Xactlyの採用理由 担当の見込みとのギャップも明らかに
先述の課題に対処する第一歩が、売上達成までの道筋を可視化することだった。同カンパニーでは案件管理にSalesforceを使っているが、それだけで案件の変化やメンバーごとの実績を管理するのは、仕組み上難しかったという。中には30件もの進行案件を持つメンバーもおり、適切な優先順位づけや、とるべきアクションの判断に苦心していた。
Xactly Forecastingの採用に至ったのは、まさにこれらの課題を一度に解決できるためだ。フォーカスするべき案件がひと目でわかり、いつの間にか「失注している」「受注予定日が後ろ倒しになっている」「金額が変わっている」という変化も漏れなく掴み、パイプライン全体を俯瞰しながら常に進捗を的確に把握できるのがXactlyのメリットである。
また、Xactlyが会計システムと連携してデータ突合できる点も評価された。同カンパニーでは、サブスクリプション型で継続的に発生する収益も多く、それらのデータは会計システムで管理していたため、全体の予実管理のためには、Salesforce上の案件データと会計システムのデータを突き合わせる必要があった。その点をXactlyというインターフェースで一元的に管理できるようになった。
そして、使いやすさも決め手のひとつだった。「Salesforceとシームレスに連携するので、情報を二重に入力する必要がなく、従来の運用から大きく変わらないことが良かった」と津村氏。Salesforceの定着に苦労した経験があったため、なるべく現場の手間を減らす方向で考えていたという。
とはいえ、導入にあたっては事前の準備が重要だ。そこで同カンパニーではまず、案件の各ステージにおいてもとるべきアクションガイドラインを整理した。一般的な指標としてのBANT情報やMEDDIC情報をベースに、パイオニアの商材に必要な要素を加えて作成。その指標をXactlyに落とし込み、それらを実行しないとXactlyのスコアリングも上がらない仕組みになっている。
松山氏は「『これで受注できる』と営業が見込んでいても、実際にはスコアリングとギャップがある、というケースも明らかになる」と説明する。