの量を「十分」(そう思う/ややそう思う)と思っていることがわかった。また同じようにコミュニケーション量を「十分」と感じている割合は、1日1回程度の群が68.9%、1週間に2~3回程度の群が60%だった。
一方、1週間に1回程度の群では「十分」と感じる割合が18.8%で、1週間に2~3回程度の群と比較すると、3分の1以下に減少し、「不十分」(そう思わない/あまりそう思わない)と感じる割合が31.3%へと高まった。
さらにコミュニケーション頻度が低くなるにつれて、不十分と感じる割合が高まることもわかった。
フィードバックをもらう頻度、「1日1回以上」は4割超、「もらっていない」が約2割
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次に、コミュニケーションの中でも、フィードバック(問題点を指摘し、ともに改善策を考える双方向型コミュニケーション)に焦点をあてた結果を見る。
上司とコミュニケーションをとっていると回答した社会人1年目社員に対して、上司からどれくらいの頻度でフィードバックをもらっているか、質問した。
もっとも回答割合が高かったのは、「1日に複数回」と「もらっていない」で、ともに20.7%。さらに「1日1回程度」が19.8%、「1週間に2~3回程度」が19.4%と続いた。「1日に複数回」と「1日に1回程度」と合わせて、毎日1回以上フィードバックをもらっている割合は4割以上だった。
1日1回以上フィードバックを受ける社会人1年目社員、9割弱が「気づき・成長につながっている」
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続いて、上司からのフィードバックを社会人1年目社員がどのように受けとめているか、調査した。
上司からのフィードバックは気づき・成長につながっていると思うかという質問に対して、1日に複数回フィードバックを受けている社会人1年目社員の87.2%が「気づき・成長につながる」(そう思う/ややそう思う)と答えた。同じように回答した割合は、1日に1回程度の群が80%、1週間に2~3回程度の群が61.4%だった。
上司からフィードバックをもらう頻度が1ヵ月に1回未満の群では、「気づき・成長につながらない」(そう思わない/あまりそう思わない)と回答した割合が66.7%だった。
上司への相談頻度は、「していない」が25.1%でもっとも多い
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上司とコミュニケーションをとっていると回答した社会人1年目社員に対して、どれくらいの頻度で上司への相談を行っているか質問した。
結果、もっとも高かった割合は「相談していない」で25.1%だった。上司とコミュニケーションをとっている社会人1年目社員の中でも、約4人にひとりが相談していない実態が判明した。
次いで、「1日1回程度」が21.1%、「1週間に2~3回程度」が18.5%、「1日に複数回」が14.5%だった。
上司とコミュニケーションをとっていても、相談はできていない社会人1年目社員と、1日1回以上の頻度で相談できている社員とでばらつきが生じていた。
「1日に複数回相談している」社会人1年目の6割超が「何でも相談できている」
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続いて、上司への相談しやすさについて質問した。
結果、1日に複数回、相談できている社会人1年目社員の66.7%が「臆せず、何でも相談ができている」と回答した。「躊躇(ちゅうちょ)しながらも、相談できている」の18.2%と合わせると、相談できているとする回答は8割を超えた。
一方、相談の頻度が「2週間~1ヵ月に1回程度」と回答した社会人1年目社員は、「あまり相談ができていない」「躊躇し、相談ができていない」がともに27.3%で、合わせると半数以上が相談できていないと感じていることがわかった。
【調査概要】
- 調査対象者:社会人1年目の就労者
- 調査時期:2024年10月12~15日
- 調査方法:調査会社によるインターネット調査
- サンプル数:300人
属性(1)業種
- 農業、林業 19人(1.6%)
- 漁業 7人(0.6%)
- 鉱業、採石業、砂利採取業 9人(0.8%)
- 建設業 52人(4.3%)
- 製造業 171人(14.3%)
- 電気、ガス、熱供給、水道業 20人(1.7%)
- 情報通信業 80人(6.7%)
- 運輸業、郵便業 32人(2.7%)
- 卸売業、小売業 76人(6.3%)
- 金融業、保険業 53人(4.4%)
- 不動産業、物品賃貸業 23人(1.9%)
- 学術研究、専門、技術サービス業 27人(2.3%)
- 宿泊業、飲食サービス業 28人(2.3%)
- 生活関連サービス業、娯楽業 15人(1.3%)
- 教育、学習支援業 66人(5.5%)
- 医療、福祉 221人(18.4%)
- 複合サービス事業 23人(1.9%)
- サービス業、他に分類されないもの 91人(7.6%)
- 公務 47人(3.9%)
- その他 61人(5.1%)
- わからない 79人(6.6%)
(2)企業規模
- 1~50名 221人18.4%
- 51~100名 182人15.2%
- 101~300名 219人18.3%
- 301~1,000名 168人14%
- 100~5,000名 153人12.8%
- 5,001名以上 117人9.8%
- わからない 140人11.7%
※構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がある