すぐにマネできる!トップセールスの営業ノウハウ11選
トップセールスを頂点とする営業部隊は、企業の利益を支える重要な役割を果たす。営業は単なる販売ではなく、顧客の声を自社商品やサービスに反映、商品改善や開発に活かし、さらなる事業展開の基盤を構築する仕事だと、まずは心得よう。
自社商品やサービスに詳しい
トップセールスは、自社商品やサービスに詳しい。自分が販売するものの特徴を熟知していなければ、メリットやデメリットを説明するのは難しいだろう。相手によって、説明の仕方も変わってくる。
また、わからないことをすぐに聞ける人が社内外にいるかも重要だ。自社サイトや商品・サービスカタログにある情報は、顧客でも簡単に調べがつく。情報に厚みを持たせるためには、製造やサービス提供の現場に出向くことが欠かせない。それに加えて、上司や先輩、同僚、後輩など、困ったときに頼れる人的ネットワークを築いている。
見込み客を分類している
営業相手にどれくらいの見込みがあるのかを分類し、見込み度別に営業方法を変えているのも、効率良く成果を上げるためのコツだ。マーケティングでは一般的に、顧客を以下の5つに分類する。
5種類の顧客:優良顧客、既存顧客、新規顧客、見込み客(自社を知っている)、潜在顧客(自社を知らない)
優良顧客と既存、新規顧客はすでに取り引きがあるため、見込み客と潜在顧客とを見込み度別に以下のように4つに分類する。
4つの見込み客:いますぐ客、おなやみ客、そのうち客、まだまだ客
右へ行くほど購入意欲は低い。最初にアプローチすべきは「いますぐ客」で、参考程度に情報を集めている「まだまだ客」に熱心に営業しても成果につながりにくい。種まきは必要かもしれないが、費やす時間や労力の上限をあらかじめ決めていることが多い。
客観的に伝える工夫をしている
営業トークや営業に使う資料が自社アピール一辺倒では、相手はすぐさま聞く気を失ってしまう。トップセールスは、自社商品やサービスを客観的に伝える工夫として、専門家や開発者などのお墨付き(権威性)や、競合他社との比較、お客様の声などを上手に盛り込んでいる。
顧客視点に立っている
ひとつ前の「客観的に伝える工夫」と関連するが、顧客の視点に立って話すことは不可欠だ。冒頭でも述べたが、営業は単なる販売職ではない。顧客の課題解決のための提案職といっていいだろう。自社の利益を守ることを忘れてはならないが、顧客にとってマイナスとなる情報もきちんと知らせることや、自分が売りたい商品ではなく顧客が望む商品を紹介することなどが必要となることも理解している。
よくある質問に備えている
商談相手がしてきそうな質問を想定し、その回答を準備しておくことも、トップセールスのノウハウのひとつだ。これまでの商談で出された質問や疑問などを記録し、どのような点に顧客の興味関心があるのかをまとめておく。次の商談の際、その経験や情報を活かして商談に臨むことを地道に繰り返しているのだ。
返答や返信がスピーディー
トップセールスは、返答や返信がスピーディーだ。遅くとも24時間以内を目安としよう。それ以上になると、相手は遅いと感じるといわれている。仮に時間がかかりそうな場合には、「時間がかかるかもしれない。いつまでに返答する」という連絡を入れる。それを積み重ねることで、相手に「仕事が早い」「信頼できる」という印象を与える。長く待たされると、人はつい余計なことを考えてしまいがちなので、それを避けるよう努めているのだ。
聞き上手
営業トークがよどみなく出てくるイメージがトップセールスにはあるかもしれない。しかし、それは違う。営業上手は、しゃべり上手ではなく聞き上手だ。営業は、顧客の課題解決のための提案職なので、まずは顧客の悩みや課題が何なのかを聞き出さなければならない。具体的には、アイスブレイクや雑談を上手に利用して、相手が話しやすいように工夫している。また、自分の表情や目線、相槌、声のトーン、仕草にまで気を配っている人もいる。
身だしなみを整えている
身だしなみは、トップセールスである以前にビジネスパーソンとしての常識だ。清潔感のある身だしなみは基本中の基本。トップセールスをよく観察すると、隙がないことに気づくだろう。トップセールスともなれば高級品を身に着けていることもあるかもしれないが、たいていの場合、自分によく似合うものを選んでいる。自分がどう見えるか、どう見せるかにも注意を払っている。
考えすぎずに行動する
考えすぎずに行動するのもトップセールスに備わっている資質のひとつだ。考えても答えの出ないことに関しては、無駄に悩まずに仮説を立てて行動する。なぜなら、悩んでいる時間がもったいないからだ。行動した結果、失敗してしまったら、聞き苦しい言い訳をせずに素直に間違いを認めて修正する。失敗は恥ではなく、ひとつの失敗事例として理解し、自分の経験データベースに格納して次に活かす。
成約後のアフターフォローまで考えている
本記事で何度か触れているが、営業は単なる販売職ではなく、顧客の課題解決のための提案職であり、顧客の意見を吸い上げるという重要な役割を負っている。顧客視点で考えると、商品やサービスの購入が相手企業との関係の始まりとなる。
つまり、営業の仕事は販売したら終わりではないということだ。顧客は、実際に購入して使用し、その使い勝手についても感想や意見があるはずなので、購入後のアフターフォローとして定期的にヒアリングすることを欠かさない。顧客の意見の中にニーズが隠されていると理解しているため、自社商品やサービスの改善、ひいては新商品やサービス開発のために調査しているのだ。
自分自身の管理ができている
自分自身の管理ができているのも、トップセールスの特徴といえる。自己管理といってしまえばそれまでかもしれないが、自己管理の中にもスケジュールやタスク、メンタルを含む体調管理などがある。
スケジュール管理では、カレンダーアプリやスケジューラー、手帳など、自分が使いやすいものを選んで抜け漏れがないようにしている。会社に導入されているのがクラウド型のソフトであれば、自宅や外出先からでも必要に応じてスケジュールの確認をする。
タスク管理も同様で、会社のソフトや無料のアプリ、あるいはメモなどを使い、うっかりミスが出ないように優先順位や作業量を管理。資料作成やビジネスメール、チャットなどでは、テンプレートを用意して作業を効率化している。この仕事ならこれくらいの時間でできるという作業感覚を持っている人が多いのも特徴といえるだろう。
仕事のストレスをどのように解消、軽減させるかも自分なりの方法がある。
ここまで見てくると、トップセールスはまるで完璧な人のように思える。しかし、完璧な人などいないし、誰しも得意・不得意があるのが自然だ。気分や体調の変化もあるだろう。それを否定せず、周囲と比較しすぎず、自分にできることを着実に積み重ねていくのが、トップセールスに近づく方法だといえる。
身近にロールモデルがいればその人を、もしいなければ過去の人物やメディアから見つけるのもいいだろう。トップセールスをマネするときのポイントは再現性だ。1回できたらもう1回と実践を続け、再現性を高めていこう。