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企業の競争力を高める「営業DX」とは? 日本の営業組織の未来を探る powered by SalesZine

2024年4月18日(木)14:00~15:30

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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【連載まとめ】分析を売上につなげるために 稼働時間はそのままに受注数を1.6倍にした打ち手を紹介


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 本連載では、営業が自分自身でデータ分析が行えることを目指した内容を書いてきました。最終回となる本稿では発展編として私自身が行っている打ち手例を紹介し、実務でのデータ活用イメージをつけていただきたいと思います。

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営業のデータ分析を売上につなげるために

 本連載では営業がデータを活用する際の考えかたと具体的な方法論について書いてきました。当たり前ですがデータを使うこと自体がゴールではなく売上につなげてこそ意味があります。

 よく「分析しても売上に繋がらない」という声を聞きますが、個人的にその理由は「打ち手に繋がっていないから」だと考えています。そんなことはないと思われるかもしれませんが、数字を色々といじっているとそれだけで満足してしまうことは案外多いです。

 本稿では、連載のまとめとしてこれまでの記事内容を踏襲しながら、僕が実際に行っている打ち手例として施策や営業活動例を紹介することで、分析で得られた示唆をどのように打ち手に転換していくかのイメージを少しでも持ってもらえたら嬉しいなという思いで書いていきます。

 さて、私が所属しているLAPRASの営業部では昨年対比で新規受注件数は1.6倍になっています。これはもちろんプロダクトの成長や市場の認知拡大も影響していますが、営業部単体で見ても活動工数をほとんど増やさずこの数字を達成しています。営業指標で見ると商談CVRを「24%→32%」と、8%増加させ、平均単価を「120万円→135万円」に13%増加させていますが、商談にかけた平均時間はほぼ横ばいです。業界・フェーズ・料金体系等の諸々を鑑みても高い成果だと考えています。

 そしてこの成果に向けて行った打ち手としてはターゲット選定、オンライン商談割合の増加、CVR向上施策、外部リソース活用などがあります。これについてどのように分析結果から成果へとつなげたか述べていきます。

分析から打ち手までの実際の流れ

 各営業活動とその分析フローは下記図のような流れで行います。順番にマーケットの定義を行い、営業ターゲットをより明確に定義し、アウトバウンドを始めとした複数のチャネルからリード化を行い、いくつかの方法で商談を行い、最終的に受注という流れのなかで、商談化と受注の要因分析を行います。リードのリサイクルフローだけでなく、分析に使う変数もフィードバックループに乗せています。

 具体的には、チームで行う週に1度のヨミ会で案件状況やネクストアクションを共有しながら、定性的なノウハウである「こういう営業トークが効いた」というものから「顧客属性が変わってきた気がする」という課題感などを含めて共有し合い、それをデータ化していきます。

 

 そこから変数(=理由)を設定し分析を行います。いま設定している変数の一例はこのようなものです。下記はとくに、受注要因に着目した話です。

  • 流入チャネル(チャネルによって商談前の意欲は違うはずだ)
  • 顧客の事業モデル(自社プロダクトとサービス業などでニーズは違うはずだ)
  • ダイレクトリクルーティングの実施有無(類似サービスから導入ニーズがわかるはずだ)
  • 商談の同席者(エンジニアや社長の同席で決裁通過率が変わるはずだ)
  • アポの方法(訪問とオンラインで態度変容の度合いが変わるはずだ)

 これらのデータ使い受注有無をモデル方程式化すると以下のようになります。ここでは階層ベイズで営業メンバーをランダム効果として扱う一般化線形モデルとして考えていますが、分析方法自体は前回紹介した「クロス集計」でも良いです。それぞれの変数の受注率を比べてみましょう(※メンバーの属性による影響や、メンバーの強さが知りたいわけではないのでこのような分析方法を採っています。気になる人は最後に紹介する参考書籍をご覧ください)。

 

受注率y=0.22×チャネルがイベント(1/0) +0.22×チャネルがリファラル(1/0)+ ・・・ +0.49×事業モデルがサービス(1/0)+ ・・・ +0.36×ダイレクトリクルーティング実施経験あり(1/0) + ・・・ +0.75×エンジニア同席あり(1/0) + ・・・+0.48×商談方法が訪問(1/0)+ ・・・ +-2.73

※わかりやすさのため、あえてEstimate値をそのまま係数として記載しています。
※本記事の主旨ではないので表現含め整合性は無視しています。

 ここからどうやら事業モデルがtoC向けのビジネスモデル、エンジニアが同席、ダイレクトリクルーティングの実施有無、訪問商談、リファラルチャネル……などに要因がありそうということがわかります。

 このモデルでは、事前に分けておいた3割の答え(=受注・失注結果)を知っているデータでテストしてみると約8割の受注・失注を説明することができました。

 行動数(商談数やコール数)の整理やチャネル・メンバー毎の内訳だけでなく、上記のようにメンバーの考えやノウハウから定性的な仮説をデータ化することが重要です(前記事参照)。

 それぞれの変数はこのようにモニタリングしメンバー・他部署で変化を追います。そして顧客インサイトや購入の決め手の解像度を高めるために、いま説明できていない受注有無を説明するピンポイントな変数はなんだろう?とフィードバックループを回していきます。

 

 さて、次から分析結果を打ち手に展開する話をしていきます。

次のページ
ターゲットを明確にしリスト化する

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この記事の著者

LAPRAS株式会社 中島佑悟(ナカシマユウゴ)

2018年よりLAPRASにてマーケティング・セールスチームのリーダーとして業務を行う。新卒でトレンダーズ株式会社に入社。その後業務委託にて複数社の支援を行いつつ、営業を主軸に商品開発から人事まで幅広い業務を経験。統計解析やPython/GAS/R言語を利用した業務改善が得意領域。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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