なぜビジネスパーソンは営業資料づくりにこだわるべきなのか
営業資料が使われる場面は大きく3つある。ひとつめは、顧客に送付する場面だ。ウェブサイトからの資料請求対応はもちろんのこと、テレアポ中の「とりあえず資料をください」に対して、営業資料を送付するケースも非常に多い。見込み顧客の大半は、資料を確認してから商談を行うか否かを決定する傾向があり、わかりづらい資料では、商談獲得数増加につながらないと言っても過言ではない。
ふたつめは、実際の商談の場面である。商談は、営業担当のトークだけではなく、営業資料の中の図や説明書きなどによる視覚的な情報によって成立している。優秀な営業パーソンは、営業資料がイマイチであっても、自らほかの手段を模索し、商談の質を高められるかもしれないが、そうしたノウハウを持ち合わせていない営業パーソンも多いだろう。
3つめは、顧客が実際に検討し、社内稟議を上げる場面だ。商材によりけりだが、1回の商談だけで成約が決まるケースはまれで、多くの顧客は商談後に営業資料を読んで、自社への導入メリットや費用対効果などを考える。また、顧客が彼らの上司に上申する際にも、営業資料を活用するケースは少なくない。
3つのうち、ふたつのシーンで顧客は営業担当者の説明なしに資料を読むことになる。加えて、現在は新型コロナウイルスの影響で「オンライン営業」が急速に広まっている。オンライン営業ツールの画面共有機能では、共有した資料が画面の大部分を占める仕様が多く、顧客の視線は資料に集中しやすい。読みにくいわかりにくい、資料であればあるほど、顧客は「読むこと」に集中してしまい、営業担当の説明を聞くことが二の次になってしまう。
これらのことから、営業担当者が「わかりやすい営業資料づくり」にこだわる重要性がわかっていただけるのではないだろうか。