マネージャーよ「ファシリテーションスキル」を磨け
コンサルタントという職業柄、さまざまなビジネス課題のご相談を受けるのですが、「管理職はどのようにして営業組織をマネジメントすれば良いのか」というお悩みは頻繁に耳にします。中でも、近頃は次のような相談を受ける機会が増えました。
「1年間で2回しかメンバーと対面で会えていない」
「雑談機会が激減し、信頼関係が構築できていない気がする」
「打ち合わせは画面オフで行われるため、まったく感情が読み取れない」
テレワークが普及したことで、メンバーや会社とのエンゲージメントを高める役割もマネージャーに求められるようになりました。また、管理職の責務も単なる「管理監督」から、メンバーの本音を引き出し、モチベートしながら個性を引き出す「新たなマネジメントスタイル」への転換が求められています。ただでさえ大変な役回りが、どんどん複雑化してきているのです。
こうしたマネージャーに求められる役割と責任が増え続けている昨今、私がおすすめしているのが「ファシリテーションスキル」の習得です。
ファシリテーションスキルとは「会議や打ち合わせなどを円滑に進める技法」を指します。とはいえ、ただ円滑に「回す」だけの役割ではありません。メンバー全員がひとつの目標に向かって主体的に取り組むことができるように、参加メンバーそれぞれの意見を引き出し、会議での決定事項に対する納得感を生み出す役回りと定義しています。
ファシリテーションスキルは、基本的に4つのステップで構成されています。
ステップ1:場をデザインする…会議の目的を共有し、同じ方向を向く
ステップ2:関係構築をする…傾聴・質問し、参加者全員が意見を言いやすい環境をつくる
ステップ3:構造化し整理する…挙げられた意見を整理し、わかりやすくまとめる
ステップ4:合意形成する…全員が納得して進めるように合意形成をする