ダメ営業は「違和感」から逃げてしまう
トップ営業マンはお客様の本音を見抜く天才である。うわべの言葉ではなく、表情やちょっとした声の違いなどから、お客様の本当のニーズを読みとることができる。だからこそ、ほかとは違う提案ができるし、競合にも強い。そう聞いてあなたはどう思うだろうか?
「まあ、そうかもしれないけど、かんたんなスキルじゃない」と思うかもしれない。
誰だって、お客様の本音を見抜ければ苦労はない。ズバッと的を射た提案をして契約をとる。これは一部の天才的な営業マンだけできることに見え、自分には縁遠いことだと感じる営業も多いだろう。
しかし、諦めないで欲しい。「本心をズバリ見抜く!」とまではいかないとしても、お客様をよく観察していれば、違和感を感じとることは可能だ。これが第一歩になる。そしてこの一歩が非常に大きいものなのだ。
営業のプロフェッショナルになるためのファーストステップとしてやってほしいこと、それは「現実を直視すること」。現実を直視しなければ改善も進化もない。まずはここから始めてほしい。
ダメ営業マン時代のこと。ハウスメーカーの営業をしていた私は現実から目を背ける癖があった。
たとえばだが、商談時に目の前のお客様がネガティブな反応をしたとする。そんなときは「前回は当社の商品を気に入っていると言っていたんだ。今日はたまたま機嫌が悪いだけだろう」と思い込むようにした。
「たまたま機嫌が悪い」と判断すれば、対策を打たずに商談を進めてしまう。結局はお客様にお断りされるか、他社に奪われてしまうのだ。
商談以外でもそうだった。「今月は契約の見込みがない」とわかっていても、それを直視しようとしない。なんとなく日々を過ごしてしまう。結局、月末になって追い込まれてから「あと2日しかないどうしよう」と途方に暮れたものだ。
私は7年間、ダメ営業マン生活を過ごしたのち、やり方を変えてトップ営業マンになった。