多くの企業が「もったいない状況」に
HubSpot活用の壁に100はどう応える
──多くの企業を支援する中で、課題に感じていることはありますか。
HubSpotの真価はバイヤージャーニーに沿ったサービス提供環境を構築すること。その目的に合わせて使うべき機能があります。しかし多くの企業が、機能を活用し切れず「もったいない状況」に陥っているのです。
たとえばランディングページを制作するとしましょう。HubSpotはバナーやポップアップなどのCTA(Call To Action)を作成する機能があり、CRMのデータを活用してパーソナライズしたコンテンツを出し分けることもできます。こうしたHubSpotの機能とマーケティングに対する知見を有していないと、単に画像を置いてバナーやポップアップを作成してしまう。一見問題ないようでいて、HubSpotを十分に活かし切れないページが完成してしまうのです。
HubSpotの哲学と機能、そしてマーケティング/セールス/カスタマーサポートのビジネス領域、両方を熟知していないと、HubSpotを最大限に活用できません。重複してほかのツールも契約するなどもったいない状態に陥ってしまいます。パートナーから支援を受けている場合でも、このような壁に直面している企業は多いですね。
──それらの課題に対して、100はどのように応えているのでしょうか。
ひとつが当社の組織体制にあります。当社は制作・開発を担うプロダクション事業部と、導入支援やコンサルティングを担うオペレーション事業部の2事業部制を採用しています。これにより、開発から活用支援まで、特定の領域に特化せずバイヤージャーニー全体にわたる支援をワンストップで提供できるのです。
さらに当社は、これまで200社~300社ほど、私個人の実績も含めるとその1.5倍から2倍の企業の導入・活用支援を行ってきました。大学などの教育機関から不動産系の大手企業まで、BtoB、BtoCを問わず幅広い業界での実績に基づき、業界特性を踏まえた「HubSpot活用の近道」を提供できます。
たとえばBtoB企業のABM戦略では、拠点単位でのデータの取得や名寄せが鍵となります。一方、教育機関では「意思決定者:保護者、サービス提供者:子ども」といった親子の関係性や兄弟関係を踏まえてデータベースを設計することが重要となるでしょう。多種多様な業界知見は、多くの企業を支援してきたエリートパートナーならではの強みと言えますね。
加えて、顧客がHubSpotの利用を開始できるまでのスピードも重視しています。ウェブサイトのテンプレートや各業種に必要なプロパティを自動で設定するシステムを構築したことで、アウトプットを提供するまでのプロセスを大幅に効率化しました。
──幅広い企業を支援する中でも、大企業が横断的に全社導入するケースは少ないとうかがいました。
そもそも、そうしたユースケースはHubSpotの哲学とマッチしないのです。HubSpotは全体最適化やマネジメントのためではなく、現場での顧客体験を最適化して顧客エンゲージメントを高めるためのツールです。複数の部署がそれぞれの目的に合わせて使用してしまうと、管理コストが非常に高くなるでしょう。だからと言って使い方にルールを設けると、現場の担当者が本来やりたいことができなくなってしまうのです。
とはいえ、現場での活用を進めると必然的に顧客接点データが蓄積されますから、マネジメント層が顧客エンゲージメントを把握する際にも役立つのは間違いありません。最近では企業と顧客の接点最適化はHubSpotで行い、Salesforceなどの統合データベースに連携させて一元管理するケースが増えていますね。