SFA定着のためのマネージャー心得3か条/ツールは自分を楽にする
――Salesforceを導入したは良いものの、なかなか現場に定着せず頭を悩ませるマネージャーも多いと聞きます。数々の営業組織のSalesforce活用を支援してこられた里見さんから、マネージャー層へのアドバイスをいただけますか。
組織には変化についていける人もいれば、ついていけない人もいます。今までExcelで管理していた組織に突然Salesforceが導入されれば、混乱する人がいて当然です。加えて今回のコロナ禍による全面的なリモートシフトで現場には大きなストレスがかかり、人によっては手が動かなくなってしまうこともあるでしょう。
Salesforceは非常に素晴らしいサービスですし、正しく使えば高い効果を発揮しますが、中身となる情報がなければ何の意味も成しません。マネージャー層の方には情報を入力する側の混乱に目を向け、彼らが少しでも楽に作業できる環境を用意していただきたいです。
見え方も使い方もExcelと似ているRaySheetは慣れ親しんだ入力方法をそのまま適用できるため、入力に対する心理的なハードルがぐっと低くなるようです。RaySheetを最初から全員分購入いただく必要はありません。Salesforceの入力画面に慣れていない方のために導入いただき、使い勝手の良さが社内に広まって追加ライセンスを購入いただくケースも多いです。
もう1点マネージャー層の方にお願いしたいのは、入力項目の取捨選択です。Salesforce導入時はどうしても張り切ってしまい、あれもこれもと情報を管理したくなるあまり、とんでもない数の項目を詰め込んでしまいがちです。中には100以上の項目を設定しているチームもあり、よく見ると商談情報にマーケティングや製造など他部署に関連する項目が紐づけられていました。営業現場は当然拒否反応を示します。ポイントは、必要な項目だけに絞って入力画面をつくることと、営業、製造、マーケティングなど部門別に入力項目を設定し、マネージャーがすべての数字を一覧でチェックできる環境をつくることです。RaySheetを使えばこの2点をクリアすることができます。
最後に、マネージャーから現場へのレスポンスの重要性についてもお伝えしたいです。自分が苦労して入力した情報をマネージャーがどう活用しているのかがわからなければ、現場の担当者は不安を感じますし、入力作業のモチベーションも下がってしまいます。Salesforceは営業情報を介したコミュニケーションツールだと私は思っていますし、現場から一方通行のアクションではコミュニケーションと呼べませんよね。現場から情報が提供されたら、マネージャーには必ずレスポンスを返して相互にやりとりしていただきたいです。
――コロナ禍による商談のオンライン化でSalesforceのようなSFAツールの存在感が高まる一方、相談できる同僚がそばにおらず、不慣れな環境で孤独に業務をこなす担当者もいると思います。最後はそんな方々に向けたメッセージをいただけますか。
今後、Salesforceのようなツールが増えることはあってもなくなることはないと思います。コロナ禍を経て情報共有はますます省略不可能なパートになりつつありますが、堅苦しく考えるのではなく、まずは「自分が楽をするため」という気持ちで情報を前のめりに入力してみてください。その前倒しが商談をスムーズに進行させ、結果的に組織の資産として溜まっていくはずです。
――営業現場がRaySheetを活用することでより働きやすくなり、顧客に価値を提供するための活動に集中できるのではないかと思います。本日はありがとうございました!