効果はついてくる!営業自身がデータ活用を
昨今、CRMツールやインサイドセールスが盛り上がり、営業でのデータ活用の意欲もさらに強くなっているように思えます。一方でうまくデータを使えていないというご相談を受けることも非常に多くなりました。
本連載では「データを使いたいけどうまくいっていない」という人を対象に考えかたや方法論を解説し、営業が自分自身でデータ分析を行えることを目指します。知識面の解説は書籍などに譲りますが、王道である受注の要因分析を例にとりできるだけ汎用性が高くすぐに使える記事になれば良いなと考えています。
初回の本記事では、まず分析に入る前のベースとなる考えかたについて説明していきます。「考えかたなんかすっ飛ばして方法論を」という声が聞こえてきそうですが、相談を受ける際にこのベースができていないことがほとんどですので、是非ご自身になぞらえて読んでいただけると嬉しいです。
私はこれまで企画系やSaaS系などさまざまな商品を扱い、スタートアップから上場企業まで広めの営業経験をしてきましたが、工学部出身で流体のシュミレーション実験などをやっていたこともあり、KPIの設計はもちろん、さまざまな場面でデータを利用しその恩恵を受けてきました。
たとえば、メンバーの活躍と販売商品の関係から「新卒は特定の商品を全然売れていない」というボトルネックを導き出し、新卒の研修カリキュラムを作成、新人の過去最高の売上平均額を1.5倍にしたり、受注有無を説明するモデルから営業の再訪業務を動画コンテンツで置き換えCVRはそのままに時間コストを約30%削減したり。
もちろんデータが魔法を起こすわけではなく“やるべきこと”が見えるだけです。しかしやるべきことさえ見えればあとは愚直にやるだけですので、分析はちゃんとやればちゃんと効果がついてくるということを最初にお伝えしたいです。