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営業手帳をデジタル化したら、CRM入力率が約99%に伸びたワケ

 営業組織におけるテクノロジー活用が進むなか、その要となっているのはインサイドセールスやマーケティングチームであるという組織も少なくないだろう。もっともテクノロジーを活用して仕事を効率化してほしいフィールドセールスチームは訪問で出先にいることも多く、結局「システムへ入力しない」という課題から抜け切れていないこともまだまだ多い。本連載では、約1,000名のフィールドセールスにテクノロジー活用を浸透させるべく、営業課題に真剣に向き合ってきたディップ・亀田さんの取り組みが共有される。

フィールドセールスの重要性

 はじめまして。アルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」を運営するディップ株式会社の「dip Robotics」という組織で室長をしている亀田です。私たちの組織は社内のあらゆる業務改善に取り組んでおり、RPAやDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入も担当しています。本連載では、フィールドセールスの業務改善に取り組んだ際の成功・失敗事例をもとに改善テクニックを紹介していきます。

 「バイトル」は掲載枠を販売することで収益を上げるビジネスモデルで、営業による求人広告掲載枠の販売が売上の肝になってきます。お客様の規模によって営業部隊が異なりますが、今回紹介したいのは、中小規模の飲食・小売店などを対象とする約1,000名規模の営業組織におけるCRM活用の事例です。

 この組織の顧客となる店舗では、採用業務の責任も本社ではなく、店長が担っているケースが多いです。飲食店の営業とともに採用活動も行うので、店長は非常に多忙です。メールを見るのは仕込みの合間、夜の営業後となることも多いので、最近流行りのインサイドセールスでは店長にメールを見てもらえない、電話をしてもレスのタイミングが合わず会えないケースも出てきます。そこで、我々はフィールドセールスに重きを置いて、大規模な営業組織でコールと訪問による開拓営業を行っています。

CRMはなぜ利用されない?

 フィールドセールスに必要な営業ツールとして考えられるもののひとつがCRMではないでしょうか?10年以上前から、我々の営業組織でもCRMの導入・定着には苦戦しており、既存製品を導入したり、フルスクラッチで開発したりと試行錯誤してきました。

 昨年、新たにdip Roboticsという業務改革組織を立ち上げたことをきっかけに、営業現場でCRMに関するインタビューを行ってみると以下のような声が出てきました。

  • PCサイトしかないので、カフェを探して入力しなければならない
  • 自分の顧客リストがCRMに存在しないので、毎回顧客を探すことになる
  • 商談入力の項目が多く入力が面倒
  • 商談を入力するメリットがない、メモは自分の手帳とExcelで十分

 CRMを導入している営業現場だと良く聞く内容ではないでしょうか?営業が困っている課題と解決ツールが噛み合っていないので不満が溜まっている状態だったのです。

ツール導入じゃなく業務解決を先に考えた

 ディップではこれまでに何度もCRMツールを導入してきましたが、どんなに高性能な機能を搭載したCRMを導入しても現場の営業に利便性を感じさせなければ、利用されず意味がないことがわかりました。失敗事例をもとに、試行錯誤して見つけたCRM導入の価値検証テクニックを紹介していきます。失敗してきた施策は以下のとおり。

  • トップダウンでCRMを普及させようとした
  • コール、訪問などの行動量KPIをとることに注力した
  • 現場の声は部長と課長からヒアリングして、直接営業から聞いていない

 現場の声以外の部分で施策を進めると、またツールを入れるのか……と反発を生むことになります。そこでまずは、現場の業務課題を解決することを目的としました。効果を得るためには少し遠回りで面倒ですが、現場に近づいたほうがうまくいくことがわかりました。営業ファーストなアプローチで行った施策を解説していきます。

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