「営業のデジタル化」の先にある「営業DX」とは
ここまで顧客管理と営業プロセスの観点から「営業のデジタル化」について解説してきたが、続いて桐原氏は「営業DX」について同社の考えを語った。
桐原氏は、「営業活動のデジタル化が進んでいくその先に、営業DXがある、つまりデジタル技術を用いてビジネスを変革していくことができる」という。従来のビジネスプロセスは、「プロダクト」をつくる、「マーケティング」が広告・宣伝をする、「セールス」が売るといった流れが主流だった。一方で、営業DXが実現している世界においては、セールスは最後にくるのではなく最初にくるかもしれないと語る。
「たとえば、プロダクトをつくる前にセールスが商品紹介資料を作成して提案し、それをWebページに載せてその反応からプロダクトをつくるという未来がくると考えています。デジタル化によって得た顧客・商談・行動の情報をもとに、プロダクトやマーケティングをダイナミックに動かしていく役割を担う職種が営業であり、これが実現できて初めて営業DXが実現すると考えています」(桐原氏)
今すぐ営業部門がすべきふたつの取り組み
営業のデジタル化を実現するために営業部門としてすべきことは、大きくふたつあるとされた。具体的には、デジタルツールの導入と、スタッフ部門の強化である。
「ひとつめのデジタルツールの導入は、スピード感が重要です。戦略立案、業務設計、各ツールの評価をしているうちに数年経ってしまうこともあり、これではせっかく導入しても、導入タイミングでの現状が当初の課題にマッチしていないことが起こり得ます。したがって、デジタルツールの導入・検討をトリガーとした戦略立案や業務設計を進める必要があります」(桐原氏)
「ふたつめはスタッフ部門の強化です。営業部門は、“フロントの営業担当者”の人数によって業績が決まることも多いですが、裏で動くスタッフ部門の強化なくして戦略性の改善は望めません。効率的かつ戦略的に動いている企業は、営業部門の中にスタッフ部門を設けているケースが多いです」(桐原氏)
昨今、営業部門を分業化するThe Model型を採用する企業が増えている。桐原氏はこれに反対はしないものの、スタッフ部門として、オペレーション担当かつ、データ分析、業務設計、コンテンツ作成などができる担当者が重要だと強調した。
最後に桐原氏は、同社が提供するセールス・イネーブルメントクラウド「ナレッジワーク」を動画で紹介。ツールの導入だけでなく、運用にのせることも同社の強みだと話し、ある大手企業では、ツールの導入によりひとりあたりの商談準備時間が1時間削減したという効果も出ているという。また、先ほど説明したような個別のWebページを作成できる機能も実装しているそうだ。
「現状を打破するためには、こうした新しい要素をいかに取り入れていけるかが重要になってくると思います。変革をつくりたいと考えている方は、ぜひご検討ください」(桐原氏)