取引先企業が硬直化しているなら、ABMへ挑戦を
ここで湯浅氏は、ABMに取り組むべき企業の特徴をたずねた。この問いに対して安部氏は「扱う商材の単価が高いなど大枠の条件はある」と断りつつ、数年前と比較して取引企業が変わらず、硬直化している企業にはABMを勧めたいと回答。企業として永続的に成長していくためにも、新規顧客の開拓や既存顧客の深掘りに課題があるならば、ABMに取り組むべきだと語った。
続けて「営業系システムを定着させるためのボトルネックと解決策とは何か」と湯浅氏。安部氏は、業務系システムと異なり必ず使わなければならないものではないため、「使うと効果が上がる」という印象形成は必要と答えた。さらに安部氏は、定着しない理由としてしばしば挙がる「使いにくい」「使い方がわからない」という声の裏側には「使いたくない」というネガティブな気持ちが隠れていることが多いと明かす。ネガティブな感情を払拭するためには使う理由や目的を丁寧に定め、今ある業務の中にルールとして適用することが重要だと強調した。
この点を曖昧にしたまま成功することはまずあり得ないものの、自社ですべて解決するのはなかなか難しいという。セラクCCCがもつSFAやABMのベストプラクティスを提供することで、ABMの実践に悩む企業を支援できるのではないかと今後の展望を語った。
最後は、安部氏からABMの推進担当者へのメッセージでセッションが締めくくられた。
「ABMという概念は日本ではいまだ十分に浸透していないと感じています。営業戦略からシステムを使った改革まで取り組んでいる企業でも、保持するデータはまだまだ少ないのではないでしょうか。しかし外部のプロフェッショナルとパートナーシップを結ぶことで、成果を出せる可能性は十分あります。ぜひ抱え込みすぎずに相談してみてください」(安部氏)