予想以上に「参加者から」の声掛けが多数!
森野 私たちがブースに立ち寄ったとき、さわべさんがおひとりで座っていらっしゃるのを見て、どう声をかけたら良いのか少し迷いました(笑)。ブースの人入りはいかがでしたか。
さわべ 過去の会社でも展示会に出展したり参加したりした経験があり、素通りされることも多いだろうと予想していたので、あまり期待はしていなかったんですよね。
実際は、予想に反して多くの人に立ち止まっていただけました。森野さんもそうだったんですが、「ちょっとお話をうかがってもいいですか」と声をかけてもらうことが多かったのが印象的でしたね。
森野 みなさんは、どんな理由でブースに立ち寄られたのでしょうか?
さわべ 私の場合、ポスターには「営業組織の構築支援」、「泥臭いやり方で」といったメッセージを載せました。営業代行の会社と違う点を明確にしたかったんですよね。そのおかげか、「営業で困っています」といった悩みを抱える方が立ち寄ってくださったように感じています。
出展したエリアは小さなブースが集まったエリアで、各社の規模も小さいことから、ポスターがないと何をしている会社かわからない状況でしたから、ポスターをつくって本当に良かったと思いました。
森野 足を運んだ方々に共通する課題はあったのでしょうか?
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さわべ 正直なところ、明確な傾向はなく、組織のフェーズや規模によって課題はさまざまでした。たとえば、全国に300人の営業担当者がいるような大規模な会社の場合、課題も非常に高度で、「なるほど、そういう悩みもあるのか」と初めて知ることも。
一方で、5人程度の小規模な会社では「もっと案件が欲しい」といったシンプルな課題が中心でした。また、10~15人ほどの規模になると、案件はある程度入ってくるものの、若手メンバーの教育や仕組みづくりが整っていない、といった悩みが目立ちました。
森野 そんなに多様な方々が来られるとは予想されていなかったのではないでしょうか。数百人規模の営業組織を抱える企業と出会う機会は、なかなかないですよね。
さわべ こちらからドアをノックしても、なかなか届かないことが多いのかなと思います。外から見ると立派な仕組みや優れた商品・サービスを持っているように見えても、内部ではいろいろな組織課題があるという話をよく耳にします。想像はしていたんですが、出展して改めて、さまざまな悩みがあるんだなと感じましたね。
インバウンドのブースに? 「一線を越える」瞬間とは
森野 ブースに立ち寄ったときに「ここからがブースです」といった線があって、そこを越えてもらえるかどうかがポイント、というお話をされていましたよね。
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さわべ チラシをばらまいて認知を広げるよりも、ひとりでも良いご縁があればそれで十分というスタンスでしたから、立ち上がって声を張り上げて「どうですか?」と呼びかけるのは、むしろ逆効果かなと思っていて。
基本的には座ったままで、ブースの線を越えてきてくださった方にだけお話をするかたちがちょうど良いと感じました。結果的に、線を越える瞬間が自然なインバウンドのようになったかなと思います。
森野 線を越える前というのは、いわゆるショーウィンドウを見ているというか、見られている感じなんですね。
さわべ 基本的には素通りしていただいて構わない、むしろ素通りされるものだろう、というスタンスでいました。「これは何かな……」という感じで線の前に立ち止まり、ポスターを見て内容を理解し、納得したうえで「ちょっといいですか」と声をかけていただく。私がひとりでポツンと座っているだけだったので、「どうされました?」という感じで自然に会話が始まることが多かったですね。
森野 あのスタイルは気になりますよね。新しいやり方です。
さわべ 個人的にハマったやり方だったなとは思いました。
森野 私も完全にハメられました(笑)。成果も出たのでしょうか?
さわべ おかげさまで1件受注できました。そこまでは期待はしてなかったんですけれども。
森野 展示会に出展されると、通常は名刺をいただいて、その情報をもとに何かを送ったり、そこからさらに次のアクションにつながるシナリオを考えられると思いますが、そういったシナリオはつくられていたのでしょうか?
さわべ ご縁のあった方の中でも優先度を考えて、「すぐに話がしたい」という方には直接ご連絡します。一方で、急ぎではない方に対しては、不定期にメールを一斉送信して情報をお届けするなど、緩やかに接触を続けています。