テレアポ営業のロープレとは
テレアポ営業のロープレとはどのようなもので、何のために行うのか、押さえておきたいポイントを解説します。
ロープレの定義
ロープレとはロールプレイング、つまり「ロール(role:役割)プレイ(play:演じる)」の略語で、実際の場面を想定して役割を演じる、いわば疑似体験を通じてスキルを習得する手法です。実際に起きることを想定したうえでの対処方法や、商品やサービスに関する知識が十分か、正しい日本語が使えるかどうかなどを確認するために、社内で行います。
テレアポ営業においては、一般的に教育担当者が顧客役となり、オペレーターのトークや対応内容を確認しながら実施し、終了後にフィードバックを行うのが一般的です。
ロープレを行う目的
テレアポでロープレを行う目的は、立場の観点から大きくふたつに分けられます。
オペレーター |
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教育担当者(SV・ASV) |
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実際にトークをするオペレーターと指導者によって目的は異なりますが、テレアポ営業におけるロープレの最終目標は営業成果を上げることです。 アポイントの取得、アンケートへの回答、キーマンの選定など、営業戦略上で掲げた目標を達成につなげることがロープレの大きな目的になります。
テレアポ営業のロープレの種類
テレアポ営業のロープレには、目的に応じて主に3つの種類があります。
1.新人育成
新人のオペレーターを戦力にするために行う新人育成のロープレです。SVなどの教育担当者は、新人の特徴を把握し、適切な指導を行う必要があります。実際にスクリプトを使ってロープレを行うことで、教育担当者が指導方針や最適な担当案件などを見極めることができます。またモデルとなるオペレーターのロープレを新人に聞いてもらうことで、トークのイメージを掴んでもらうことも目的のひとつです。
2.問題解決
オペレーターのトークにおける問題を解決するためにロープレを行うことがあります。
- スクリプトを逸脱したトークが多い
- スクリプト通りに話しても成果が上がらない
- 相手に途中で切電されてしまう
- 実際に受けたクレームの対処
など、教育担当者は個々のオペレーターが抱える問題を解決する必要があるからです。ロープレを行うだけではなく、実際のトークを録音しチェックしたうえでスクリプトを改良・修正することもあります。
3.新規案件
新規の案件のテレアポを行う場合、トークスクリプトの共有とロープレは必ず実施します。
- 新しい案件の内容を理解しているか
- トークスクリプトに修正点はないか
などのチェックが必要だからです。新規案件は馴染みのないケースが多いため、質疑応答とロープレを並行して行う必要があります。想定されるケースの周知や知識の確認を行うためにも、ロープレは必ず行いましょう。
テレアポ営業のロープレにはどんなメリットがある?
テレアポ営業において、ロープレにはどんなメリットがあるのでしょうか?オペレーターと教育担当者、双方の立場からメリットを解説します。
オペレーターのメリット
ロープレを行うことでオペレーターが得られるメリットは以下の3点です。
「話すこと」に抵抗がなくなる
テレアポの経験が浅い人にとって、トークスクリプトに則って話すことは非常にハードルが高いものです。知見のない分野のテレアポの場合はとくに不安が大きいので、「自分にできるのだろうか」という不安な気持ちが声に出てしまいます。何度もスクリプトを読み込み、ロープレを行うことで「話すこと」に慣れ、徐々に抵抗がなくなってくるでしょう。
実践を想定したトークができる
ロープレで実践に則したトークができることは、オペレーターにとって大きなメリットです。「もしこんな状況だったらどうする?」というパターンをいくつもロープレでこなすことで、テレアポ中のトラブルを未然に防ぐことができます。
事前準備ができる
ロープレにはトークスクリプト中にある専門用語や商品・サービスの内容など、わからないことを事前に解決できるというメリットがあります。オペレーターのテレアポに対するさまざまな不安を払拭するために、ロープレは欠かせないステップです。
教育担当者のメリット
ロープレは教育担当者にとってもメリットがたくさんありますが、主なメリットを3つご紹介しましょう。
個々の問題解決ができる
ロープレを行うことで、個々のオペレーターの問題を把握できるのは、大きなメリットになります。
- 話し方のクセ
- 知識のレベル
- 日本語の使い方
などは、ロープレを複数回行うことで見えてくることが多いもの。実際のトークの修正にもロープレは非常に効果的な手法です。
トラブルを未然に防げる
ロープレでオペレーターと対話することで、知識不足や対応のまずさによるトラブルを未然に防ぐことができます。とくに新規案件や新人の育成の場合は、しっかりとロープレを行い、トラブルに発展しないように対策をとっておくことが必要です。また案件に関する情報共有を行える意味でも、ロープレを行うメリットがあります。
トークスクリプトの欠点が見える
言い回ししにくい、話し言葉として成立していないなど、ロープレを行うことでトークスクリプトの欠点が見えることがあります。トークスクリプトはどのレベルのオペレーターであっても、同じように営業トークができることが大前提です。ロープレで見つかった欠点を修正できることは、メリットのひとつと言えるでしょう。
テレアポ営業のロープレを最大限に活かす5つのコツ
テレアポ営業において、ロープレの効果を最大限に活かすコツを5つご紹介します。
1.録音する
ロープレは必ず録音しましょう。オペレーターはロープレを行うのに必死なので、あとから指摘だけをしても実感がわきません。録音したトークを一緒に聞きながらフィードバックを行うのが効果的です。
2.目的を明確にする
何のためにロープレを行うのか、目的は明確にしましょう。目的によっては個々でロープレを実施したり、全体を集めて周知しなければいけなかったりと方法も異なるからです。効率を考えて、あらかじめ時間も設定するようにしましょう。
3.モデルケースの提示
トップオペレーターや教育係の実際のトークなど、モデルケースを提示することも大切です。参考になるだけではなく、成果につながったトークを実際に聞くことで、オペレーターのモチベーションが上がる効果もあります。
4.丁寧なフィードバックを行う
フィードバックは丁寧に行いましょう。何が良かったのか、どこを直すべきなのかを理解できるように具体的に説明します。また問題点の羅列はモチベーションの低下につながるので、減点式ではなく加点式でフィードバックを行うことがポイントです。
5.複数回実施する
ロープレは回数を重ねることで、効果が上がってきます。ロープレ⇒実際のコール⇒フィードバック⇒ロープレ⇒実際のコールというサイクルで、新人教育や問題の発生に対し、できるだけ早めに対処しましょう。
テレアポ営業成功の秘訣はロープレにあり!
テレアポ営業にはさまざまな目的があり、トークの方法もそれぞれ異なります。しかしどのような場面においても事前のロープレは不可欠で、オペレーター・教育担当者双方にメリットのあるものです。効果的なロープレのコツを掴み、実践することがテレアポ成功の近道だといえるでしょう。